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暇だ。何もすることがない。
俺はベッドで寝返りをうちながら惰眠を貪っていた。
ここチャーションには、冒険者ギルドとその中にある経理局、その他飲食店や宿が数店舗あるのみだ。
ギルドに行っても、こんなところでは討伐依頼は無い。置いてある本を借りようにも、教会や聖職者の清廉さを褒め讃えるような内容のものしかない。
ドルマと呑んでいた時に彼が言ったように、ほんとに何もないのだ。
「うーん…」
そうだ、行方不明のエルフの姫について考えてみよう。
確かバイナがこんな風に言っていた。
『そうは言っても子どもなんすよね?本気で出奔した訳じゃなし、案外近くに隠れてんじゃないすか?うちのチビどもだって、かあちゃんに怒られると大抵納屋に隠れて迎えを待ってるもんっすよ。』
たぶん、そうなんだろう。
250歳といってもまだ子どもなら、ひとりで遠くに行けるわけがない。
また、バイナは未探査のダンジョンの可能性についても言っていたな。その確率は高い。何故なら、エルフという種族は地下を嫌うからだ。
以前ある依頼絡みで出会ったエルフも、「何故ダンジョンなどという、ジメジメして穢らわしいところに好き好んで入るんだ」と、まるで俺を虫かなんかを見るような目で言っていた。
まあ、それはそれとして。
エルフの国に行ってから俺がやることは、姫の両親にダンジョン探索の許可を取ることだな。
現在チャーションに居る冒険者たちは、聖女の加護を求める貴族やらの護衛任務で来ているだけだから、彼らとパーティーを組むこともできないし…やはり単独でのダンジョン攻略になるか。
「なあ、アド。エルフの国にダンジョンはあるのかな?」
『もちろんです。ダンジョンは世界中にありますから。まあ、エルフの国まで行ってダンジョンに潜ろうなんて物好きは、未だかつて居ないと思いますけど』
「うーん、だよなあ。そもそもエルフの国って基本的に俺たちなんて入れてくれないし。」
そうなのだ。俺の中の勇者の記憶にも、エルフの国に入国したというものはない。今回は白銀のエルフのファイエルから姫探しの依頼を受けたからこそ、エルフの国に向かっている。
どんなところだろう、エルフの国。
エルフだからすらりとした美形で溢れているというイメージはある。…まあ、アマルガリタはちょっと違うけど。
ドラゴン攻略のパーティーメンバーとなるエルフの姫も、やはり儚い感じの美少女だろうか。
そんなことを考えながら、俺はまたウトウトと眠りに落ちるのだった。




