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断罪された悪役令嬢は契約で国を買い取る ~支配ではなく市場で無双します~  作者: 朝凪ことは


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第56話 王位の継承

 王都・中央広場。


 再び、民が集まっていた。


 だが今回は、不安ではない。


 静かな緊張。


 王家の旗が掲げられ、

 騎士団が整列する。


 壇上に現れたのは、アルベルト王太子。


 堂々とした立ち姿。


 揺らぎはない。


 その隣に、ルーカス。


 そして奥には、病を押して現れた国王エドガー。


 ざわめきが広場を満たす。


 アルベルトが一歩前へ出る。


「王都の民よ」


 よく通る声。


「私は、王位継承を辞退する」


 静寂。


 言葉は、広場に落ちる。


「私は、強くあろうとした」


「だが」


「今、国家に必要なのは別の形だ」


 民衆が息を呑む。


「揺れを整え、信仰と市場を支える者」


 アルベルトは、ルーカスを見る。


「弟、ルーカス・アストレアを次期王とする」


 どよめき。


 歓声ではない。


 理解の波。


 ルーカスが前に出る。


 一礼。


「私は、強くはありません」


 正直な言葉。


「ですが、耳を傾けます」


「揺れを恐れません」


「強く握るのではなく、支えます」


 民衆の中で、マリアが涙ぐむ。


「王とは」


 ルーカスは続ける。


「民の外に立つ者ではない」


「中心に立つ者です」


 拍手が起こる。


 小さく。

 やがて広がる。


 国王が、震える手で杖を掲げる。


「王位を、認める」


 正式宣言。


 近衛騎士団が剣を掲げる。


 カルロスもまた、迷いなく。


 アルベルトは、静かに一歩下がる。


 その姿に、敗北はない。


 選択。


 責任。


 民衆は理解している。


 ヴァルデン。


「即位宣言」


 報告を受け、レティシアは静かに目を閉じる。


「整いましたわね」


 クラリッサが微笑む。


「ええ」


「ここからが本番です」


 王都。


 ルーカスは、最後に言う。


「統制令は撤回する」


「触媒供給は透明化」

「市場と宗教との協議会を設置」


「王権は、支配ではない」


 一拍。


「均衡だ」


 広場は拍手に包まれる。


 振り子は、中央に戻った。


 だが。


 揺れが消えたわけではない。


 新しい王のもと。


 国家は再定義される。


 強さの時代から。


 均衡の時代へ。


 第5章――完。

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