↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/177

page.36

俺とアルマスは、洞窟のようなその穴に近づいていった。


そっと中を覗く。ヒカリゴケが生えているのか、見える範囲の洞窟内は暗くは無さそうだ。でも念の為にランプを用意しておくか…


「勇者エイト!さあ早く入りましょう!」


ずかずか中に入って行ってしまう勇者アルマス。

えええ!なんの警戒も無しかよ!


とりあえず彼を捕まえようと、追うように中に入ったその瞬間。



『ピンポンパンポーン♪えーテステス、テステス、ただいまマイクのテスト中〜。さぁて皆様お待ちかね!お久しぶりの《選択》タイム!!!アドベンチャーゲームブックと言えばこれ!選んだページで行き先が変わる!エイトの運命のショーーーターーーーーイムッ!!!』



「ちょっ…アド!今かよ!!!この忙しい時に!」


脳内に響き渡るアドの声に、俺は抗議した。


『さてエイト、あなたはアドベンチャーゲームブックのページを選択し、先に進まなければなりません。どれを選びますか?』


当然のように俺の抗議は無視される。

空中にスクリーンが浮かび、選択肢が表示された。


―25ページへすすむ→

―42ページへすすむ→

―71ページへすすむ→


「勇者エイト。どうされました?突然大声で何を?」


アルマスの声にハッとする。そうだこいつがいたんだった。彼は俺の大声に立ち止まり、キョトンとしてこちらを見ている。


うーん…でも選択肢を無視することはできないんだよな。ということは罠にかかるとこいつも巻き添えということか。ここは慎重に選ばないと。


とはいえ、ノーヒントの無慈悲な選択肢だ。

結局は勘!


「よし、アド!71ページだ。」


『畏まりました。ではエイトを71ページに転移します』




―転移した先には扉があった。


俺は迷いなくそれを開き、アルマスも続く。


突然四方八方から多数の矢が飛び出し、容赦なく体を貫いてゆく。


「ぐっ、ぐぁああああ!!!」



全身にささる矢の激しい痛みと苦しみの中、倒れ込んだ俺たちの意識は静かに消えていった…







〈終〉






「……ぐわっ!いてっ痛てて!!!全身痛いぞアド!!!」


いつものように、転移する前の場所に突っ伏していた俺は、上体を起こしてアドに文句を言う。


「どうされました、勇者エイト。いきなり突っ伏して叫んだりして……?」


その声に弾かれるように見ると、選択する前のままキョトンとしているアルマスの姿。

え…?なんで…??確かにこいつ、俺と一緒に矢に貫かれていたよな……???


「アルマス?お前なんともないのか?」


ますますキョトンとするアルマス。


『彼はエイトとは違って、この本の単なる登場人物ですから。選択肢の影響は受けませんよ』


―ちょっと待て。ということは、アドの選択肢に巻き込まれても、アルマスには影響が残るどころか、まるっきり何も起こっていなかったということになるのか…?

他人を巻き込まずに済むのは、まあ良いことだと思うが―


ずっる!なんかそれめっちゃズルくね!?

なんでそんな理不尽なんだよ!!!


「あ、もしかして勇者エイトは閉所恐怖症なのですか?」


「違ぁぁぁぁあう!!!」


俺は倒れたままプルプル震えながら、キョトンと俺を見ているアルマスを見返して叫ぶのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。