68護衛任務
道は悪いが6輪の高車高で有無を言わさず南に突き進み多少開けた大地が見えてきた。今日の宿泊はこの場所に三日月亭を出そうと思う。最大集落までは徒歩3日の距離らしいが道が無くこの装甲車では徒歩程度の速度しか出せず意外な長旅になってしまった。
今夜は人数が人数なので三日月亭だけでは寝るには狭くミニ小屋と装甲車内も寝るスペース作りを行った。
そこで今回襲撃を受けても守る人数が多いと不測の事態も考えられることから、引き金を引けば良いだけの弓を使えるか獣人の皆さんに聞いてみた。
すると自分達の事なのにここまでしてもらっては申し訳ないから自分達に出来る事はやらせて欲しいとなった。
そこで今回俺が試作で用意したのは地球で言うところのボウガンなのだが台座につけて少々大型化してある。
しかも一度に10本も矢を乗せられることから形式的には連弩と言われるものになるかもしれない。
これは弓だけで2m以上の大きさがあり平らな板に溝が切ってありそこに矢を並べて、弦は別口のハンドル式の複合滑車でハンドルを回せば通常の半分以下の力で引くことのできるロープを用意し、ロープの先にフッフックをつけて弦を引き、引き金に引っ掛けてからフックを外す方式にしてある。この為1人ではこなせないが何人かいれば非常に効率よく沢山の矢を打ち出すことが出来るのである。
これを2台ほど装甲車の屋根に置いて三日月亭入り口を封鎖する様に置いて装甲車と三日月亭は行き来ができる様にしておいた。小屋も三日月亭窓と繋がる様にして大量の矢の保管庫代わりにして三日月亭他の窓には少々小型化した5本射出連弩も用意した。
こちらは弓を窓に固定する形を取り台の溝を正面集中するのと拡散で撃てるのでタイプ別に交換できる様にして、弾幕牽制用として予備で用意しておいた。
こうする事でもし襲われても猿が近寄るには苦労するだろう。
その頃には俺達が弾幕の薄く集まったところに駆除に行けるからなんとか出来そうかな?
さて防備の方が一段楽ついて後は飯の心配である。
獣人の皆さんに何食べさせよう…種別で見ると犬や狐の様な肉食系、牛や山羊などの草食系、後はわからないが木の実とか何でも食べちゃうのとかいそうだしどうしましょうか?
今夜はとりあえず自分達が普段食べてるもので我慢してもらって、明日移動途中に何かあれば集めるとしようか…
それにしても全部で何人だ?16か?そんなに一度に作らないといけないのか…
そうなると鍋か?
今朝取った海の幸でスープでも作ればお代わりも出来るだろうし満足してもらえるかな?
そうと決まればこのイワシみたいな小魚を身だけ剥いでこれを叩いてミンチにして、この生姜みたいな味がする木の根っこを代用して臭み消しに使ってよく混ぜて一口大に整えてお湯に投入。
後は細かく切った海藻でも入れて味を調えればナンチャッテつみれ汁みたいな物になったかな?
でも海藻は人によって消化できないんだっけ?海苔も日本人くらいしか消化できないってTVで聞いた気がする。予備で葉物野菜でも入れておくか?
いやここまできたら豚汁みたいに具沢山で好きな物食えってスタンスで行くとしよう。
海藻も出汁代わりだから食えたら食ってで良いだろう。
よしそうしよう。
後は肉食系の人に肉でも焼いて、果物系でも在庫あるのだしときゃ良いだろう。
有り合わせですまんって先にいっとけばいいしね。
そんな心の葛藤は呆気なく杞憂に終わった。
皆さん飲まず食わずの逃避行を行って途中の木の実程度で過ごしていたからここまでのご馳走が出されたことでかえって感謝されてしまった。
しかも空腹は最大の調味料と言わんばかりにあっという間にみんな完食。
久々の満腹と家の中にいる安心感からウツラウツラしてる者が出始めた。
中にはそれでもお礼がしたいと片付けはやってくれたりしているのだがみんな緊張の糸が切れて限界の様である。
それでも犬の獣人ロバートさんはこの中でもリーダーっぽい役割をこなし連弩の使い方、役割分担と操作練習をやってくれた。
みんな眠い目を擦りながらだがそれでも真面目に役割をこなし空打ちながら迅速にこなしていた。
窓打ちの小さい方は2人でこなせるが大きいのは3人いた方が良さそうであるがこれはこれでロバートに任せるとしよう。
だがあまり眠いのに無理にやっても事故が起こる。
ここは一旦早めに休んでもらい、明日に備えて貰うとしよう。
今日は元気が有り余ってるから俺が一晩見張りをすれば良いしテルト達もこっちの大部屋にいて貰えばいざって時の指示も任せられるし俺は装甲車の方に行きますか。
それより明日の朝飯どうしようか?
スープが具沢山にしたお陰で汁が余ってるからこれを利用するとして…
しめに使ううどんのようにそのまま朝飯にしてしまうか?
小麦粉は基本この世界の定番だからあるし塩もテルトが大量に作ってたし行けるかな?作ったことないけどやってみよう。
ちなみにこれスキルで行けるかな?
粉に塩水かけて束ねるんだろ?詳しく知らないが出来たものは知ってるから材料用意して気を流して試してみよう。
どこまで行けるかな?
団子にするのは行けるだろうけど延ばしたところはどうかな?まして切るところは難しいか?悩んでも仕方ない。では早速…材料に気が流れ全体に行き渡るとだんだんかまりができ始めボールの様になってきた。
本当はここで色々やるんだろうけどそこはイメージで割愛して時間短縮スキルで済ませよう。
そして今度はこれを一枚のシート状に延ばしてと…
程なく1m四方ほどの白い一枚のシートが完成した。
これをたたんで煮込むので若干太めに切り分けてこれを数回繰り返す。
うどんがスキルで出来てくれたので出汁を作り鍋の中の残りに継ぎ足して一緒に煮込んで、朝まで放置。
これで朝食べる頃には出汁をよく吸ったうどんが食べれるかな?
うどん県の人すいません自分は煮込みの味が染みた翌日の鍋のうどんが好きなんで。カレーの様な明確な理由はありませんが手軽な朝食になる様に作っちゃいました。
朝食の準備を1人でひっそり装甲車の中で行っていると視界の中に赤い点が広がってきた。
来やがったか…まだレーダー範囲で考えると2kmはあるが反包囲で確実にこの場を目指しているな。これは確実に戦闘になりそうか…みんなの睡眠は時間的に3時間ほどか…もう少し休ませてあげたかったがくるまでの時間で心構えを持つ時間を取ってもらうとしよう。
「全員起きろ!奴らが来るぞ!」




