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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第61話 公開評議

 王都・中央広場。


 即席ではない。


 正式に設けられた円形評議台。


 中央に王座はない。


 円卓のみ。


 民衆、貴族、商人、宗教代表。


 そして――王。


 ルーカスは、最上段ではなく同じ高さに立った。


 ざわめきが広がる。


「本日、ここに公開評議を開く」


 静かな声。


「私は命じない」


「問われる側として立つ」


 空気が変わる。


 最初に立ったのは、旧強硬派の貴族。


「陛下」


 形式は守る。


 だが声は硬い。


「帝国が軍を動かしている」


「それでも軍を出さぬのか」


 広場がざわめく。


 ルーカスは即答しない。


 一拍。


「出さぬ」


 短い答え。


 ざわめきが広がる。


「なぜだ」


「軍を出せば、帝国の望む形になる」


「だが抑止力は必要だ」


「守備は強化している」


 冷静な説明。


「だが挑発はしない」


 別の声が上がる。


「弱腰だ!」


 空気が荒れる。


 その時。


 アルベルトが一歩前へ出る。


 広場が静まる。


「私は軍を預かっている」


 低く、重い声。


「守備は万全だ」


「帝国が越境すれば、即応する」


 ざわめきが変わる。


 強さが、そこにある。


「だが」


 アルベルトは続ける。


「今は越境していない」


「無用な戦はしない」


 兄の言葉。


 それは大きい。


 次に立ったのは、商人代表。


「触媒価格が不安定だ」


「帝国商人が買い占めている」


 レティシアが前に出る。


「承知しています」


 視線が集まる。


「依存度を高めています」


 ざわめき。


「どういう意味だ」


「帝国商人に利益を出させる」


「その上で」


「供給経路を握る」


 具体策が示される。


「三週間後、価格は安定します」


 数字。


 計画。


 空論ではない。


 市民代表マリアが立つ。


「陛下」


「私たちは、守られていますか」


 静かな問い。


 ルーカスは、まっすぐ見る。


「守られています」


「だが、守るのは私一人ではない」


「皆と共に」


 沈黙。


「強い王が必要だという声がある」


 ルーカスは続ける。


「私は強くない」


 正直な言葉。


「だが、逃げない」


 視線を巡らせる。


「揺れを整える」


「強さも、そこにある」


 広場が静まり返る。


 クラウスは後方で観察している。


 想定外。


 王が逃げない。


 しかも、軍と経済が一体で示されている。


 帝国本陣。


「公開評議は成功」


 報告が届く。


 リヒャルトの指が止まる。


「民は収まったか」


「はい」


「……面白い」


 薄く笑う。


「ならば第三層だ」


 王都。


 夜。


 アルベルトが言う。


「よくやった」


「兄上がいてくださったからです」


「違う」


「逃げなかったのは、お前だ」


 静かな評価。


 だが。


 レティシアは窓の外を見る。


「次は、牙が来ます」


「暗い場所から」


 均衡は守られた。


 だが。


 帝国はまだ、本気ではない。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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