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最後に残った左側の扉を開くと、そこはピクシーたちの住処だった。
小さいな、身長は20センチくらいか。ナイトキャップ姿と、カラフルで身体よりちょっと大きめに見える服が、まるで小さいサンタクロースのようだ。
彼らは座り込んで一心不乱に何かを作っていた。
俺に気づくとお互いに頷きあい、俺を囲んでワイワイキャッキャと踊り始めた。うわ、なんか可愛い。
ひとしきり踊った彼らは、部屋の奥の方に向かい、そこから何かをよいしょよいしょと担ぎ上げて運んできた。
花の細工がたくさん散りばめられたリボンのようだ。
ピクシーのひとりが四つん這いになって、動物の真似を始めた。
あ、もしかしてこれをハクにってことか!
「ありがとな。ハクにあげてみるよ。」
彼らにお礼を言うと、またキャッキャと盛り上がり、今度は幾つかの細い壺を運んできた。
匂いを嗅いでみると、どうやら花の蜜を集めて作った飲み物のようだ。いかにもファンタジーなおもてなしにほっこりする。
それらを手に持ち、ピクシーたちに見送られて、そっと扉を閉めた。
「アド、ピクシーたちめちゃ可愛かったな〜。」
『あらそうですか?私のほうがずっと可愛いと思いますけど』
ん?まさかヤキモチとか?ないない。
リボンと壺をマジックバッグに入れようとして、リボンの花細工の中にひっかかっていた、キラリと光る物を見つけた。
なんだろう、リングぐらいのサイズの変な形のものだ。金属っぽいし何かの部品かな?
まあいいか。俺はそのままバッグに入れた。
少し探索を続けてみたが、ゴブリンが少し居たくらいで特に何も無さそうだ。ここも探索後に放置されたダンジョンなのだろうか。
あのピクシーたちは、このダンジョンのどこかにいるようには思えなかったな。あの扉もムユツミと同じように、世界のどこか遠くに繋がっているのか。
ダンジョンを出てみると、もう夕闇が迫っていた。
俺はここにテントを張ることにして、野宿の準備を始めたのだった。




