第45話 ボーナスポイントを使わないとご都合主義出来ないとか、そもそも何か違うって
おかげさまで、スティスティリア女王様はぼくのいる部屋から出て行ってくれました。
なんだか負け惜しみのようなことを言っていたような気がするんですけど、ぼくには関係ないよね?
とまあそんなのほほんとしていたつもりなんですけど、
「……あれでよかったのか?」
イリアさんにジト目を受けてしまいました。
うん、かっこいい人のジト目、なかなかに好物です。ありがとうございます。
と言うか、いつものアニメ鎧で顕現していらっしゃいましたけど、じょおーさまは、何も突っ込んだりはしなかったんですね?
……えっと、フォーイリアとしてソルフェリノがコントロールしている精霊だ、と認知されていると。
なので、特に問題は生じないと。
つまりは、ソルフェリノがらみなので仕方がないという、そういう方向ですか、そうですか。
会話に参加していたのも、そういうものだとされていたんですね。
と言うことで、続きに参りましょう。
「よかったと思いますよ?」
「にゃああ、何ちゅーことをしちゃったのにゃあ、あんりきゅんわああ」
「ですから、これでぼく無罪放免なんですよね?」
「なんだか、お兄ちゃんがものすごく腹黒い気がするのですよ」
って、いつの間にか理奈も顕現しておられる様子。
ふにふにっと枕を抱えたパジャマ姿で浮いておられますが、耳あて擬装だとあふんとされちゃわないといけないもんで、できればこうやって姿を現していてほしかったりもするんですけどね。
……と言うか、ルビにまできゅん呼びされたくはないんですけど。
そういや、理奈って最近、たまに待機モードとなる以外はほとんどぼくのMPをちゅーちゅーしているだけだったような。随分とレベルも上がっちゃったようで。
「てへりこ。ごっつぁん……なのですよ」
うん、ぼくがやってもあざといだけですけど、理奈がやると(造形だけは)清楚系だったりするので様になる……ような……
お、お姉ちゃんの視線が怖いです。な、何も言ってないですからね!
「つまりは、アンリはこの国に居たくないと、そういう意味なんだな?」
「ですから、ぼく、ここに留まるわけにもいかないんですって。この世界のことをいろいろ見聞きして、その上で決めなきゃいけないんです。なんで、現状でたとえばこの国にとどまってしまうような何かを得るわけにはいかないんですって」
「それにしてもにゃ、先ほどの物言いはひどすぎるんじゃにゃいのかな?完全に喧嘩売ってるようにしか聞こえなかったにゃが」
確かに、そう聞こえるかもしれないですよ?
でもねぇ、相手はスティスティリア様なんで、相当はっちゃけたところで文句は出ないだろう、むしろ乗っかってくるだろうって読みはあるんですが。だって、のじゃろりをめいいっぱい楽しんでるじゃないか……
「だって、スティリアってこういうのお好きなんでしょ?」
「スティスティリア様にゃよ……、まあ、そういうのは否定しにゃいが……」
「だから、これでよかったんですよ。明日になれば分かりますから」
「つまり、明日、何かが起こるというわけなんだな。そして、何が起こるのかも、アンリは知っている、そういうことなんだな?」
「そういうことです。まあ、すべて分かってるわけではないんですけどね」
「ぎにゃああ、気になるぅ、気になるぅぅぅぅ…………にゃ」
えっと、最後って、もしかして忘れかけてたってことでしょーか。
うーん、にしても、ぼくもお姉ちゃんも、周りの何やらも、たった1週間かそこらの時間でこんなにも変わってしまってたんですよね。どんだけぶれちゃってるんだか……
うん、そんなこと気にしていても何も進まないわけだし、前を向いてやるしかないわけです。
◇◇◇◇◇◇
はあ、はあ、はあ、はあ、
私ー、どーしてこんなに一所懸命に走ってるんでしょーかねー。
エルフなんで体力ないんですけどー。
でも、走らなきゃいけないよねー。
だって、そうしないといけないんだもの。
私には、そんな便利な呪文は授かれるわけないんだし、人様よりかは
速く走れるんだから、その長所を生かしてやるべきことやらないと、お
仕事首になっちゃうなー。
うーん、首になっちゃってもいいかな?
でもなー、今まで世話になってるんだしー、義務は果たさないと
…………って、こんなところに子供?
おーい。こんなところで遊んでちゃだめだよー、もうすぐ大変なこと
になっちゃうからねー。
うん、一刻も早く戻って報告しないとなー。
◇◇◇◇◇◇
明けて翌日になっちゃいましたが、ぼくはもうへろへろです。
……じゃなかった。
へろへろでした。
昨日、あの後、ひたすら理奈に不足分のMP吸われたりしてましたけど、だって、90点分って、9時間以上吸われないといけないって、もうてん……じゃなかった、地獄だったんデスヨ?
でも、今朝の段階でぼく自身のMPもフル状態に回復されているようなスケジュール感でお願いしていたので、ぼくの体調、今朝はどうにかなってます。
(お兄ちゃんのお願いなのれふから、理奈としてはそれにお応えする義務と言うのがあるのれふよー)
つーかですね、どうにかしておかないとやばいんだって。
(なので、昨日に関しては頑張って早めに済ませたのれふ。午前1時ぐらいには吸いきったのれふよー)
で、すでにお姉ちゃんもスタンバってます。
理奈は満タンなので耳あてモードでございます。
「ふにゃー、今日でこの部屋からもおさらばなのかにゃ。たの死んでくれたかにゃ?」
「そこでどうしてそういうセリフが言えるんでしょーかね?……えっと、何かおかしくありませんか?」
「おかしくなんてないにゃ。でにゃ、これからどうするにゃよ?」
「そりゃあ、この世界を旅したいなぁ、と思ってますけど、お姉ちゃん、シュバルツヘルツの神殿のお偉いさんなんですよね?」
「でもにゃー、神託は受けてるにゃから、あんりきゅんとともにこの世界の環境改善するのが第一義になってるにゃからして、と言うか、あんりきゅんのことを見張っておくという面からしても、ついていかないという選択肢はないにゃよ」
「…………」
「に゛ゃ゛ーーー、そもそもにゃ!このお話は、よくある物語からソルっちのネタキャラっぷりにフォーカスしたスピンオフだったはずにゃよ!!!にゃのに、そるが物語から退場してどーするのかにゃーーー!本末転倒にゃ!」
「えっと、いちおう、この物語の主人公的な立ち位置ってぼくのはずなんですけど」
「そもそもの成り立ちを考えたら、主役はそるの方なのにゃああ」
「それじゃあ、お姉ちゃんはヒロインになれないですけど、いいんですか?」
「……にゃ?にゃあぁぁ……本編でも端役、こちらでもなんもなし……それは辛いにゃ……」
「それに、この物語はいちおー、ジャンル:異世界転生で登録してるんで、僕が主人公じゃないといけないんですよ?」
「バカにゃ……そ、そんにゃことが……それは盲点だったにゃ」
「あと、どう考えても男性向けなのに、主人公を女性にしてどうするんだって話もありますよ?」
「ぐぬぬ……男性受けする女性主人公物と言えば、公爵令嬢の婚約破棄物ものぐらいしか思い浮かばないっ!……いや!単純に作者が好きなだけで、それも一般的には女性向けレーベルに入る……だって、主人公に感情移入するためには同性でないと……はっ……TSなのか?実はそるが男だったとかそういう背景がないと主人公になれないとか……そんなバカな……」
「お、お姉ちゃん、そこで、言っちゃいけない……」
「よくある物語は半分以上女性主人公にゃ!それって、間違ってるんじゃにゃいのかにゃ?戦略的に!!!にゃから、あっちの方は評価が伸びにゃいのにゃよ。つーか、あっちはブクマも評価も半分しかにゃいにゃし、レビューも貰ってにゃいからにゃ!……あ、確かにソルは主人公ににゃれにゃいにゃね。少なくとも、こっちは男主人公で統一されてるにゃ。それが、差、にゃのか…………」
「うあ……お姉ちゃん、攻撃しておいて、自爆してる……そもそも、どっちの作品もポイント2桁しかない段階で五十歩百歩……」
「あんりきゅんよ、ちみも一緒に消される運命にゃね……咲こう、一緒に一花咲こう。このままじゃ、作者完全ネタ切れでソルもちみも勝手に消えていくだけにゃよ?」
「ですから、そこまで言っちゃったら本当にこの作者執筆やめちゃいますってば」
「さすがに、こんな中途半端な所で作者も執筆を止めることはにゃいにゃ」
「……えっと、前回まで、作者2か月以上止めてましたよ?」
「ぎにゃああああ、この作者、すでに完全にネタ切れしてるにゃあああああ」
もう今日が、最終日。
と言うことで、ぼくとしてはできるだけ効果的な見せ方をしたいなあって思ったりしてます。
やっぱり、インパクトって大事ですよね?
だから、ここで何の脈絡もなく行動を起こしてもダメだって思うんですよ。
どこかでど派手なトリガーが転がってないかなあ。
『5ポイントを消費して、本シーンにおいて適しているご都合主義を
発動しますか? Y/N』
あ、作者が逃げの態勢に入ったよ。
次のシーンは思い浮かんでいるのに、うまくキャラクターを動かすことができないからって、システムを悪用しようとしてる。
いーけないんだ、いけないんだ。
と言っても誰に言いつけるんでしょーか?
……単純に、読者がさらに減るだけだって?
それ、勘弁。
なんですけど、そもそも、5ポイント分のご都合主義でどうにかなるぐらいのことでどーにか出来るんでしょーか?
時間軸の矛盾とかだったら、世界の修正なんでもう少しポイント多くないといけなくなるんじゃないのかなあ。
<本件の場合は、マスターが支払うことが可能なポイント数の何割と言った算定基準となっております。従って、例えばマスターが現状の10倍のボーナスポイントを所持していた場合は、必要なポイント数は50ポイントとなっておりました。……で、ご都合主義、発動するんですか?>
と言うか、これって、作者がこの先のシーンを描写できないから押し付けようとしてるだけですよね?
<ありていに言えば、それだけの話です。単純に作者がずるをしようとしているだけです>
貴重なボーナスポイントを作者のずるのために使いたくはないんだよなあ。
だって、ここでボーナスポイントを使って、代わりに今回のミッション終了時に余計にボーナスポイントがもらえるようになるとか、そういうのはないだろうし。
と言うことで、そのまま話をですね、進めていこう言う所存なのです。
お姉ちゃんとの会話再開!
「ところで、この開口部から見える景色ですけど、少し角度を変えればメインの西側の山脈だけじゃなくて、王家の裏森の広がる北側の方も見えるんですね」
「……確かに、この開口部は真西に向いているわけではにゃいな。若干北側に向けても開口部が湾曲してるにゃね」
「……北側には、今日も森が広がってますね」
「当たり前にゃよ?1日で地形が変わっていたらおかしいにゃからね」
「じゃあ、来ちゃいますかね?」
「誰がにゃ?」
お姉ちゃんのセリフを合図にして、扉がバンと開かれた。
うん、これならご都合主義のポイント使わなくてもつながるんじゃなかろうか。
え?文字数稼ぎだった?
……あー、そういう意味ではご都合主義だったかー。でも、その分、もっと意味ないところ削れるってことだから、そのままにしておきたいと思うのです。作者の稚拙な考察部分とか、もうね、伏線にはならないわ、作者の浅慮さが浮き彫りにされるだけだわと、損にしかならないので。
******
「失礼するぞ!」
「失礼いたします」
見たことのある二人が拷問道具の置かれている部屋に入ってくる。
片方は見慣れてしまった顔だけれども、もう一人は久しぶり。
そのまま、二人して開口部の近くにやってくる。
ぼくたちの存在はガン無視の様相。
「レシア、そなたには見えるか?」
「少々お待ちいただけますでしょうか?少し、視野の方を調整しておりますので……はい」
「では、向こう側、森の様子はどうだ?」
「少々ざわついておりますね。遠いですが、鳥の動きが少々おかしくなっております。何らかの集団が押し寄せてきていることは確かでございます」
「では、報告の通りの事象が生じているのは相当に確からしいということでよいのか?」
「その通りでございます」
「ならば、兵を出せねばならぬな。この後緊急招集をかけることにする」
「それで、軍の展開はいつぐらいにできるんでしょうか?」
「そうじゃな、やはり半日はかかるじゃろう」
「間に合うんですか?」
「つなぎの手ももちろん打つ。緊急依頼をかけて冒険者どもをまずは送り出す」
うーん、これじゃ、間に合わないんだよなあ。
物理的に、間に合わないようになっちゃってるんですよねー。
……来ないかなあ?
ばたん
入ってきたのは、特に特徴のない一般兵だった。
……って、一般兵が直接じょおーさまに報告していいもんだろーか?
「報告いたします!セシル様が宮内で見当たりません!」
来ましたね。にやり。
ここまでお読みくださり、ありがとうございますです。
うん、作者さん、年末年始で少しだけ書けたんですねっ!
……次回分はまだ書けてないモヨウデス。
次回はおそらくアクションシーンになるんじゃないかと思います。
更新予定ですか?
え、えーと、1か月以内ぐらいにはどうにかしたいと……。
実家に帰ったのに予想以上に書けなかったという衝撃。
……本年もよろしくお願いします。(と、時候の常套句を使えないことでお察しを。3親等でしたが)




