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page.46

魔族の瘴気に当てられたのか、足取り重く歩いていた俺は、森の中の大きな木を背に座り込んだ。

回復用のポーションを取り出し、一気にあおる。


「ふぅ…」


少し話をしただけなのに、威圧感でこんなに疲労するとはな……あの魔族はただ者ではないのが分かる。


「なあ…アド。さっきの魔族のこと、どう思う?」


『どう、とは?彼の言っていたままではないですか?』


アドは相変わらず適当な返事をする。


「いや、俺にはよく分からないんだ。俺のじゃまをしないよう言われている?誰に?それも、この本の強制力なのか?」


『エイト、あの魔族もただの登場人物ですよ。そんなに気にしなくてもよいのでは?』


いやアド…お前、あんな魔族の扱いもそんな雑でいいのかよ。



「それはそうと、さっきのダンジョンは攻略しなくても良いものだったのか?」


『あら?あそこに戻りたいと?』


ゔっ……


「…いや、今はやめておく。まだあいつがいるかもしれないからな。」


あの魔族のことは、もしまた会うことになったら考えよう。その時はもっと情報を聞き出してみせる!と思う…たぶん。


『もしかして、エイトビビっちゃってますかぁ〜?』


こんな時までからかってくるのかよ。


「あんなんビビるに決まってるだろ!俺は普通の大学3年生なんだぞ!!」


『な〜んだ、つまんないですねぇ。俺に任せろ、とか言わないのですか?』


「怖くて言えるか!!!」


『ふふ、もちろん冗談です。放っておいて正解ですよ。絡んだところでストーリーは進みませんから。』


それもそうだな、とよいしょと腰をあげる俺だった。



その後は特にトラブルもなく旅は進み、3日後の夜に目的地のボードラ村に到着した。ただし村には宿が無いので、近くの森で野宿だ。


ミリアムさんにお借りしているテントを張り、ランプを灯し、遠くに虫の音を聞きながら、温かいお茶を淹れて飲む。

夜空には満天に煌めく星々。


バルマス王国の南部にあるムユツミの森からスタートしたこの本のストーリー。いつの間にか、その王国の北の端まで旅してきたんだな。


明日にはいよいよ国境を越えて、クーリガルド正教国の唯一の都市、チャーションに行くぞ。





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