部下から夕食に誘われてしまった…に!
ロールケーキ
(どうしよう、どうしよう!? ボク今日ホントに成瀬とごはんに行くんだよね?これってデートだよね!ま、まあ?可愛い部下がどうしてもって言うからには了承しないわけにはいかないし??ボクもやぶさかではないっていうか大歓迎だよもぅ!それに個室、聞き間違えるはずもなく個室って言ってたよね?つまり2人っきり!!やっぱりオシャレするべきだよね!まず仕事終わってから1回マンションに帰って着替えて、化粧はどうしよう…着替えだけでも時間ギリギリなのに。うーん、今の内に着ていく服を決めて化粧の時間に当てよう!ふふふぅぅ…あと12時間後には成瀬とデートかぁ。しかも2人、2人っきり!楽しみすぎるよぉぉ!)
成瀬が出勤してから約10分、江川咲はずっとこの調子だ。もちろん仕事に集中できるはずもない。といっても、江川咲の本日の仕事は成瀬とさかのタイムカードを押すくらいだ。そう、彼女はクラスに必ず1人はいる「夏休みの宿題を最初の3日で終わらせる」タイプだ。夏休みの最終日に重宝される。
無論、 今月の仕事も殆ど終わらせている。仕事が残っていると居心地が悪くなるというのもあるが、1番の理由は「成瀬とさかと少しでも長く話すため」だ。正直いって、江川咲という女は重い。むろん体重的な意味ではないが、仮に一般的な女性との体重差を差し引いたとしても重い。そろそろ成瀬に、毎日お弁当作っていってあげようと考えてるくらい重い。それなのに(もし不味いって言われたらどうしよう?)とか乙女思想を持っているからタチが悪い。成瀬、強く生きろよ…
約束の時間まであと6時間を切った頃、江川咲の脳内にある疑問が生まれた。
(あれ?昨日、成瀬はなんで早く帰ったんだっけ…)
それが生まれたのは、 今日のデートのシュミレート(という名の妄想)が30回を超えた頃だった。さすがに頭が冷えてきたのか、お昼のテレビに清水美香が出演していることに気がつくほどには冷静になっている。江川は、前まで感じていたコンプレックスなどとうに克服したように、むしろ勝ち誇った顔をしていた。
(ふむ、女性の魅力っていうのはやっぱり外見より中身、色気より優しさだよ!)
そんな1視聴者のかってな解釈など知る由もなく、番組は進行していく。
「今の季節、どこに行くのも暑くて億劫ですよね。そんな皆さんにオススメのデートスポットをお教えします!やっぱり定番といえば海!でも、女性の方はお肌のケア大変ですよね?そんな女性に…………………。私も、素敵な方とデートしてみたいものです。」
ロールキャベツ




