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ふたつめのダンジョンでアドがやらかしやがった。
このダンジョンは階層が深そうで、一日目は午前中に2階層まで見て一旦戻り、午後に3〜4階層まで確認した。
ここもバンシーのようなものがほとんどで、他にはスライムが多数いた。
人間界のダンジョンとは随分違うもんだ。
やはりエルフのテリトリーだと、悪意の強いゴブリンや、死霊でもリッチなんかは出ないということか。
翌日、5階層に降りた時のことだった。
『パンパカパーン♪さぁさ皆様お待ちかね!きちゃいましたよ《選択》タイム!!!アドベンチャーゲームブックと言えばこれ!選んだページで行き先が変わる!エイトの運命のショーターーーーーイムッ!!!』
「…っ!だぁからもうっ、毎回うるせーんだよアド!もう少し静かにしてくれって、前にも言ったろ!!」
いつものように苦情を申し立てる俺。
『さてエイト、あなたはアドベンチャーゲームブックのページを選択し、先に進まなければなりません。どれを選びますか?』
…またもや無視。分かってたけどね。
文句を言ったところで仕方ない。どうせまた、「私のお仕事です」と言われるだけだ。
空中にスクリーンが浮かび、いつものように、選択肢が表示されている。俺はそれを眺めて考えた。
―3ページへすすむ→
―98ページへすすむ→
―165ページへすすむ→
ん?3ページってえらく前の方のページだよな。でも以前に前の方だからと10ページを選んで毒ガス部屋だったから、安全とは限らない。
でも、その思考が誘導かもしれない…
「よし、アド。3ページだ。」
『畏まりました。ではエイトを3ページに転移します』
転移した先は、レンガ造りの小部屋だった。
中央には足の長い机があり、その上にはランプの明かりを反射し輝く、黄金の細長い壺のようなものがあった。
もしかして…これって……
「一発で当たり、か…?ぃよっしゃーーー!!!」
俺は拳を振り上げた。
これまで3回やって、3回とも一発目が罠だったんだ。嬉しくてたまらない。
「なあ、アド!アド!これ当たりだよな!!」
興奮して叫ぶ俺。
『………ちっ………そうです、これはどんな病や怪我も完全に治してしまう、貴重な妙薬です』
やったー!なんか、アドが舌打ちしてたけど気にしない!思わず小躍りなんかしちゃう。
転移する前の場所に戻り、アドに聞かれた。
『どうします?他のページにも行きますか?』
なんだか口調が固いような。俺が一発で成功したので拗ねてるのか?アドちゃんめ。
俺は少し考えたが、今は何より、この初成功の喜びを噛み締めたい。
「いや、一旦出るよ。」
帰還石を割り、俺はウキウキしたままダンジョンの外へと出たのだった。




