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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第71話 王国の宣言

 王城・大議場。


 王都の中心にあるこの広間には、久しぶりに各勢力の代表が集まっていた。


 貴族。

 商人。

 騎士団。

 宗教代表。


 さらに今回は、国外の使節もいる。


 商業都市連合セレスティア。

 南方小国の代表。

 そして――教国ルミエルの司祭。


 空気は重い。


 理由は明確だ。


 今朝、王城から突然通達が出たからだ。


 **「王国の新たな外交方針について重大発表を行う」**


 ざわめきが広がる。


「帝国との戦争か?」

「新税ではないのか」

「いや、商業連合の条約だろう」


 誰も正確には知らない。


 だが一人だけ、静かに座っている人物がいた。


 蒼いドレスの女性。


 イザベラ・ノクス。


 商業連合セレスティア代表。


 彼女は薄く笑っている。


「さて」


 小さく呟く。


「均衡の王は、どこまで大胆なのかしら」


 やがて。


 広間の扉が開いた。


 近衛騎士が整列する。


 そして。


 王が入る。


 ルーカス・エルドリア。


 玉座ではなく、議場の中央へ歩く。


 その隣にはレティシア。


 後方にはアルベルト。


 三人が並ぶ姿は、王国の新しい形そのものだった。


 ざわめきが止まる。


 ルーカスが口を開く。


「本日、王国は新しい外交方針を発表する」


 静かな声。


 だが広間全体に響く。


「帝国との均衡は、今のところ保たれている」


 数人が頷く。


 確かに最近は軍事緊張が下がっている。


「だが」


 ルーカスは続けた。


「均衡は、一国では維持できない」


 貴族たちが顔を見合わせる。


「国家が暴走する時」


「止めるのは別の国家だ」


 沈黙。


 言葉の意味が徐々に理解されていく。


 ルーカスは地図を広げた。


 大陸地図。


 中央に王国。


 東に帝国。


 西に商業連合。


 南に小国群。


 そして北に教国。


「王国は提案する」


 広間の空気が張り詰める。


「**大陸連盟構想を**」


 ざわめきが爆発した。


「連盟!?」

「軍事同盟か!?」


 ルーカスは手を上げる。


 静かになる。


「軍事同盟ではない」


「支配でもない」


「均衡の枠組みだ」


 彼は説明する。


・軍事監視

・貿易安定

・宗教中立

・触媒技術管理


 それぞれが暴走しない仕組み。


「もし帝国が侵攻すれば」


「連盟が抑止する」


「もし王国が暴走すれば」


「連盟が止める」


 沈黙。


 それは王権を縛る提案でもある。


 貴族の一人が立ち上がった。


「陛下!」


「それでは王国の主権が弱まります!」


 当然の反応。


 ルーカスは頷く。


「その通りだ」


 会場がざわめく。


「だが」


 彼は言った。


「主権よりも重要なものがある」


「戦争を防ぐことだ」


 沈黙。


 誰も反論できない。


 その時。


 蒼いドレスの女性が立ち上がる。


 イザベラだ。


「商業連合セレスティアは」


 彼女はゆっくり言う。


「王国の構想を評価します」


 ざわめき。


「均衡は市場にも利益をもたらす」


「セレスティアは協議に参加しましょう」


 ルーカスは軽く頷く。


「感謝する」


 だが。


 広間の反対側。


 黒衣の司祭が立つ。


 教国の使節。


「教国ルミエルとして発言する」


 声は冷たい。


「信仰は国家の枠を超える」


「宗教を政治の監視下に置く連盟など」


「認められない」


 広間の空気が一変する。


 レティシアが静かに呟く。


「予想通りですわね」


 ルーカスは頷く。


「もちろん強制はしない」


「だが」


 彼は広間を見渡す。


「王国は、この構想を進める」


 帝国。


 教国。


 商業連合。


 すべてが関わる新秩序。


「均衡は」


 ルーカスは言った。


「国境を越える」


 沈黙。


 誰もが理解した。


 今この瞬間。


 王国は。


 **大陸の政治を動かし始めた。**


 議場の外では、風が強くなっていた。


 その風はやがて。


 帝国へ届く。


 そして。


 教国へも。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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