26レホの村は大騒ぎ
キーーーーザザザザザ
ダンジョンから救出して地上に戻ってから、テルトに救援を呼びに行ってもらって、まだ30分も経ってないのだがもうテルトが戻ってきた。普通に歩くと片道20分なのだが、どうやらゴルドのところから自転車に乗ってきたようだ。
後ろには載せたことがあったがまさかもう自分で漕いで乗れてくるとは思わなかった。
「ケントお待たせぇ〜連絡用にゴルドから預かってきたよぉ〜」
「テルトありがとう!それでどうなった?」
「ええとねぇ〜こっちにはシャロルが中心に何人か護衛で、馬車まで大きくないけど人を運ぶように何人か台車を押してきてもらってるわぁ〜。あとぉ〜村も受け入れ態勢準備してもらってるわぁ〜
ギルドの出張所にも本部に連絡入れてもらってるし、村長も急遽部屋の確保に動いてもらってるわぁ〜」
ほぉ〜さすがだなあの短時間でよくもまあこれだけの事手配して帰ってきたもんだね。しかも移動手段確保してくれたのはありがたいね。
意識ない人を護衛で来た人に運んでもらおうと思ってたけど台車ってのがどんなのかわからないけどそれでも人を運ぶので持ってくるくらいだから期待は持てるんだろう。
今はまだいいが気が張っていて平気そうにしているがどこで気持ちが切れるかわからない状況で予備の人員が確保出来そうなのはありがたいね。
「テルト今は平気そうだけど助かったって実感持ったら心が壊れる人が出るかもしれないから、介抱頼んでいいか?男がやるよりは女性の方が安心出来るだろうし、こんな事頼めるのテルトしか居ないし頼っていいか?」
「もちろん任せてよ!」
「そしたら元気そうなグループと今だけ元気なグループとまったくダメなグループと大まかに区別しといて。
それと簡単にグループ纏められそうな人いたら協力させて役割与えてみて。もちろんアーネも手伝ってね」
「はぁ〜い!それじゃ〜行くわよぉ〜アーネ」
「かしこまりましたテルト様。それでは手伝ってまいりますご主人様」
さ〜てとこれで女性のケアは2人に任せてあとは応援に来た人の采配かな?
それにしても強制的に魔物を身ごもり、出産させられて精神的にもどうなのかな?
家族が居る人なら家族の元に返してあげられれば、回復する人もいるだろうけど、身寄りのない人はどうなる事やら…
村長やギルドも動きがありそうだしそれは村に着いてからかな?
今後の事を思案しながら警戒しつつ女性達の様子を眺めていると、メガネの索敵に青い点が入り始めた。
人数的には10人ちょっとはいそうかな?
テルトから遅れる事15分これだけの人数集めて移動するには結構な速さで移動してきたのではないだろうか?
レーダーに映った点が直線距離でこちらに向かっている方向からズレが生じ始めていた。
おや?ちょっと進路がずれてきているな。
正確な位置はわからないのだろう。これは合流が遅れても困るから迎えに行くか。幸い近くに魔物の反応は無いしテルトに一声掛けておけば平気だろう。
「テルト近くに来てるけど方向ずれそうだから迎えに行ってくるよ。魔物は近くにはいないからここ、任せていいか?」
「もちろん良いわよぉ〜」
その言葉を受けて広場になっているところから林の中に入っていった。
しかし若干道が悪い。台車がどんな物かわからないからちょっと草刈りしながら行こうと思う。
武器も持っているのが槍だし、地面すれすれに当たるように回転させ振り回せばある程度の草は吹き飛ぶだろう。草が無いだけで走りやすいだろうし、おおよその位置を目指して進んでいった。
草を刈りながら200m程進むと、人影が見えてきたので声を掛けた。
向こうも気づいたようで先頭の人が手を振りながら方向を修正して近づいてきた。
「ケント 無事だったかい?急いでかき集めてきたよ。人運ぶのこれで足りるかい?」
そう言ってシャロルが示してきたのはなんと時代劇でしかお目にかかった事が無い畳ほどの板に持ち手と2つの車輪がついた…
そう大八車ってやつでした。
それが6台と引いてる男性6人と護衛の武装している女性が4人シャロンを入れて合計11人が来てくれていた。
早速草刈り済みの道を進むと進行速度が上がったようで、すぐにたどり着いた。
護衛の4人はケア要員も兼ねてるようでテルトと打ち合わせをして大八車に次々に乗せて行った。
中にはまだ意識の無いものや緊張の糸が切れて眠ってしまった者も居たが、何とか全員を分乗させる事が出来た。護衛も一台に1人が付き添い聞き役に徹しケアを行えているようだ。
テルトもシャロルもケア要員として付き添ってくれているので、アーネを最後尾の警護。俺は少し早めに出発して草刈りで道作り、シャロルを先頭にレホの村まで危なげなくたどり着く事が出来た。
村に着いてからはさらに大変な事になっていた。
とにかく村民が走り回っていた。
そこそこ大きい家などは宿舎としての受け入れ準備が進んでいた。
村中から予備の布団が運び込まれ、道具屋から様々な薬品が各家に運び込まれていた。
村長の家を中心に精神的ショックが大きい人を中心に集められ回復薬の他に眠り草などが運び込まれた。
まだ元気そうな人達には炊き出しが行われて、スープを体が受け付けやすいように優しい味付けで、食べた途端に泣き出す子も多く、男はウロウロするばかりで邪魔者扱いされ、村の女達が聞き役に徹してくれて、次第に落ち着きを取り戻していった。
程々に村が落ち着きを取り戻してきた頃、俺は疲労の色を顔に浮かべた村長と話をする事が出来た。
ギルドの連絡端末を利用し、ホルドアの街に連絡を取ったそうだ。
これは元々出張所扱いのレホの村と統括管理者のホルドアの街ギルド長のスルピーノと連絡をとりそこから領主のカイル・シュワルツに連絡が入ったようで、支援物資を積んだ馬車が手配されたようだ。
騎士団も周辺警護で村に入るようだしどうやらこの村はこれからとてつもなく慌ただしくなるようだ。




