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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第81話 アルベルトの提案

 王城・戦略会議室。


 重い空気が漂っていた。


 机の上には、各地からの報告が積まれている。


 穀物価格の高騰。

 鉄の供給停止。

 商会同士の競争激化。


 帝国の経済戦は、確実に効いていた。


「市場はまだ耐えている」


 イザベラが言う。


「でも長くは持たない」


 彼女の声は冷静だが、その裏に緊張がある。


 レティシアが報告書を閉じる。


「帝国の狙いは成功しつつあります」


「連盟構想の信用を削る」


 ルーカスが静かに言う。


「時間をかけて崩す」


「ええ」


 レティシアは頷く。


「均衡は持続が前提」


「だから揺らし続ければ壊れる」


 沈黙。


 その時、アルベルトが口を開いた。


「なら」


 低い声。


「揺らせなくすればいい」


 全員の視線が集まる。


「どういう意味です」


 ルーカスが聞く。


 アルベルトは地図を指す。


 帝国。


 王国。


 商業連合。


 そして小国群。


「帝国が動けない理由を作る」


 沈黙。


「軍か」


 イザベラが言う。


「そうだ」


 アルベルトは頷く。


「連盟軍を作る」


 空気が変わる。


 それは一線を越える提案だった。


「軍事同盟ですか」


 宰相が言う。


「違う」


 アルベルトは即答する。


「抑止力だ」


 彼は続ける。


「帝国は今、戦争をしていない」


「理由は一つ」


「損だからだ」


 レティシアが小さく頷く。


「経済ですね」


「そうだ」


 アルベルトは言う。


「ならもう一つ理由を作る」


「戦えば負ける、という理由を」


 沈黙。


 ルーカスが考える。


「連盟軍……」


「王国単独ではない」


 アルベルトは続ける。


「商業連合の資金」


「小国の兵」


「王国の中核戦力」


「それをまとめる」


 イザベラが笑う。


「面白いじゃない」


「お金で戦争を止めるだけじゃない」


「力でも止める」


 レティシアが静かに言う。


「均衡の二本柱」


「経済と軍事」


 ルーカスはゆっくり立ち上がる。


 窓の外を見る。


 王都。


 その先の大陸。


「……一歩間違えれば」


「連盟は軍事国家になる」


 静かな言葉。


 アルベルトは頷く。


「だからお前が必要だ」


 ルーカスを見る。


「力を持っても、振るわない王が」


 沈黙。


 レティシアが微笑む。


「均衡の王にしかできませんわね」


 ルーカスは目を閉じる。


 そして開く。


「やろう」


 短い決断。


「連盟軍を構想する」


 空気が変わる。


 これで連盟は


理念だけの組織ではなくなる。


「帝国はさらに強く出てきます」


 宰相が言う。


「構わない」


 ルーカスは答える。


「均衡は」


「守るだけでは足りない」


「示す必要がある」


 アルベルトがわずかに笑う。


「ようやく王らしくなったな」


 イザベラがグラスを傾ける。


「これでゲームは面白くなる」


 レティシアが最後に言う。


「帝国は次に来ます」


「もっと強く」


 窓の外。


 風が強くなる。


 市場の戦い。


 外交の戦い。


 そしてこれからは――


 軍の影も動き出す。


 均衡は、次の段階へ進んだ。

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