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翌朝、アマルガリタの執務室に呼ばれた。
朝食代わりにと、彼女の新作ジュースの試飲を頼まれたからだが、もちろんそれは彼女の口実だ。
ジュースを俺の前に置き、彼女は向かい側に座り話し出した。
「勇者エイト、姫を連れ戻してくれて感謝する。」
そう言って深々と頭を下げる彼女に、何故か焦って返事をする。
「いやいや、ダンジョンに隠れていただけで良かったよ。…なんかサボテン食ってたけど。」
アマルガリタは苦笑した。
「ああ…ペットのなすびか。あれは姫のペット兼おやつだよ。隠れている間は非常食にされてたんだろうね。」
おやつ!?非常食!?
……なすび、お前も苦労してるんだな……強く生きるんだぞ。
「なあ、アマルガリタ。それならあの、きゅうり?ってのは何なんだ?あれも姫のペットなのか?」
アマルガリタは顔を横にふった。
「あれはペットじゃない。あたしも初めて見たもんさ。それこそダンジョンのモンスターだろう。植物系だから、姫に懐いた。そんなところだろうさ。」
俺はもうひとつ聞いてみた。
「姫ってさ、250歳だろ?あんなに幼いとは正直思ってなかったからびっくりしたよ。」
「ああ、白銀のエルフは特別長寿でね。その年数でもあのような子どもなんだよ。まあ、あのやんちゃな姫も、あと500年もしたらもう少し分別がつくようになるだろうさ。」
そうなのか。じゃあアマルガリタは何歳なんだろう?
ふとそう思ったが、なんとなく聞くのはやめておいた。
アマルガリタは座り直し、少し身を乗り出すようにして話し出した。
「姫はあんたを気にいったようだし、あんたの誘いならついて行くだろう。その時までに、姫があのモンスターを自由に操れるようにしてみるさね。」
「アマルガリタ…俺が姫を危険な旅に連れ出すことは、エルフにとって恐ろしいことだろうし、王や王妃も絶対反対するだろう。それなのに俺に協力するっていうのか?」
「まああたしも、蒼のエルフとして、あのモンスターの研究はしてみたいからね。ファイエルのような目には遭いたくないから、ま、慎重にいくさ。」
俺はあの悲惨な光景を思い浮かべた。
ファイエル大丈夫かな……ほんと不憫なやつ。
「さて、そろそろあんたをチャーションに送っていくよ。急ぎの用事があるんだろ?」
「ああ…いろいろありがとう、アマルガリタ。」
「まあ、これも縁さね。」
俺は立ち上がり、アマルガリタに連れられてエルフの国を後にするのだった。




