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page.186

ところで、話は昨夜に遡る。


以前エルフの王に、姫を見つけた褒美として、指輪や腕輪を数個、短剣、鏡、スカーフをいただいた。


そのうちのひとつはエルフのユニコーン、ダイハクリョクことハクを呼び出せる指輪であることを、エルフおたくのシャリーンに解読してもらった。


そして蒼のエルフの長であるアマルガリタがシェアハウスに来た時に、腕輪のひとつはテイムに使えるものであることが分かった。これは一体にしか使えないから、慎重に選ぶようにとのことで。


その時、他のアイテムについてもアマルガリタに教えてもらい、メモをしていたのだ。


大体、ステータス画面を呼び出して、アイテム一覧を見たとしてもこんな感じ。



★エルフ王のアイテム


ユニコーンの指輪


指輪 ? 未使用


指輪 ? 未使用


腕輪 ? 未使用


腕輪 ? 未使用


短剣 ? 未使用


鏡 ? 未使用


スカーフ ? 未使用




「……おい、アド。これって不親切すぎじゃね?」


『使っていない物が何か分からないのは当然では?』


と、冷たく言われたからだ。


アマルガリタによると、あまり強い力を人間に与える訳にはいかないので、使用が限定されているものばかりだということ。


「王は軽く玩具を与えたつもりなんだろうね。それでも人間には過ぎた力なんだろうけどさ。まあ、エイトの性格じゃ悪用はできないだろ。」


そう言い、アマルガリタはニマリと笑っていた。



書いておいたメモには、『スカーフ 身につけると相手に見せたい姿を見せることができる。ただし、イメージは決めたらそのひとつに固定される』とあった。


アルトにその話をすると、なぁんだという顔をされた。


「じゃあ、さっさとそのスカーフを使って変装すれば良かったじゃないか。」


「そう言われても、俺にはどんな姿が良いか決められなかったんだよ。」


アドに聞いても茶化したような姿を勧められるだけだ。といっても、アルトでも危険だ。女の子に変装でも勧められると厄介だからな。


「じゃあこういうのはどうだ。金髪で巻き毛の可愛い女の子というのは?」


アルト、真顔で言うな。


「いや、夜にリヴァリエル卿に会った時に相談する。」


ということで相談の結果、俺の姿はほぼ今のまま。ただし黒髪黒目じゃなく、明るい茶色の髪と目ということにした。丸い眼鏡をかけ、髪も少し長くし軽く縛ることにした。冒険者とはかけ離れた学生っぽい姿だ。


「なんだ…こんなの凄く地味じゃないか。」


スカーフを巻いて変化した俺の姿を見たアルトは頰を膨らませて不満げだ。アルトの提案を卿と俺がことごとく却下したからだ。青だの紫だのピンクだの、そんなエルフか異世界アニメみたいな髪の色なんてごめんだ。


そして、今朝この姿でバローチェン男爵に会い、服も男爵のお付きが着るものを用意してくれることとなった。


「なんだ…つまらないな……」


アルトはいつまでもブツブツ文句を言っている。スカーフの話をする前、彼は自身の変装用のウィッグのコレクションを並べていたのだ。


「エイト!じゃあせめてどれがエイトに似合うか試してみようじゃないか!また他の変装が必要な時があるかもしれない!」


「いや、そろそろバランさんの宿に帰らないと。旅の支度もあるし。」


「ちょっとでいいから!」


せっかく色々考えてくれたアルトをがっかりされるのもな……と思った俺は、アルトがリヴァリエル卿に窘められるまで、延々と着せ替えごっこに付き合わされたのだった。


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