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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第92話 選ばれ始めた側

 「順番にどうぞ!」


 声が響く。


 ――南部都市リュシエル。


 昨日とは違う光景だった。


 列がある。


 だが。


 ただ並ぶだけではない。


 前には机。


 紙。


 役人。


「名前と居住区域を」


「はい、こちらに」


 やり取りがある。


 確認がある。


 だが。


 昨日より、明らかに速い。


 無駄が減っている。


 そして。


 札が渡される。


「これを持って、次へ」


 人が流れる。


 止まらない。


 完全ではない。


 だが。


 確実に“改善”されていた。


 ――


「……昨日より速いな」


 男が呟く。


 隣の女が言う。


「でも、あっちはもっと速い」


 視線の先。


 黒装束の列。


 相変わらず速い。


 確認なし。


 即配給。


 それでも。


 違いがあった。


「……こっちは」


 男が札を見る。


「次も来られる」


 沈黙。


 それは重要だった。


 一度きりではない。


 継続。


 それがある。


 黒装束側には、それがない。


 今はある。


 だが。


 明日もある保証はない。


 その違いが。


 じわりと効く。


 ――


 役人が言う。


「登録された方は、医療支援も受けられます」


 ざわめきが起こる。


「医療も?」


「本当か?」


「はい」


 短い説明。


 だが。


 十分だった。


 人が増える。


 連盟側の列に。


 ゆっくりと。


 だが確実に。


 ――


 黒装束の男がそれを見る。


 無言で。


 ただ観察する。


 そして。


「……変えたな」


 小さく呟く。


 その目は、冷静だった。


 焦りはない。


 だが。


 理解している。


 “対抗してきた”と。


 ――


 王城。


「……増えています」


 報告が入る。


「連盟側の登録者数、上昇」


 エルミアが顔を上げる。


「本当ですか」


「はい」


 イザベラが言う。


「まだ少数だけど」


「動き始めてる」


 ルーカスが息を吐く。


「……効いているか」


「ええ」


 レティシアは頷く。


「わずかですが」


 一瞬の間。


「確実に」


 その声は静かだった。


 だが。


 確信があった。


「流れは変えられます」


 その言葉に。


 空気が少しだけ軽くなる。


 アルベルトが笑う。


「やるじゃねえか」


 だが。


 レティシアは言う。


「いいえ」


 一瞬の間。


「まだです」


 その一言で、空気が締まる。


「彼らは」


 静かに。


「必ず対応してきます」


 ――


 その頃。


 黒装束の拠点。


 男たちが集まっている。


 報告が入る。


「連盟側、登録制導入」


「医療支援追加」


 沈黙。


 一人が言う。


「……面倒なことを」


 別の男が言う。


「だが」


 一瞬の間。


「崩せる」


 全員の視線が一つに集まる。


 奥。


 影の中。


 そこに座る男。


 顔は見えない。


 だが。


 声が響く。


「問題ない」


 低く。


 静かに。


「選ばせるのなら」


 一瞬の間。


「選べなくすればいい」


 その言葉。


 それだけで。


 場の空気が変わる。


「準備を進めろ」


 短い命令。


 誰も逆らわない。


 そして。


 静かに動き出す。


 ――


 王城。


 レティシアが窓の外を見る。


 わずかに、流れが変わった。


 だが。


 まだ足りない。


「……次が来ます」


 その声は静かだった。


 だが。


 確信していた。


「必ず」


 戦いは。


 次の段階へ進もうとしていた。

ついに連盟側の反撃が始まりました。


小さな変化ですが、

「流れが動いた」ことが重要です。


ただし、相手も当然このままでは終わりません。


次は“対抗”が来ます。

ここで一気に難易度が上がります。


面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。


次話は「崩し」です。かなり重要な展開になります。

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