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「ヒマリさん、お久しぶりですね。お元気でしたか?」
ラピスラズリの髪に整った顔立ちのタルスがヒマリに微笑みかける。エルフは皆美形でズルいよな。
タルスに笑みを向けられたヒマリは真っ赤だ。
「ああああの…タルスさん!はいっ、元気ですっ!」
ヒマリが明らかに挙動不審だ。もしかしてヒマリはタルスが好きなのか?皆も久しぶりに会うタルスに嬉しそうに挨拶をした。
「ああ、来たのか。皆、入っていいぞ。今我々はエイト君が拾ってきたダンジョンの生命体の研究をしているところだ。」
キースは俺たちを招き入れた。透明なケースに入っているそれを指し示しながら説明していた。
「植物系ということは分かった。おそらくダンジョン内の補給に関する物だが、ここでは仕組みや効果がまだほとんど分からん。ダンジョン内で検証する必要があるのかも知れんな。」
キースがちらっとこちらを見たが、俺はさっと目を逸らす。俺は暇人じゃないぞ、そんな事に関わる暇はない。
「まあ何事もこれからだ。新しい事に取り組むのは好きだからな。」
キースは今度はタルスをちらっと見ていた。タルスは彼女の視線に頷いている。キースはマイルに話しかけた。
「マイル君、施設内の見学が終わったら、君の研究対象のサボテンを見せてやりたまえ。どれを持ち帰るかも報告するように。」
「分かりました。教授、ありがとうございます。」
キースはマイルと俺たちに微笑みかけた。怖っ!
「君達の中で、もう少し見てみたいというところがあれば遠慮なく言うといい。明日の午前中に見学できるよう、手配しておこう。書庫も見学自由だ。本が好きなお嬢さんがいるようだからな。」
「ええっ!ありがとうございます。行ってきます!」
ビシッと手を上げて言うメイリンに皆笑った。
次の場所の見学の為に研究室を出ていこうとした時、キースに呼び止められた。
「エイト君、マイル君とともに、夕食後に執務室に来てくれ。」
「あ、分かりました。では後で。」
なんだろう?マイルの持ち帰る物の打ち合わせかな?俺は特に深く考えずそこを後にした。
砂漠エリアが近くにあることに皆は驚いていたが、その手前の大量のサボテンにも信じられないという顔をしていた。
「何だ!?サボテンってこんなにいろいろあるのか?マイルの部屋の鉢植えとは全然違うじゃないか!?」
ジェリコが叫んでいる。目の前の光景が信じられないようだ。まあ、俺も初めて見た時は驚いた。サイズも色もいろいろあるんだから。
「ヒマリ、このオレンジの小さいの可愛いと思う。」
「僕はこの一番大きいのが好きですねー。」
ユアンが自分より背の高いサボテンを指差すと、皆それぞれ自分のお気に入りを見つけようとしていた。
「マイルはどれを持ち帰るつもりなんだ?」
俺が聞くとマイルは苦笑していた。
「全部…と言いたいくらいですが無理ですね。キース教授は好きなだけ持ち帰っていいと言ってくださってますが。エイトさん、正直どのくらいならバッグに入りますか?」
「俺のバッグは一応無限に入るはずだ。サボテンなら中で傷むこともないだろう。ただ、どうパッキングするかだな……」
「そうですよね……」
俺たちはサボテンを前にキャッキャしている彼らを見ながら、明日のパッキングについて頭を悩ませるのだった。




