72獣人の里
朝食を食べ装甲車に乗り込み再出発した一行は森林地帯を抜け、猿の襲撃は収まりたまに来る小鹿やイノシシを狩りの練習と称して連弩の練習をしながらも平坦な道を快調に飛ばしていた。
ロバートも予定通り3日目には無事に指まで再生が完了しご機嫌であれこれ手伝いをしてくれ、みんなの仲が良くなった頃獣人さん達が住む最大都市に到着した。
しかし最大都市という割には木の柵で周りを囲んだだけの質素な集落って感じでしかもそこに住んでる人達は何処かしら怪我をして活気がない集落だった。
「これは酷いな…このままじゃここも時間の問題だぞ?どうするロバート」
「しばしここでお待ちいただいてよろしいか?」
「それなら俺たちはその辺で枝拾いでもしているさ。みんなはどうする知り合いとか探すか?」
獣人さん達はそれぞれ顔を見合わせながら相談を始めていた。
どうやらロバートについて3人ほど集落に行き、イリスを中心に俺達の集め物を手伝ってくれるそうだ。
ちょっと考えが読まれたか?
まあ気にしちゃいけない。
こっそり薬草採取でもしようと思ってたのだが、枝拾いなんて言っちゃったから矢の材料集めとでも思われたかな?そっちもやらないといけなそうだし人が居るなら同時進行かな?
ロバートの方はどんな結果になるにしろ任せておいていいだろう。
俺にはこのモフモフ天国を見捨てるなんて選択肢は既にない!
治療と称して…フッフッフッ…
おっといかん!口の締まりがなくなってしまう。ここは我慢我慢。世の中ギブアンドテイクだから先に此方が出しておけば要求も通りやすいだろうし…なんて俺は悪どいやつなんだ!!
さっそく採取に行くとしよう。
行き違いになっても困るから里の出口付近にミニ小屋だけ出しといてロバート達にはそこで待っててもらうとしよう。
それではその辺にある林にでもアクセル全開!20分もしないで目的地に到着した。
ここでも西側に多少山がある影響でちょっとした林が存在していた。
位置的には広域マップで確認すると巨大ミミズの生息地より南東の辺りに位置するのでこのまま西に行ったとしても問題無い場所で採取を始めることにした。
今回集めるのは薬草と解毒草と嫌虫草で近くにいた人達を調べたら何かに感染状態のステータスを持った人が大勢いたので、考えられるのは食べ物か虫の媒介だから万が一の対策として集めて置きたいのである。
さてどうしようか?手伝ってくれると言うけど何させよう?
見本になるもの集めてそれ見せたほうが早いか?それを三日月亭でも出して分野別における様にしておけばみんな勝手にやってくれるかな?
ちょうど足元に3種類あるし試しにやってみよう。
「それじゃあみんな!この3種類の草を集めてこの建物に運んでもらっていいか?それでこっちの3人に監視と警備、分別をさせるから間違っても問題ないし安全面も大丈夫だがあまり遠くは行かないでくれよ。頼むね」
みんな一斉に散って行くかと思ったらまず3種類の見本に合わせて近くから自分達で3種類集めてグループで左右に分かれて移動して、そこから個人分の3種類が集まってから散っていったよ。
なるほどね〜なかなか考えてるね〜それに小型のスーパのレジ袋くらいの大きさに蔦を編んで即席の籠にしちゃうしなかなかサバイバル能力ある人たちだね。
さてこっちは任せて俺は中で作業でもしましょうかね。
こっちの3人の役割もやはりというか監視にアーネで警備はいざとなれば飛んで移動できるリーブ。中で分別にテルトが来ることになった。
「ケント気付いてるの?あの里病が蔓延してるわよ?ただ直したのじゃすぐ再発するわよ」
「うん。もしかしたら治せないけど感染経路を潰すことは可能かなと思ってね。また自己満足につき合わせちゃってごめんね」
「それはいいけど手伝うわ薬作るんでしょう?前にいっぱい使った瓶洗ってくるわね」
やれやれお見通しでしたか…適いませんね。出来る女は一味違いますね。
ではこっちも始めましょうか。
まずは買いだめしてあった小瓶を…いやいっそうの事大瓶で作っておくのも有りかな?
ちょうどここに洗面器くらいの桶あるしここに作ってみるか。
まずは高温に設定したウォーターラインズという名のシャワーで桶を熱湯消毒。
これにジェットウィンドという名のドライヤーを弱温風程度で乾燥させて下準備終了。
あとはどうやるのがいいかな?1枚づつじゃ意味がないから布を引いてその上に大量において桶の上で持ちながらやってみようか?
布にまずは薬草を茎から外した葉っぱだけを大量に並べて、布の四隅を合わせて葉っぱが出ない様に絞る。
そしてそこに練気合成を掛けながらさらに布を絞って濾していく。
すると桶には大量の下級回復薬の完成!
これをいつの間にか戻ってきたテルトがおたまですくって小瓶に詰めてくれて作業効率アップ!
しかもついでに作った小型のワインの樽みたいなのに入れ栓をして瓶が足りなくてもなんとかすぐ補給できる様に木栓を抜くだけで出る蛇口を取り付けた。これですぐに瓶詰めも可能になった。
だけどここでも作れるのは下級回復薬と髪の補修剤が大元で作る上級回復薬だけしか作れないから上級を優先して小瓶に入れておき、下級は樽でその都度容器に適量出して使うことにしよう。
続いて解毒薬もこの方式で20L程の樽に作り置きし、嫌虫草はまだ獣人さん達の状態がわからないから半分は草のまま半分は濃縮液体で抽出しておいた。
みんなが協力してくれたおかげで予想以上に集まりが早くある程度まとまった数が用意することが出来たので少々早めに里に戻っておくことにした。
帰りはさほど急ぐ必要も無いので、この間見つけた寒天の代わりに使える海藻を見つけたのでフルーツの絞り汁で作ったなんちゃってフルーツゼリーを味わって貰いながらの帰路で賑やかな女子会のバスの運転手になりきるのであった。
獣人の里に着くとそこには既にロバートが戻っていた。
しかも偉い人と護衛付きで…こりゃー俺は捕まるのか?
でも後ろは怪我人の集団…
あ〜これはロバートの宣伝にみんなが縋ってきたのか?
ま〜元々やる気が有ったのだから構わないが今夜は寝れないな。
「みんな!大勢でお出迎えだよ。今夜は寝れないから覚悟しといてね」
「キャ〜エッチ〜」
あれ?おかしい…なんか変な言葉だったか?
深く詮索しないでおこう。
さあ到着だ!
俺は降りるなりロバートを見ると頷いてきたのでさっそく指示を出すことにした。
まずは診察用にミニ小屋を使い、三日月亭を処置室として確保それと風呂も使える様に用意して順番整理などは向こうに任せて、ロバート達には処置室や風呂を任せてうちの3人はミニ小屋からの誘導役にしてその間にこの里長獅子のレオさんと挨拶をした。
「初めまして魔の森の先にある開拓村クレセントのケントと申します。南部を調査中襲われていたロバート達を救出したのでここまで送りに来ました。あそこで指示している3人が仲間のテルト、アーネ、リーブです」
「ご丁寧にありがとうここの群れを率いていたレオと申す。魔猿の襲撃で逃げていたものを救出していたら里ができてしまった。ここまでデカくなってしまうと手が回らなくてな…そこで何やら知恵を借りれるかもしれんと思って来てみたのだ」
「なるほど!それでは怪我人を先になんとかしましょうか?それで似た様な症状の人をなるべく集めて一緒にしておいてください動けない人はこの様に長い木の棒を二本用意してこの様に蔦を編んいけば担架と呼ばれる2人で寝かせたまま運べる乗り物が出来るのでそれでお願いします」
「なるほどあいわかった。お前達聞いていたなすまんがすぐに取り掛かってくれ」
「「「はっ!」」」
「ではレオさん貴方から診察しましょう」




