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28ピンチの後の村起こし

気ままに書いてますがブクマありがとうございます励みになります

ガラガラガラ

パカパカパカ

ザッザッザッ


沢山の者が移動する音が街道を埋め尽くしていた。

ここはモト集落を過ぎレホの村まで後数時間のところまで来ていた。


「カイル様間もなく到着すると思いますが本当に良かったのですか?」


「心配するなスルピーノ。あんなとこにいても足を引っ張られるだけだ。それよりは連中が手を出したって事で新たな最前線となるのだ。しかも神樹に近い観光地にもなるだろう。ワッハッハ」


「だからと言ってこんなに引き連れてこなくても」


今この団体の先頭を進んでいる2人はそんな事を話していた。

この団体総勢500人程で騎士団200冒険者200商人など100人程が資材を満載させた馬車とともに進んできていた。

さらには商人達は自分達が下見に先に出て後から荷を発送させるために手続きもされているようだ。



一方村では女性達は回復の兆しを見せ精神的に病んでいた者も日常生活に馴染み始めていた。テルト達も自由になり始めていたが捕まっていた女性達に懐かれて、女子トークで盛り上がっていて、ケントもゴルドと武器談義で花を咲かせていた。


「おやっさんこれ軽すぎて俺に合わんぞ」


「何を言うそいつはほれ、こいつと二本で振るんだよ」


「なるほどそれならいけるか?でもこれ一般的に出すには材料ないだろう」


「そこはほれ、おぬしならまたあそこに入って集めてこれるだろう」


「またあそこに行かせる気かよ」


「そのうち村の警護は変わるだろう。暇ならその槍の改造の間くらいは遊ぶにはいいだろうて。なんならそのうちいっぱい来る冒険者共の道案内ってのも出来るだろうて」


昆虫素材の蟷螂鎌で双剣を作ってテストを依頼されていた。

他にもクワガタの顎両手剣、蟹爪大剣など作られていた。それらを持って虫壺ダンジョンに赴いた。

俺の中に入った光の玉はこのダンジョンの管理権が有るっぽく俺1人なら自由に出たり入ったりが可能になっていた。他の人を連れて行くとどうしても勝ち残り部屋からしか入れず危険が高いから遠慮してもらってる。

なぜわかったって?

何人かレホの村拠点の腕利き冒険者に入ってもらったらみんなバラバラに1人で四方八方虫の中。大慌てで部屋を移動して助けに入り抜け出したって苦い思い出があるんだ。

それももうじきテルトとアーネに相談して魔法陣の組み替えで思い通りに移動が可能になりそうだけどあんまり倒しすぎると魔物のランクが下がるようで弱くなっちゃうみたいだ。


ただ…

魔物が独自進化し始めてクィーンと呼ばれる種が生まれ始め大量に産み戦わせ生き残りをクィーンが喰らいより強い個体が産まれてきた。

ますますこのダンジョンの存在意義ってなんなんだろう…


そのうち本格調査が必要になるだろう

そんな中素材集めも兼ねた蟷螂双剣の試運転をしてみた。結果は軽い分威力が落ちるが手数勝負には向きそうである。

クワガタの顎両手剣は切るというよりは叩く棍棒だし、蟹爪大剣は重さで潰す質量兵器って感じだし、昆虫種武器は相性が悪い。


今は槍を改造中でちょっとの我慢

テストが終わり村に帰るとそこには人が溢れていた。


「おーそこに来るのはケントではないか〜元気にしていたか?」


「その声はスルピーノさん?どうしてここに?」


「それは私が説明しよう」


「カイル様!?」


「久しいなって言ってもほんの数日か?此度は他国の関与が疑われるから最前線となりそうなこの村を中心に南部秘境域に我が王国の支配域拡張に伴う住民移動の第一陣として来た。

向こうも人が飽和状態でな丁度良かったのだ。うるさい引きこもりジジイ共に文句も言われずに済むからな。

ここからさらに南には開拓村も予定されている。これは急がなくてはいけなくなりそうだ。最南端の半島先端には実力主義の帝国が上陸してると噂があるのでな。確認もしなくてはいけない」


「面倒なことに巻き込まないでくださいよ〜」


「そうはいかん。おぬしが集めた素材が冒険者達に良い武具として提供されていると聞く。それなれば冒険者の生存率が上がるではないか。これは是非おぬしの腕を買わなくてはいかん」


「カイル様またですか?それならギルドに依頼の形で利用したらいかがですか?それならばケントも収入が安定するし、いい武具を手に入れた新たな冒険者が育ちもします。冒険者向けの武器屋も連れてきてますから一大産業にもなりましょう。そうなれば帝国に対処しつつ聖教国も学術国もムシ出来なくなるのではないですか。しかも貴族共も賛同しましょう」


「難しい事言われてもわからないぞ。確かにギルドに依頼あれば金稼ぎでやるかもしれないけどさ」


「そうだなそれも良いな!よしこの村の拡張と同時に開拓村候補地探索と大森林産の素材で名産品の開発販売網と同時進行と行くとしよう。

今日のところはテントを張って手の空いているものには木を切らせ平地の開拓、切った木はそのままギルドの建設と商店や倉庫を優先して建設。それと今日来た者達は村民との交流をしてくれ」


「それじゃ〜ケント我々はここで失礼するよ。お前は普段どこにいるのだ?」


「唯一の宿屋が救助者でいっぱいだから監視所の掘建小屋かゴルドの武器屋かな?」


「この村の武器屋は昆虫種に通用する武器はあるのか?」


「出来つつあるな。ほらこれなんかも今テストして来て報告に行くんだ。」


「なるほど今度紹介してくれ」


「いいよ。スルピーノさん」


こうして村開発計画はスタートした。

政治的に裏で何かありそうで混沌とした空気が流れてきそうだが、半島南部の秘境地帯は一気に開発競争の雰囲気が立ち込めてきた。







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