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さて、次に向かうのは、確かドワーフの国だな。
俺は、以前アドに聞いたこの本のあらすじを再度思い出してみた。
まず聖剣。次にエルフの国の姫探し。ドワーフの国の揉め事。火山島のドラゴン攻略。呪いが解けたドラゴンが竜騎士に戻る。竜騎士に呪いをかけていた魔族の魔術師を倒す。最後に魔王。
えーっと、聖剣はゲットした。
エルフの姫は探し出して、一応仲間?とした。
この中には無いけれど、賢者のユージンを仲間にしている。アドが、別にいいんじゃないかと言ったから、まあ仮押さえとして。
……って、これってまだ、ストーリーの半分も終わってねぇじゃんかよ!なんだかんだで、スタート時点のムユツミからここまでで、既に半年は経ってるような。
そもそも、アドが教えてくれたあらすじはざっくりしすぎだし、クエスト盛り込みすぎなんだよ…そこに至るまでも長いじゃん!
やっぱり気になって、またアドに確認してみることにした。
「なあ、アド。以前聞いたこの本のストーリーなんだけど。あれから内容が変わった、なんてことはないよな?」
『もちろん変わっていませんよ。次はドワーフです』
「それにしてはなかなか進んでないよな。こんなんで良いのか?」
『いいんじゃないですか?別に急ぐ旅じゃなし』
「俺は早く元の世界に帰りたいの!就活の準備だってしなきゃならないんだから!!」
ベッドで枕を抱きしめて、ゴロンゴロンしながら叫ぶ俺。
『だから、このまま勇者に永久就職しておけば、社畜にならずにすみますよ』
「いや、このままだと、なんか違う下僕になる気がする!」
『ほんとエイトはわがままですねぇ』
「わがままって言うな!」
は〜…なんか疲れた。
ずっと、こんなんじゃ病む。病んじゃう。
でも、前に進まなきゃ帰れないんだよなぁ。
『エイト…5月はもうとっくに終わりましたよ?』
「だから5月病ちゃうわ!」
なんとか気分転換しなきゃだよなぁ。でもさ、そんなの何があるって言うんだ。
『エイト、大丈夫ですか?なんだかいつもと違うようです』
「うん…ごめん。なんだか疲れちゃっててさ。この本のナビゲーターなだけのアドに当たっても仕方ないよな……」
俺のそんな言葉にアドはしばらく黙っていたが、再び話し始めた。
『エイト、湖を見に行きませんか?』
湖って、この世界の真ん中にあるあれか。そのド真ん中に最終目的地の魔王城があるんだよな。
「え、湖?なんで今?湖に行くのはずっと先だろ?」
『もし、先に火山島に渡る手段を確保しておけば、今後の行動の弾みになりませんか?馬を借りて走っていけば、気分転換になるかもしれません』
え?なんか…アドが初めて俺に気を使ってる?
もしかして、俺の気持ちを考えてフォローしようとしてる??
「ありがとう、アド。……そうだな、それでちょっと気分転換してみるか。」
『そのすぐ乗せられる、調子の良さこそエイトですよ』
「おい!誉めてんのか貶してんのかどっちだよ!?」
あ、ちょっと笑えた。
今夜はゆっくり寝て、明日のことは明日また考えるか。




