7.会する
ぼろぼろで傀儡のように動く魔人と部隊は会する。じきに動けなくなる暴走具合を見て、誘導できればと話しながら応戦していた。
「あはっ、あははははは」
がごん、がごん、ばんっ。攻撃は止まない。煙の中で動くそれは、知らない動きだ。体の限界を超えて動いている。あれほどまで稼働できるのは………。
「あはっ、あはっ…………ああああああああああ」
「これは代償を多く払っている。戦いより、自滅を待つ方が健全だろう」
「……どこに移せば!?」
「あぁ!!隊長っ、こいつ、反応はするが自分の命令通りにしか!」
「…………彼に、彼にやってもらうしかあるまい」
短髪の魔人は内心、苦々しく思っていた。
「え?誰です?なんか心当たりが?」
「実はこいつ、人間と逢瀬を重ねていてな」
「えぇ?やりますね〜」
「……」
「でも、人間って……ハッ、まさか」
「あぁ、向こうの防衛軍だ」
「えっ__今来てるやつですか?マジーー?!」
「はは、面白いなぁ!そりゃ」
「あぁ……大胆なんだよ」
一方__
「くっ……」
「これは……」
「ってなるやつじゃん。なんでこうも簡単に?」
「元々、弱っていたのではないか?会話もまともに出来なかった」
「__鍛えられていたんじゃないか?」
「…………」
「あぁ、あの魔人、いや……兎も角、一番多かったものね」
「……会敵率は圧倒的だった」
「あ〜〜でも、全部幻覚だったのは堪えるわ〜」
「ずっと騙されていた……わけ、か」
攻撃と自分の負傷の具合を幻術で少し変えていたと、情報に書かれてあったのだ。
妙な違和感はあったが……たしかに堪えるな。
ドンっと扉が、壊され、人型の影が煙で揺れる。
「な〜んで、壊すんすか?あ〜、塵が口に……ぺっ」
「塵?普通、砂って言わない?」
「えぇ?素材は砂じゃないだろ〜」
隊長と呼ばれる個体が壁を破壊したようだ。
「……いいですか、人間に交渉に来たのですよ?」
交渉__その言葉に、身構えつつ煙が晴れるのを……待たず、リーダーが煙を晴らした。
「かっけぇ〜、どうやってんの?剣だけ?」
「見どころのある人間だな!」
「…………はぁ。__いいですか?人間の方__」
短髪の男の魔人がこちらに話しかける。
「実は、頼みたいことがありまして____」
「えー?受けてくれるの?やりぃ!」
「不謹慎よ、だまれ!」
「いったーい、ぶった!ぶちました〜」
賑やかだな……。意外な職場だ。もっと……。
「え?こうもあっさりと……」
「あぁ……あいつがこの展開も考えていたから……」
「やはり、あの耳飾りですか」
知っている奴もいたのか、と短髪の男と話す。
「彼女とは、長い付き合いですから……。出し抜かれることも、よくありました……」
「__それで、彼女は今どこに」
リーダーが話を聞く。位置や他の情報についても話が進んでいるようだ。
「____あぁ、残してきた兵達があたっている」
「それより、これなんです?」
床に倒れているどろどろに塗れた人型に気づいたようだ。
どう説明したもんだろうかと、顔を見合わせ、
「それは__」
リーダーが口を開ける。
「それは、知っている……。いい、行くぞ__」
こいつ、こんなに知っていてなぜ動かなかったのだろうか____と俺達は些か仲間が増え、あいつの元へと向かう。




