部下から夕食に誘われてしまった...
れっつ牛角
江川咲は、テーブルの上につっぷしていた。おでこが痛い...あと10分もすれば、唯一の部下であり同僚である成瀬とさかが出勤してくる。彼が来る前はいつも緊張しているが、今日はいつにもましてだった。
理由は明確。昨日の夜10時32分に成瀬から送られてきたメールにある。
「明日、夕食を食べに行きませんか?ボーナス入ったので奢ります。」
送られてきた瞬間、嬉しさのあまりほっぺたをつねってしまった。そして現実へ帰還。もちろん了承した。夜、布団に入ってからは緊張と妄想と心配でなかなか眠れず、というか一睡もできず、今に至る。
(どうしよう...クマとかできてないよね?肌とか荒れてないよね...うん、まだ10代だし大丈夫!)
手鏡でとっさに確認して、自分の顔を見つめる。問題なし、だと思うのだが念には念を。入念にまつ毛までチェックして、枝毛を見つけたとき鏡の中に人影が写る。成瀬とさかだった。
「所長、おはようございます。」
「お、おっはよう!あの、えっとその、ひゃすっと、誘ってくれてありがとう!」
「ハハッ所長、まだ朝ですよ?でも、喜んでくれたなら嬉しいです。」
「ハフぅ!」眩しい、成瀬の笑顔が眩しいよぉ!!
江川がトチ狂っている間、成瀬は仕事着に着替える。
「あ、そうだ所長。今日行く店、けっこうオススメですよ。個室ですし。」
「へ、へー。うん、凄く楽しみだよ。うん、エヘへ。」さっきの成瀬の笑顔、カッコいいのに可愛くてでもカッコよくて…もう最高。
テキパキと支度を済ませていく成瀬。装備の点検を瞬時に行い、軽く柔軟運動をする。その動作に無駄はない。なんだかんだいっても、成瀬とさかはエリートだった。成瀬とさかがエリートとは、世も末である。何はともあれ出勤準備完了だ。
「じゃあ所長、行ってきます。」
「いってらっしゃい!」
(このやりとり、なんか夫婦みたいだよね…)
今日の江川咲の脳内は、お花畑のようだった。
ユッケが好きです




