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page.12

図書館からダッシュで宿に戻り、枕に突っ伏して羞恥に染まった気持ちを落ち着けた後―


昼食後、俺は準備を整えてダンジョンに向かった。

今回は直接セーブポイントに行くのはやめて、普通にダンジョンの入り口である。

このセーブポイントとなっている聖剣のあった部屋は、まだ誰も到達したことの無い深い下層にあった。さすがにノーデータでの探索は無謀だろう。


入り口には受付担当の冒険者と、ダンジョンに入れる魔法陣のゲートがある。先人が調査済みの各階層には直接移動できる魔法陣を張っているのだ。

新人は普通に入り口から入って最初の階層からだが、俺は既にレベル30の勇者だ。ちまちま最初からやる必要はない。


今日の受付はダレンか。


「あ、エイト。今日はダンジョン攻略ですか。」


「よう、ダレン。10階層を頼む。」


現在攻略されているのはその10階層までだ。

依頼の内容は11階層より下の調査。今まで発見されていないものを持ち帰れば報奨となる。珍しければ珍しいほど、当然その価値は上がる。

ということで、まずは11階層を探索してみることにした。


魔法陣の真ん中に立つと、魔法使いのダレンは移動の術式を唱え始めた。


10階層までの各階層には、こういう魔法陣がいくつか設置されている。もちろんスムーズに帰還することができるようにだ。ダンジョンから出たい場合は、その魔法陣の上に立てばいい。


もし道に迷い魔法陣の場所が分からなくなった場合のために、冒険者には帰還石も交付される。それを割ると、ダンジョン外に移動できるのだ。至れり尽くせりである。


そして、俺は10階層の通路の真ん中にいた。


ヒヤリとした少しかび臭いような空気。レンガの壁に触れてみると少し湿気に濡れている。

硬く冷たいその感触、本当にここは本の中の世界なんだろうか。


俺はどちらに向かうかしばし考え、松明の揺れる明かりに照らされる通路を、右に向かって歩き出した。

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