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page.13

10階層の中をしばらく歩いていると、曲がり角からいきなり一匹のゴブリンが飛び出してきた。

冒険者ギルドの情報通り、この階層はゴブリンの住処なのだ。


俺は慌てず、鋼のソードでゴブリンを一刀両断した。手に伝わるその嫌な感触。しかし俺の勇者としての記憶がそれをなんでもないことだと自然に脳内変換する。


昔、妹と一緒に、変身して戦う美少女アニメを観ていた時のことを思いだした。不思議な力をもらったとはいえ、普通の女子が突然敵を殴る蹴るできることに一体どんな気持ちなんだろうと違和感があったのだが、この本のストーリーに組み込まれた今の俺と同じような状態なのかもと妙に納得した。


しかしコイツかなり臭いな…。まあこんなところにいるんだから当然か。しばらくするとそのゴブリンの姿がすーっと消えてゆき、小さな魔石がコロンと転がった。

おお、ファンタジーの定番!

その魔石を拾い上げ小さな袋に入れ、それをマジックバッグに放りこんだ。



歩いた先にはぽっかりひらけた空間があった。壁には3つの通路がある。この通路のどれを選ぶ必要がありそうだ…


その時突然、またあのジャンジャジャーン!と頭が割れそうな音量の音楽が響いた!



『さぁさ皆様お待ちかね!またもやってまいりました『選択』タイム!アドベンチャーゲームブックと言えばこれ!選んだ通路で運命が変わる!エイトの究極のショーーターーーーーイムッ!!!』



「アド!またお前うるせーんだよ!!!頭の中で絶叫するんじゃねーーーー!!!」


驚きと怒りのあまり、アドに叫ぶ俺の声がダンジョンにこだました。


次の瞬間。


ドドドドドと地響きのような、大量の響き渡る足音が聞こえた。俺の声に反応したゴブリンが目の前の3つの通路から大挙して飛び出してきたのだ!


「うにゃろぅぅうわあぁぁ!!!」


その光景に驚いた俺は、声にならない悲鳴を上げて今来た道をダッシュで逆走したのだった。

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