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29開発競争

こんな時期まで花粉症に…

カーン!カーン!

「奴らに遅れてるぞ!気合入れろ!」


「我らの団結力を見せるのだ!お前達なら出来る!」


騎士団対冒険者による森切りひらき競争が行われていた。

勝った方には酒が1樽贈られるようで双方気合が入っている。


冒険者チームは魔法使いが空気の刃で木をなぎ倒し、大剣使いが景気良く叩きつけてへし折り、残った根っこも縄をかけた後に地面を魔法で柔らかくして、力自慢が引き抜いてどんどん平地を増やしていった。


騎士団はさすがに連携が上手く一本あたり必要人数で同時進行をし、何本も処理していった。時間はかかるがその分同時に終わる数が安定しているので冒険者チームに離されずに少し遅れながらも付いて行っている。

しかし魔法使いが魔力切れを起こし始め次第に力自慢達の力技で無理やりスピード維持でなんだかんだ終わってみれば引き分けで、冒険者と騎士団が仲良く酒盛りなんて風景が良く見られるようになった。


武器屋も魔物の上位昆虫種の装甲を抜ける武器や頑丈な防具が認められればギルド公認で販売網を確保出来ることから移住して来た連中が必死に開発をしていた。


その中でも地元で一手に引き受けていたゴルドは一歩先に進んでいた。

そんなゴルドの元にはライバル達が視察に訪れ、手の内を明かさないように俺の専用武器改造が滞ってしまった。

そんな日がしばらく続き、ここで意外な人に出会った。

それはホルドアの街で武器屋を営んでいたロレッタだった。

ゴルドにストーカーのように付きまといかなり嫌われていたようだがなぜかこの2人俺の事を話し出したら意気投合してしまった。


何がどうなってるんだか…


しかしこの2人意外な事に豪快な加工なのに繊細な仕事をするゴルドと魔力回路、付与や素材加工が得意なロレッタでお互いが苦手とする分野に惹かれあって2人の世界に入ってしまった。

その間俺は空気と化した。


いつしか2人は見つめ合い徐ろに頷きあった。

2人はこれから共同で作っていく事にしたようだ。

しかもなぜか結婚の約束までしたというかすでに夫婦になったよこの人達…

そんじゃ〜邪魔者は消えるとしますかね…


「ケントお前の槍はこのロレッタのところで買ったのだろう?なら2人で仕上げても良いのだろう?」


「あの処分品と思ったのがなんでそんなに気に入ったんだろうね?でもあんたの持ってた素材見せてもらったらいろいろ出来そうだから思いっきりやらせてもらうよ。こんな良い人紹介してもらえたし恩返ししないとね」


「はいはいごちそうさまです」


「槍ベースで出来たら中遠距離もだったかな?剣はどうする?それとついでだ防具も含めていじって良いか?軽装の方が良いのだろう?」


「そういえばあの娘は一緒じゃ無いのかい?あの娘の分もなんか作るかい?」


「軽装が良いね〜テルトは今もう1人と一緒に看病に付きっ切りだからね〜」


「あ〜捕まっていたって娘達かい?そりゃ大変だね〜そんじゃ落ち着いたら連れて来なよそれともう1人も紹介しとくれよ」


「はいよ〜そんじゃ〜ゴルド任せるよ〜」


まさかこの2人がくっついちゃうとはね〜でも知り合いが幸せになってくれるのは良いもんだね〜それにお互いが得意分野で補い合えるから羨ましい関係だね〜

それを言ったら俺とテルトももう少し成長すればそんな関係になれるのかね〜まずはこないだ取り込んだ光の玉を上手く使えるようにならないとな〜


「良いところに来たよ。ケント!ちょっときとくれ」


そう呼ばれて訪ねたのは雑貨屋のマーサさんのところだった。

どうやら他の商人が持ち込んだ物が格安で商売にならないらしい。そこでなぜか俺がとんでもない調合レシピを持ってると噂を聞きつけこっそり相談してきたそうだ。

きっとテルトだな。結構仲良くして貰ってるらしいし、なんかのついでに俺の調合力を漏らしたかな?

まあ良いかテルトの顔を立ててさらに地元が潤わないとな他所者に持って行かれても面白く無いし、せっかく世話になるために来た村だから恩返しをしておかないと。


そんじゃ〜何が良いかな?

こないだ見つけたヨモギに似た葉っぱが鑑定したら回復薬の強化に使えるって出てたからそれを教えるか。

この葉っぱは地元にしかわからないところに生えてるし丁度良いだろう。

そして出来たのが『中級回復薬』

他にも解毒薬、麻痺薬、毒薬なんかもこの辺りで入手可能な物で制作レシピを教えておいた。

地元の者なら気軽に行ける場所だし元でゼロだから価格競争でも勝負出来るだろう。今後昆虫ダンジョン次第だがかなり使用量は期待できるかな?


こんな感じで村を散策していると今度はシャロルとジャックが実戦訓練でいろいろな人を鍛えていた。

この2人騎士団が来たことで門番から解放され大森林の戦闘にも詳しいので、下級騎士の訓練。初級冒険者の熟練度試験、捕まっていたって女性達の再訓練を受け持っていた。


これは基本個人技の修練でさすがに集団戦に慣れてる騎士には部が悪いのだが、捕まっていたって女性が今後のために護身術として学びに来てからは目の色を変えて修練に励み出した。

それは騎士には負けたく無い冒険者も刺激して段々と人数も増えていった。なぜかベテラン騎士や熟練冒険者も入り始め、女性達も護身術が実用的だとわかると元気があるのは毎回じゃなくても学びに来るようになってきた。

やっぱり男って単純だね…俺が言うことでも無いんだけどさ…行きたいわけじゃ無いんだからね…


「おいケント良いとこきた。ちょっと教官役でこいつら叩きのめしてくれよ」


「またかよ…ま〜良いけどさ〜最近暇できてきてるし」


「そんじゃ頼むよ」


そう言ってジャックは冒険者の元に指導に向かった。

残された俺は騎士達に囲まれていた。


「こいつに勝てばあの娘達と…」

「会話する権利のために…」

「やろーばかりのところで女性に接する機会はこれを逃したらあとは無い…」

「あの娘の前に立てるならどんな事にも耐えてみせる」


あ〜なるほど…これだからジャックは逃げたんだな…

集団で1人を相手に戦う連携も学べるし力量の差がある戦いを経験しておくのも良いということか。

そんじゃ〜やるとしますかね。槍は無いけど蟷螂双剣あるし、軽い攻撃で手数勝負なら調整しやすいだろう。


10分後…20人も居た騎士は欲に目が眩み連携も統制も取れず簡単に崩壊した。軽い双剣とはいえ剣の腹でやったのだがみんな一撃で沈んでいった。

こんなんで騎士務まるのか?

いやだからこそここで修行させられてるのか?これなら冒険者と対戦させて競わせた方が良さそうだな。

ジャックもこの方が楽できるだろう。

もう少ししたらシャロルの方とやらせても良いかもね。でも女に負けたらこいつら立ち直れなくなるかな?

ちょっと心配だな。


おや?あそこに来るのはテルトとアーネか?

向こうもひと段落ついたのかな?

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