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今日は盗賊のバイナとダンジョンに潜っている。
先日ユージンと持ち帰った宝石の中に、超古代の魔法陣を封じ込めていると見られるものが発見されたらしい。
ギルド長は宝石があった部屋の第一発見者として、俺にそこの宝石を持ち帰れるだけ取ってきて欲しいと依頼してきた。
ちなみにユージンもその宝石に関わる解析にしばらく駆り出されるらしい。なので旅の誘いも断られたという訳だ。
俺は今回のダンジョン探索のパートナーにバイナを指名した。まだ宝石の詳細はあまり周りに知られないようにして欲しいとの国の言伝もあり、なら彼が適任だろうとギルド長も認めてくれた。俺では分からない宝石の価値も、盗賊であるバイナならばその目利きが信用できるからだ。
前回と同じように10階層に転移してもらい、そのまま15階層に降りる。またゴブリンやオークをばりばり切り倒しながらその部屋へと向かっていた。今回はバイナが明かりの係で、持続時間が長く発光の強いランプを持ってもらっている。
先日発見したあの宝石部屋には、特にトラブルもなくスムーズに到着した。
早速バイナは大ぶりの宝石を手にして真剣に確認している。
俺は彼の確認済みのものを集めて、普通の宝石と魔法陣入りかも知れないものを分けて袋に入れてゆく係だ。
他に魔法陣に関係なさそうな小ぶりのものも違う袋に詰める。後でマジックバッグに入れて持ち帰るのだ。
宿で用意してもらったお茶と軽食で休憩時にバイナに相談してみた。もちろん行方不明のエルフの姫の情報のことだ。
サンドイッチを食べながら俺の話を聞いていたバイナは、不思議そうな面持ちでしばらく思案していた。
「そうは言っても子どもなんすよね?本気で出奔した訳じゃなし、案外近くに隠れてんじゃないすか?うちのチビどもだって、かあちゃんに怒られると大抵納屋に隠れて迎えを待ってるもんっすよ。」
そうか、バイナの意見は盲点だった。
いくら250歳でも、子どもが世界中を逃げ回ることができるはずないよな。白銀のエルフなんて目立つ存在じゃ尚更だ。
「おいらたちにも情報が入ってこないとなると、誰かに匿われてるかも知れないっすよ。うーん……あの白銀のエルフの探査になかなか引っかからないとなると、未探査のダンジョンの中なんてのもあるかもしれないっすね。」
「うん。そうだな。バイナの言うことも一理ある。マジで助かるよ。」
「情報が無いなら、とりあえずエルフの国に向かってみてはどうっすかね?盗賊仲間の情報網にも聞いておくっす。エイトの旦那がこんな儲けになる仕事に誘ってくれたお礼っすよ。」
と嬉しげにウインクしてくる。
周りの誰より盗賊が一番常識人ってどうなのよと思いつつ、まずはエルフの国へ向かうと決めたのであった。




