5.決戦
思い出すのは触れた温度。いっそのこと最期を選べば良かったのではないか。
逡巡は遅すぎる証左となり、記憶は脳を巡る。過程になった記憶は、鎖で千切れているように感じる。ああ、よかった。これで。
「ば、爆発です、第二尋問室より、爆発です!」
「くっそ……やっぱりなんかしてたか」
男はコップを乱暴に机に置いた。
「…………これだけの爆発、いったい」
原理、目論見、対応と、ざわつく室内。
「ちっ、……どう転んだとて責任問題です。早く片付けましょう」
そうだ。ならば、早く。はやく。
「ハハハハ!!ハハハ!____ぜーんぶ壊してあげる」
万能感に笑っているのか、女の脣はにたりと弧を描く。
「____破壊、対象は__へ移動」
「通路が塞がれ、到着できません。迂回します」
「こちらも影響あり、移動できません!」
「……幻覚に破壊。部隊の到着、避難、移動共に遅れが発生しています」
「あーー!視界を潰された!」
「……やるな〜!こっちから回ったら、どうよ!」
状況報告に焦りが滲む。破壊の程度が高い。なにより場所が問題だ。尋問の部屋、通路を塞ぐ、屋根を開ける。移動や、部隊が来る道を妨げている。だが、どれも決定的ではない。監査対象や重要な場所、危険な場所には触れる気配がない。それこそ最後____としても、足掻きとして見ても………
「……こいつ!侵入経路を作っている!」
観察室の面々は、即座に映像に目を向ける。
「人間がくるぞ」
「いやぁー上手くいっているようだ」
「うそじゃなくてよかった〜」
あぁ……。
「ほんとよく来れた」
あぁ……。
「……行くよ。ここで立ってるわけには行かないでしょう?」
「……無事を祈るのは俺達もだ」
「そうだ、みんなで帰ろう!」
…………っ……分かっている。




