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page.150

翌朝ヒマリはゆっくり起きてきた。そういや昨日は姿を見なかったな。


「おはよう、ヒマリ。」


「おはようございます、エイトさん。皆、いないんですね。」


「ああ、用事で出て行ったよ。ヒマリはよく寝ていたんだな。」


ヒマリは少ししんどそうに座った。


「うん、ヒマリちょっと疲れてて。」


「え!旅行疲れかな。大丈夫か。」


「そうだね。長い旅行なんて初めてだったから。でも大丈夫だよ。一気にレポート書こうとして疲れちゃったのかもだし。」


そうか、ヒマリは一番年下だもんな。皆と一緒によく頑張ったよ。

俺はふと思いついて言った。


「ヒマリ、今日は時間ある?」


「うん、大丈夫。」


「じゃあ、俺とハクと遊んでくれない?」


「ええっ!?」


ヒマリは目を丸くしていた。もうハクには会えないと思っていたからだろう。


「でも、皆いないのに、ヒマリだけ良いの?」


「もちろん。だって、皆忙しいって言って、俺と遊んでくれないんだ。ああ、俺ってなんて可哀想。」


両手を広げておどけて言うとヒマリは笑いだした。


「じゃあ、ヒマリが遊んであげる。」


「よし、決まりだな。じゃあヒマリが朝ごはんを食べたら出発するぞ。」




俺たちは馬車で街外れまで行き、森の中でハクを呼び出した。


「ハク〜、ヒマリだよ。また会えて嬉しいね。」


ヒマリが手を差し出すと、ハクはぺろりと手のひらを舐めていた。


俺たちは座りこんだハクにもたれかかってのんびりした。ハクはあったかいな、ほんと癒やされる。


「ヒマリはね、エルフの言葉の勉強は続けるよ。アマルガリタさんが、ヒマリ才能あるって言ってくれたもん。」


膝を抱えるようにして座るヒマリが言う。


「そうか、ヒマリならできるよ。」


「うん、頑張る。それでね、ヒマリは図書館の司書になって、皆にエルフの本やいろんな本を読んでもらうようにするの。」


「図書館か。ヒマリは本が好きだもんな。」


「うん、だからメイリンとよく本の話をするよ。メイリンと友達になれて良かったな。」


ヒマリは俺の方を見て言った。


「エイトさんともお友達になれて良かった。お別れしても、また会えるといいな。会いにきてくれる?」


「うん、俺もヒマリたちにはまた会いたい。」


「前にね、きっとジェリコはご飯屋さんをするよってヒマリ言ったでしょ?そこに集合ね。」


「あはは、そうだな。」


その時、ハクが身体を揺らした。あれ?もう帰る時間だっけ?

ハクの銀色の角が発光している。すると、俺たちの周りにキラキラとした花が振り注ぎはじめた。


「うわぁ…綺麗。」


ヒマリが目を輝かせて花を受け止めている。ハクの降らせている花は、ヒマリの手のひらで一瞬煌めいては消えてゆく。


「ハク、ありがとう。」


ヒマリはハクの顔を見てお礼を言うと、ハクは頷いていた。俺はそのハクの顔がとても高貴なものに見えて、本当にハクはどんな存在なのかと思った。


ハクを見送り、俺たちはシェアハウスに戻るために馬車に乗った。


「ヒマリ、今日のことは皆には内緒だよ。」


俺がしーっと内緒のポーズをすると、ヒマリもしーのポーズをした。


「うん、ふたりだけの秘密ね。」


俺たちは馬車の中で笑い合っていた。



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