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page.19

まだ呑むというバイナと別れて、俺は宿に戻った。

風呂の後のアルコールでほんわりいい気持ちだ。


ベッドに腰を下ろし、落ち着いたところであらためてアドに聞いてみることにした。


「なあ、アド。全てのクエストをこなさないと本当に戻れないのか?すっ飛ばしてドラゴンのところとか無理なんだろうか?」


『うーん…全ての選択肢を正しく選べることができれば、もしかするとできるかもしれませんが、エイト単独だとドラゴンの前に出た瞬間に塵と消えますよ?』


「……それは選択肢の時みたいに、やり直しってのは……」


『無いですね、塵は塵です』


うーん、やっぱり無理かぁ。


『どうしました、エイト?もしかして五月病ですか?』


「いやいや、就職してないから!!」


そうだよなぁ、実際そろそろ内定取ること考えないと。とはいえまだ就職したい企業も無いしなぁ。


ぼんやり考える俺。


『もう勇者に永久就職しますか?』


「なっ……せんわ!」


『ふーん。そういえば前から気になっていたのですが、エイトが突っ込む時、たまに関西なまりになってません?』


不思議そうに言うアド。こいつ俺のことに興味は無いと思っていたけどそうでもないのか?


「ああ、それか。うちの母親が関西出身なんだよ。」


そう言って思い出す。親父のマイペースさに全力で突っ込む母親と、うちの奥さんは元気だなぁと呑気に笑う父親。

うっ…なんかしんみりしてしまうかも。


「でもなんで関西って分かるんだよ?」


『それはもう、あの図書館で暇すぎたからお笑いのDVDを見ていたんですよ』


……いやだから、本がどうやってプレイヤーの操作できるんだよ。


『その割に、なんでやねん!とか、もうええわ!とか言わないなと思っていたんです』


「毎回そんなベタなこと言うかよ!もうええわ!」


……あ。


ゔっ…しまった!釣られた!


『うっふふ。なぁんだ、やっぱり言うんじゃないですか〜』


妙に嬉しそうなアドに頭を抱える俺だった。

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