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69闇夜の襲撃

「全員起きろ!奴らが来るぞ!」


俺の一言で三日月亭の中が慌ただしく動き始めた。

まず装甲車にうちのメンバー3人とロバートが入ってきた。


「奴らはまだ先だが反包囲に等間隔で確実にこの場所をターゲットに近づいて来ているその数は50はいるかな?」


「そんなにですか!?せっかく救っていただいた命もここまでですか…」


「あらぁ〜この程度なら問題ないわよぉ〜貴方達も協力してくれるんだしょ?」


「それはそうですが…」


「では私の子蜘蛛に着弾観測させるので貴方達はその方向に矢をバラまいている間に私達が処理しますからここは安全ですよ」


「ロバートさすがに俺達だけでは全員を守るのは厳しいその間にここへ近付けさせなければ何とかなるからその指揮を任せるぞ」


「わかりました指揮を精一杯頑張らせていただきます。では皆を配置につかせておきます」


ロバートは三日月亭に戻り全員を配置に就け、連弩操作を復習させていた。


さてと俺達はどうしようか?


三日月亭三方向に固定式拡散矢を射ってもらうから一応の弾幕を張れるが薄めだろう。そうなると屋敷の角の部分が手薄になるからそこにくるだろうな。

入り口は装甲車の上に可動式の連弩だから包囲されても数の暴力で凌げそうかな?


そしたら裏面の角、屋根の上に俺とテルトが付いて狙撃してアーネは全面屋根に陣取ってもらって遠隔攻撃と装甲車の護衛でリーブつけて、万が一接近されてもいい様にしておこう。


こちらの準備が整ったところで猿は200mまで接近していた。

そろそろ有効射程距離に入ってきたが木が邪魔になるので100mに入ってから射撃を開始することになっていた。夜間なのにそんな距離がわかるのかって言われそうだがその距離に蜘蛛が配置してあり、過ぎたら連絡が来る様になっているのである。

その連絡をアーネが受け糸電話で各担当の連弩に射撃命令を出せる様にしてあるのだ。これで初撃は十分ひきつけてダメージを与えられるだろう。

残念なのは最大火力の三日月亭前面装甲車側から来てないので側面攻撃補佐が勿体無い展開である。


「(皆聞こえるか?こいつらは頭が良い弓の弾幕もすぐ対策を取ってくるだろう。それまでに弓の攻撃を最大限与えるために俺達は待機な。動き出しは弓が役に立たず獣人さん達に危機が訪れそうになったら奇襲していく)」


念話で指示を出して、皆からの返答はアーネからの予定地突破の知らせで遮られた。

それと同時に三方向窓設置連弩が射撃を開始した。前面連弩は横に向いているがまだ射撃指示をしていないので、15本の矢は一斉に飛び出し闇に包まれた林の中に消えていった。


初撃は完全な不意打ちで何匹かの猿に手傷を負わせた様でレーダー上の点は均一に動いていたのが幾つか足並みを乱した様だ。そこに第二射が殺到し足並みが乱れて密集状態になったところに追加でダメージを負わせた様だ。しかも弦を引き矢を並べ引き金を引いてを2人がかりで行っているので第三射が放たれるまでの間隔は早かった。警戒していた猿達でも全てを躱されたわけではなくダメージを稼ぐ事は出来た様だ。

ここで猿達に動きが出た。傷を負って使えない奴を盾代わりに前面に押し出し密集隊形で前進してくる様だ。ここで三方向密集隊形と迂回で正面に回るの、後方に控えて様子見をするのがそれぞれ10位づつに展開してきた。

負傷したのを盾に進行してくる三方向は一旦連弩攻撃を中止してその分矢を扇打ちから直線上に収束する様に調整。その間前面に回ってくる連中に子蜘蛛の足止めをさせている間旋回式連弩より10本づつ20本の矢が密集して手痛いダメージを与えられた。こっちの矢には毒が塗られているので前面に回った部隊はほぼ壊滅と言って良い状況に持って行けた。

そして準備の整った固定式連弩も毒矢を準備し集団に浴びせる展開が始まった。


猿達はそれでも頑張り遮蔽物のない30mまで接近してきた。

ここでついに俺達の攻撃を開始した。ケントは狙撃モードで20mm近い弾を猿の頭を狙い射撃していった。

テルトは魔法で動物の形を作り出し自由に動く雷の鳥、氷の熊がそれぞれ一箇所づつ受け持って猿の進路を妨害していった。三日月亭前面は毒矢で弱っていたがまだ生存していたので蜘蛛がとどめを刺しに向かっていた。見える範囲はヘッドショット、感電、凍結、毒殺熱線などで徐々に減らしていった。しかしこの時思わぬ奇襲を受けてしまった。レーダーは監視しながらであったが後方に控えた集団から突如高速で動く赤い点が確認された。


早い!?どこだ?肉眼で見えないぞ!三日月亭を超えてしまったぞ!次も来た!?上か!!


上空を放物線を描きながら装甲車側に次々に降り立った。

その数5体。

完全に不意を突かれ旋回式連弩に攻撃を受けてしまった。

それでも2匹には10本づつ近距離ではあったが致命傷を与えることに成功したがここで連弩二基は再起不能になった。残りの猿はリーブが盾で受けつつ剣で牽制しアーネが暗器の投擲で牽制をして立て直しを図っていたのだがダメージを厭わぬ特攻で連弩の6人に突っ込んでいった。


「ウワー」「キャー」

1人は足を掴まれ放り投げられ、1人は腕を掴まれ振り回され、仲間にぶつけられつつ腕が千切れ吹き飛ばされてしまった。

ケントとテルトは援護に回ろうとしたのだがこちらの乱れの隙に接近を許してしまった。しかもいかにもこの群れのボスと言わんばかりの巨大なボディービルダーの様な猿と言うよりは見た目はゴリラだった。

こいつが異様な太さの腕で猿を片手づつ持ちそれをこちらに投げつけてきた。

咄嗟に石突砲拡散弾で2匹を迎撃し勢いが落ちたところで三日月亭の屋根には届かなく済んだが間髪入れずに第二波は自発装填が間に合わずケントに1匹テルトに1匹付かれてしまった。

下に落ちた2匹には雷の鳥(サンダーバード)氷の熊(アイスベア)がそれぞれまだ存在を維持していたので足止めに出向いてくれていた。

それでもまだ手が足りなかった。装甲車側は手負いの2匹はまだ健在でアーネが子蜘蛛を使い牽制しつつリーブと3匹を抑えるので精一杯だった。こちらは雑魚に張り付かれてるので一番危険なボスの分が手が足りない。しかも2人けが人が出てしまっているのでその救助も行わなくてはいかず危機的な状況が訪れてしまった。


ここの状況が好機と捉えたのかボスが動いた。拡散弾で撃墜した2匹を再度掴んで投げる準備に入ったのだった。雷の鳥(サンダーバード)氷の熊(アイスベア)が牽制に動くがボスには牽制にもならずに潰されてしまった。一気にこちらの形勢が不利に傾いてしまったがボスの注意が一旦離れたことにより、ケントの前にいる猿にリーチを生かした突きを打ち込みしかも石突砲の爆裂弾を打ち出した勢いで加速させ、胴体中央を打ち抜いた。

そして打ち出された爆裂弾はテルトの前で対峙していた奴に当たり胴体に穴を崩れ落ちた。

正面にいた猿が崩れ落ちたのでテルトは用意していた魔法を途中でアレンジして氷矢雨をボスに向けて打ち込んだ。

思い掛け無いワンチャンスを手繰り寄せ、いよいよボスに対峙するのだった。

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