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第48話 ぶれいぶしゅーたーあんりきゅん、戦闘開始!



 この身が纏うのは異世界の物理法則。

 この世界の魔法結界と言う法則は適用されない。

 魔法じゃないんだからねっ!

 だから、こう、ぴゅぴゅーーっと飛んで行ける。

 ピンク色の光跡を残し、クリスタパラストの高い城壁を一気に越える。

 刹那のフルバースト。

 ぼく自身はこんなこと、一度だってやったことなかった。

 それなのに、理奈がつかさどるシステムアシストのおかげで自然と最適な体勢になっていた。

 慣性なんて無視をして、

 ひゅいんと弓なりに最前線へと身を躍らせる。

 ほんの少しだけ、初めての超音速飛行を楽しんだら、もうそこは目的地。

 くるんと空中で宙返りをかけてモンスターの大群を見下ろすように森の上で正対して、

 両脚を広げ、右手を腰だめに握り込み、左手を斜め上前方に突き出して、凛々しい表情で決めポーズ!

 ……って、ぼく、理奈エクセリナじゃないんだから、ちょっといろいろ不具合が……。



(最高速移動を行いました。ストックMPは36ポイント消費されました。残り214ポイントです)


 理奈からのシステムメッセージが流れる。

 あ、結構消費されちゃったのかな?

 でも、まだまだ十分にストックMPは残ってる、よね?



 あ、あそこが擦れたなんだかんだで、い、いたひとか言わないんだからねっ!

 空中やら、超音速飛行やらで縮み込んだのはここだけの話だけれども。

 って、そこっ!誰も見てないのに決めポーズする意味なんてないだろって言うなあ。

 お約束はやらないと意味なんてないんだよっ!


 ……あ、誰も見てないっていうのは厳密に言うと違う気がする。

 でも、森の上でなんだから、実際に見えないのか?ともかくも、



 ぎゃわぎゃわ、ぎゃわぎゃわ、ぎゃわ。ぎゃわわーん。

 ざわざわ、ざわざわ……ざわ……



 と眼下の森の中から感じ取れるのはこんな感じなわけで、

 やっぱり文字の力がざわに勝てないというこの小物感が眼下に満ち満ちているこの空間。

 確かに、小物っちゃあ小物なんですけど、その量たるや如何にと言う感じなんですが。



***



 と言うことで、まずはここが第一チェックポイントなんですよ。

 もちろん、まだここにせしるきゅんはいません。

 だけども、まずはここでぼくの力を確認しないと。

 この姿で戦闘するのってこれが初めてだから。

 目の前には、いつの日か戦ったことのあるゴブリンやコボルトどもがうじゃうじゃいる。

 数は力だ。

 まずは、王城から最も近いこのあたりの出鼻をくじいておかないと、ミッションは失敗してしまう(とナビゲーションウィンドウに出てました)。



 チュートリアルっぽいデス。誠に持ってありがとうございマス。

 ならば、ファーストステージ、Stage Open――



***



「スピードアタックモード、ごー」


 マニピュレーターアームから、最低限のエネルギーを乗せたビームをできるだけ多く重ねる。

 線ではなく、面を意識して、九十九つづら折りの如くにジグザグに駆けてゆく。

 森の中を縦横無尽に。

 木々の間をすり抜け、曲芸飛行のようにアクロバティックに。


 ……って、放射状に延びるリアクターバーニアってどう考えても翼のように広がっちゃってるんですけど、これで木々の間をすり抜けてゆくのはちょっと無理があるんじゃなかろうか?

 なんだけど、実際できちゃってるんだよね。

 うーん、エクセリナ=エレメンティアは勇気の精霊と言うことで、半物質扱いだからブレイブシューターモード中はそれにあやかって一部非干渉になってるのだろうか?


(リアクターバーニア等の各種武装及び補助ユニットには当たり判定が存在しません。当たり判定は本体のみ有効となります。従って、進路判定も本体基準となります)




 へぇー




***



 ひゅんひゅんひゅひゅんーーー

 ちかっ、ちかっ、ちかかっーーー

 ぐぎゃ、ぎゃ、ぎゃ、ぎゃわわ、ーーー

 さわさわさわさわーーーざわ?



 風を切る音、追いかけるようにしてゴブリンどものささやかな断末魔、最後に下草の擦れる音。

 1本1殺の感覚が伝わってくる。

 ただ、モンスターの死骸だけが量産されてゆく。

 ……あれ?これって妙に地味だったりする?

 アサルトモードになっちゃってる気がするのですが……。


 それでもとりあえず1分間頑張ってみた。


(ストックMPは18ポイント消費されました。残り196ポイントです)



  <戦果を確認します。…………雑魚モンスター殲滅数360体です>



 た、確かにすごい戦果。

 すごい戦果なんだけど……。



 ざわ……ざわざわ…………



 うん、勢いがね、衰えてないんだよね。

 正確に言うと、ごくわずかな、ぼく達の特攻を目撃している奴らは本能にかまけて転進しようとしてる。

 だけどね、あまりにも効率が良すぎちゃって、あまり遠くまであっぴーるできてなかったわけですよ。

 これって、いわゆるアサルト(地味)モードの弊害ってやつなんでしょーかね?


(ふにー、お兄ちゃん、そういうことなのれふ。分かってるようで判ってないのれふよ)


 おっと、理奈さんや?こんな場面でその口調なんですか?

 さっきまで機械口調だったのに。


(……システムメッセージじゃないからなのれふ。で、作者曰く、個性じゅーしだああ、などときょーじゅつしており、理奈としては戦闘モードを前面に出してないのでこれでいいのではというじゃっじになったみたいれふ。理奈としてはかっこいい姿も見せたいのれふよぉ)


 うん、確かに無理だ。

 あまりにも理奈を妹キャラオンリーにしてから(物理的な)時間が経ち過ぎちゃってる。

 今回の執筆期間はいつもよりも短いので、そのあたりのことを思い返すよりもさっさと書き進めないとヤヴァイと言うことなんでしょーよ。



 そもそも、今回はエクセリナ自身が実体化してないからかっこいい姿を見せようがないというか。



(それってブレイブシューター=エクセリナの出番がないということなのれふか?)


 ないと思います!

 だって、ぶれいぶしゅーたー=あんりきゅんモードでストックMP使いきっちゃう見込みなんだから、仕方ないの!

 それに、今のままでもじゅーぶん出張ってると思うのですが!


(奥の手はあるのれふよ……って、ぐぉーー、そこのへなちょこ作者、なにをするーーー)





  <ぴんぽんぱんぽーん―――しばらくお待ちください―――>




 なんだこれ。

 ……ところでですね、このやり取りで物理的に時間が経過しちゃってるとかあったりします?

 結構、長回ししちゃってるような気がするのですけど。

 このせいでせしるきゅんがモンスターに飲み込まれてミッション失敗とかになったら、さすがに目も当てられないんですけど。



  <……確認しました。単に執筆に時間が掛かっているだけで、この程度のやり取りは誤差程度に過ぎず、問題は生じないとのジャッジとなります。理奈の対応について軌道修正を行いましたので、再開します>



 ……って、いいのか悪いのか分からないアナウンスだったよ。

 で、再開すると。うん、ぼくの思考パターンもりせっとりせっとぉ。



***



(こういうのを止める場合は、物理的にせき止めるか、分かりやすいきょーふを全体に・・・与えるしかないのれふ)


 で、戻った訳ですが。

 分かりやすいきょーふねえ……?


ぐらぼむグラビティーボムとかお勧めなのれふよ)


 補充カプセルと取らない限り1ステージ当たり3回までしか使えないって言うあれですね。

 確かに、それなら広域殲滅手段たり得るし、傍目にも目立つから群れ全体に恐怖の波動を植え付けることもできそうなんだけど、地形変わっちゃいますよ?


(これは戦争なのれふ。地形被害を気にしていてはいけないのれふよ?)


 確かに、その通り、ごもっともな意見だ。

 伊達に異世界で兵器やってただけはあるよ。

 でもね?例えば除草剤の散布と言ったことはダメなんだと思うのですよ。

 化学、生物兵器はんたーーい。


(分かってないのれふ。理奈がそんな邪道に走るわけがないのれふ。理奈はあくまで正義の味方(侵略者から地球を守る)な立ち位置なのれふ。なのれ原状復帰が不可能となる攻撃手段はとらないのれふよ)


 こ、広域破壊兵器なのに?


(地形はちょーーっち変わってしまうのれふが、環境汚染は引き起こさないのれふ。なのれ、時間が経てば問題ナッシングなのれふよ。それに、大量破壊は大量生産の母なのれふ。大量破壊なくして世界の発展はありえないのれふ!)


 もしもしー?ぼく自身この世界に転生してからほとんど日も経ってないからまだよく知らないけど、大量生産って……

 この世界はまだそういう段階に(産業革命なんて)入って(起きて)ないよね?

 でもって、ファンタジーに大量破壊は……うーん、魔法がね、あるからにして、確かによくあるかもしれないと言う気はとってもしますけどね。隕石落としとか邪神召喚とか。

 ともかく、大量破壊はあるとしてもその対極に大量生産はまだない訳で、世界の発展と言えば、無限のフロンティアが広がってるっていうのがこういう世界ファンタジーのお約束だと思うのです。

 大量生産だとこの世界はスチームパンクになっちゃいます。

 なので、開拓者たれ!って言うことですよ。

 か○んじゃないけど。



***



 じゃあ、そのぐらぼむグラビティーボム……






 …………すみません、選択肢にないんですけど。


(そうでした!そもそも、今の理奈のユニットレベルでは習得していないのれふ!)


 そこ、どや顔で言うことじゃないでしょーよ。

 ……むう、参った。

 っと、理奈の精霊魔術師レベルは9あったよね?

 ぼくのレベルは3レベルだけれども、コネクトモードだから加算した状態で景気のいい広域系精霊魔術を使えたりしないんだろうか?



  <ブレイブシューターモードにおいては、異世界の物理法則が適用されています。従って、この世界の特殊法則に従う魔法の類は原則として使用できません>



 ソウデスヨネー。

 ストックMPから精霊魔術を使えてしまえば、この世界のパワーバランスなんてどこ吹く風になっちゃいますよね。まじでやりたい放題。

 というかですね、せしるきゅんもルミフェナさんも救出していない訳だから、よく考えたらこのタイミングではまだやっちゃダメなんでした。多分、効果範囲とステータスを勘案して二人とも巻き込まれて絶対に死ぬ。確実に死んじゃう。

 じゃあ、別の手段を取らざるを得ないじゃないですか。



 なので、簡易マップを起動してターゲッティングをします。


 ズドドドドーーーー


 怒涛の如く大量の赤ピンが刺さっていってます。


 すとん。


 で、最後に緑ピンが1本。



 ……えっと、2本目が刺さらないんですけど、……あ、そっか。



 つまりは、敵性勢力はこんな感じで、

 ルミフェナさんはここと言うことですか。

 で、まだこの周辺に王子様せしるきゅんはいないと。

 さっきはとりあえず手頃な所をやっちゃってたからなあ。

 じゃあ、今度はあのあたりルミフェナさんのいる一帯を中心に一度バーストしましょうかね?

 あくせるあさると……うん、ぼく、何言ってるんだろ。


(じゃあ、決められた動きと発動用の言葉を唱えるのです。……のれふよ)


 あー、理奈さん何故に言い直したのか。


(痛いせりふと、決め動作をリンクさせるのれふ……)


 そういうことね……

 しかたないなあ。







「蹂躙せし者どもよ……」







 軽くピンク色の粒子を吹かせて、軽く浮き上がる。







「……この世界の秩序は……」







 いったん体を丸め込む。

 しばし、エネルギーをチャージする格好。







「……ぼくわたしが守る!サウザンドバレット!!」







 体を、武装を、すべてを解き放つ。

 ぼくの体から、無数の光の弾丸が広がる。

 見る見るうちにストックMPも消費されていく。







***



 え?偏光レーザーじゃないのか?って?

 がる○ぉーすじゃああるまいし……って、Oh、フルイデース。

 ……じゃないよ。重装モードじゃないわけで、レーザー状にしたところで貫通性能期待できないんだから、こっちの方が映えるし、性能面から言っても上かなーって。

 ファーストインプレッションはレーザー状のが○ふぉーすだったんだけど、直前で思い直した次第。没原稿が残ってマス。



***



 光の雨が狙い違わずゴブリンたちを打ち据えてゆく。

 なんだか、複数の光矢が同じ方向に向かっていたりもして、こういう自動判定ってすごいなあと妙に感心したりもしてみたり。


(先程の待機中も含め、ストックMPを36ポイント消費しました。残り160ポイントです。……ダメージコントロールもばっちりなのれふよ)


 そりゃそっか。

 今、主となっているのはぼく。

 ならば、従となって様々な武装のコントロールをしているのは理奈。

 本職がコントロールに専念してるんだもの。

 そっちの方がいいよね。


(やっぱり、理奈自身がばばーんとやった方がすっきりするし、そのほうがよっぽど映えるのですよー)



 光の幕が開け、ぼくは静かにただ1つ緑色のピンが刺さっている場所に降り立つ。

 ミッションはまだ始まったばかりだ。














(ファーストステージ、クリア評価はDなのれふ。……初回なのれこれは仕方ないのれふよ。でも、このままじゃネクストステージが心配なのれふ)

ここまでお読みいただき、ありがとうございますのれふ。


何だか、何を書いてもどうしようもない気がするのれ、コメントは控えさせていただくのれふ。

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