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page.58

ダンジョン出口まではまだ距離がある。

俺は歩きながら、姫に話しかけてみた。


「なあ、姫。あの蔦?みたいなのは何なんだ?」


「きゅうりじゃ。」



……うん。だからね、そうじゃなくてね?


「あれはモンスターじゃないのか?」


「植物じゃろ?わらわはいつも植物に愛されるからのぅ。」


そういえば、以前ファイエルが植物について、「姫の愛され方は異常」と言ってはいたが。モンスターまでもがその範疇に入ってしまうとは…恐るべし白銀のエルフの姫。


「しかし、あれは凄かったな。手を出してみたらトゲが飛び出して来たんだぞ。あれじゃまるでいばら姫だ。」


「いばら姫とはなんじゃ?」


うろ覚えではあったが、俺は童話のいばら姫がいばらのやぶが生い茂る奥で眠り続けたという話をした。


「おお!それは良いの。よし、おぬし、これからはわらわのことを、いばら姫と呼ぶがよい!」


姫は興奮して、さらに目をキラキラさせた。


「ところで…おぬしは誰じゃ?」


……今かよ!


俺はもう力尽きて、地面に突っ伏すしかなかった。



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