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page.74

最後に残った左側の扉を開くと、そこはピクシーたちの住処だった。


小さいな、身長は20センチくらいか。ナイトキャップ姿と、カラフルで身体よりちょっと大きめに見える服が、まるで小さいサンタクロースのようだ。

彼らは座り込んで一心不乱に何かを作っていた。


俺に気づくとお互いに頷きあい、俺を囲んでワイワイキャッキャと踊り始めた。うわ、なんか可愛い。


ひとしきり踊った彼らは、部屋の奥の方に向かい、そこから何かをよいしょよいしょと担ぎ上げて運んできた。

花の細工がたくさん散りばめられたリボンのようだ。


ピクシーのひとりが四つん這いになって、動物の真似を始めた。

あ、もしかしてこれをハクにってことか!


「ありがとな。ハクにあげてみるよ。」


彼らにお礼を言うと、またキャッキャと盛り上がり、今度は幾つかの細い壺を運んできた。

匂いを嗅いでみると、どうやら花の蜜を集めて作った飲み物のようだ。いかにもファンタジーなおもてなしにほっこりする。


それらを手に持ち、ピクシーたちに見送られて、そっと扉を閉めた。



「アド、ピクシーたちめちゃ可愛かったな〜。」


『あらそうですか?私のほうがずっと可愛いと思いますけど』


ん?まさかヤキモチとか?ないない。


リボンと壺をマジックバッグに入れようとして、リボンの花細工の中にひっかかっていた、キラリと光る物を見つけた。

なんだろう、リングぐらいのサイズの変な形のものだ。金属っぽいし何かの部品かな?


まあいいか。俺はそのままバッグに入れた。



少し探索を続けてみたが、ゴブリンが少し居たくらいで特に何も無さそうだ。ここも探索後に放置されたダンジョンなのだろうか。


あのピクシーたちは、このダンジョンのどこかにいるようには思えなかったな。あの扉もムユツミと同じように、世界のどこか遠くに繋がっているのか。



ダンジョンを出てみると、もう夕闇が迫っていた。

俺はここにテントを張ることにして、野宿の準備を始めたのだった。


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