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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第79話 帝国軍元帥

 帝国軍中央司令部。


 巨大な石造りの建物の中、武装した将軍たちが円卓を囲んでいた。


 壁には戦旗。


 帝国の勝利の歴史。


 この部屋は戦争を決める場所だった。


 その中央に立つ男。


 帝国軍元帥。


 レオンハルト・クラウゼ。


 巨体。


 灰色の短髪。


 顔には古い傷。


 帝国最強の軍人。


「王国が連盟を作るだと?」


 将軍の一人が言う。


「笑える話だ」


 別の将軍が頷く。


「小国が大陸の秩序を語るとは」


 だがレオンハルトは笑っていなかった。


 彼は静かに地図を見ている。


 王国。


 商業連合。


 教国。


 そして帝国。


「……軽視するな」


 低い声。


 部屋が静かになる。


「王国は弱い」


「だが」


「王国の王は弱くない」


 沈黙。


 将軍たちが顔を見合わせる。


 レオンハルトは続ける。


「連盟構想」


「これは戦争を防ぐ仕組みだ」


 将軍が言う。


「それなら問題ないのでは?」


 レオンハルトは首を振る。


「問題は」


「戦争を防ぐという思想だ」


 彼はゆっくり言う。


「帝国は力で秩序を作る」


「だが王国は」


「均衡で秩序を作ろうとしている」


 沈黙。


「もしそれが成功すれば」


「帝国の力は意味を失う」


 将軍たちの表情が変わる。


 それは帝国の存在理由を揺るがす話だった。


 その時、扉が開いた。


 宰相リヒャルトが入ってくる。


 将軍たちが軽く頭を下げる。


「会議中でしたか」


 静かな声。


 レオンハルトが言う。


「ちょうど良い」


「宰相」


「連盟構想をどう潰す」


 リヒャルトは円卓の地図を見る。


 そして答える。


「戦争はしない」


 将軍たちがざわめく。


「なぜだ」


 レオンハルトが聞く。


「戦争をすれば」


「王国の連盟が正当化される」


 リヒャルトは言う。


「だから」


「戦争は最後だ」


 沈黙。


「では何をする」


 リヒャルトは地図の西を指す。


 商業連合。


「市場を揺らす」


 そして北。


 教国。


「信仰を揺らす」


 最後に王国。


「均衡を揺らす」


 レオンハルトはしばらく黙る。


 そして笑った。


「なるほど」


「戦争より厄介だ」


 リヒャルトは微笑む。


「戦争は単純です」


「政治は複雑です」


 レオンハルトは腕を組む。


「だが覚えておけ」


 低い声。


「もし政治が失敗したら」


「次は俺の仕事だ」


 リヒャルトは頷く。


「その時は」


「元帥に任せます」


 窓の外。


 帝国軍の訓練が続いている。


 鉄の音。


 兵の掛け声。


 帝国はまだ動いていない。


 だが。


 その力は確実に存在している。


 レオンハルトは地図の王国を見た。


「均衡の王」


 小さく呟く。


「いつまで持つ」


 その答えは。


 まだ誰にも分からなかった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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