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8.癖
「隊長!!!」
「良かった!皆さん!」
相当きつかったのか、ものすごく歓迎されている……俺たちも。
遠くにぼんやりと目を使う。
「あいつのことなんて呼んでいた?」
短髪に聞かれる。
「エミリア__」
エミリア?口に出した言葉に、頭がさざーっと冷える。先ほど、目の前で刺された少女も同じ名前で呼ばれて……。俺の頭には、ひとつの言葉が思い出される。『クローン』クローン……まさか…………先日の『偽物』あれも……?
この様子じゃ、知らされていないようだな__と、短髪は男に声をかけた。
「……今は考えるな」
「ちっ」
舌打ちをして、前を見た。はっきりと目に映す。だがおかしい。あれはどう見ても…………どうみても……エミリア……だ。ふと俺は歩き出した。
「おい!止まれ!なに考えている!……自暴自棄にでも!」
「ぇっ、どどどどどど」
何か、何か、なにかに導かれる。歩くうちに_____触れた。いつものように。そして、抱きしめる。彼女はずっと彼女だ。
ふわっと香る、懐かしい香り。しばらくだ__。かなり時間が経ってしまったように感じる。
「____まさか、あんぽんたんね……」
声はエミリアのものだ。
「エミリア!」
俺は咄嗟に名前を呼び、強く抱擁する。
「……ヴァイ____一回、後に……できる?」
「できない!」
二人に数多の視線が刺さっている。




