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水着を買いに行くついでに冒険者ギルドに立ち寄ったら、昨日の危険な単独行動についてギルド長にタップリ絞られた。


「そうは言うが良くやってくれた。後で国王から褒賞が出るとのことだ。」


ギルド長のイーサムはそう言って笑顔を向けてくれた。今回のレッドヒル大量発生も俺のせいでもあるんだが……

前回のワーウルフ大量発生は、その時は原因が分からなかったから貰ったけど今回はどうしたものか。


「イーサム。それは今回の事件で怪我をした人と、尽力した冒険者たちで分けてくれ。」


「えっ!いいのか、それで?」


「ああ、頼む。」


俺はギルドを出て、急いで水着を買いに走った。





あー、昨日は楽しかったな。


湖で泳いだり、ボールを使ってビーチボールみたいなものをやったり。シュノーケリングで、湖の中の魚たちや底にいる貝を見た。


俺はどちらかというとインドア派なので、こういうリゾートでの遊びをやったことがなかった。こうして皆で外で遊ぶのってなんて楽しいんだろうと思った。



今夜は夏の終わりの花火大会だ。


ファルナートでは毎年この時期、去りゆく夏を惜しむように、魔導士たちが魔法の花火を打ち上げる。さすがリゾート地らしい催しだ。

とはいえ、フィルマルト王国はいわば南国なので、年中通してそんなに気温の変化は無い。ま、これも気分というやつか。


浜辺で敷物の上に寝転んだり、椅子に座ったりしている人たちを見ながら歩いていたら、後ろからぽんと肩を叩かれた。


「エイトさん、こんばんは。」


「マイル!」


セレチャルトに居るはずのマイルがそこに居た。


「旅行に来ている皆が、ファルナートで遊ぶらしいとキース教授に言ったら、何やってるんだ今すぐ行ってこい!と怒られました。」


「はは!彼女なら言いそうだ。」


ふたりで並んで打ち上げが始まった花火を見る。


「きれいですね。」


「ああ…きれいだな。」


マイルが俺を見て言った。


「皆で泳いだりしたんですよね。それには間に合わなくて残念です。」


俺はマイルの腕を掴んだ。


「そうでもないぞ。それ、行くぞ!」


「え…ちょっとエイトさん!?」


俺はマイルの腕を掴んだまま、湖に走り込んだ。


「わ!ちょっと待ってエイトさん!!」


マイルは持っていたバッグを浜辺に放り投げた。そして服のまま水の中に倒れ込む。


「あー気持ちいい〜。」


そう言いながらマイルは笑っている。


「そうだろ。おーい、みんなー、マイルが居るぞーーー!」


俺が大声で呼びかけると、浜辺で花火を見ていた皆が走ってきた。


「えっマイル!?」「うそっ!」「本当にマイル!?」


口々にそう言いながら、彼らも湖の中に飛び込んできた。


頭上には、幾つもの美しい花火。 


俺たちはずぶ濡れで笑い合いながら、全員揃って花火を見ていたのだった。 



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