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エルフに転生した俺は今度こそ快適に暮らしたい  作者: 坂巻大樹
王宮にて―――再びのおまけつき
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第39話 物語なんだから、フラグなんていとも簡単に建っちゃうんだって!



 気付けば、ぼくのいるこの部屋にも朝の光が入り込む様な時間になってました。

 何もかもがどろどろで、

 酸えた臭いが支配して、

 体のどこにも力が入らなくて、

 石の床にぱたりこしてるけど、

 朝の光は、何かいいことが待っているかのような錯覚をぼくにもたらしてくれました。


「お兄ちゃん、だいじょーぶなのれふか?」


 ふよふよしている気配が感じられるのです。

 り、理奈、ここで実体化するのは……その……


「理奈のことれふか?それなら、お姉様がいないのでだいじょーぶだと思うのれふ。それに、非実体化してたら、お兄ちゃんに取り返しのつかないことが起こるのれふ……って、もしかして、もう手遅れだったり、するのれふか?」


 確かに、今この部屋にいるのはぼくと理奈の二人だけ。

 間違っても、ソルフェリノもフォーイリアもルミフェナだっていませんので!


「だ、……多分、だ、だいじょーぶだと、おも、う。うん、理性は、あるよ。なんか、ひくついてますけど」


 もうどこからも、出るものなんてどこにもない。すでに脱水症状が出てきてもおかしくないぐらいだもの。

 まあ、脳からは何かを出せという信号がとめどもなく送られてきてはいるんだけど。

 肉体は、ただただ空になったポンプを蠢動させているだけだったりする。


「ちゅーどくになると、お兄ちゃんはお兄ちゃんでなくなってしまうのれふ。そうなったら、理奈もお兄ちゃんと一緒にいられなくなっちゃうのれふよ」

「よ、よく言うよ……理奈が、ぼくのことをちゅーどくにしようとしたんじゃないか……」

「それはちがうのれふ。決断したのはお兄ちゃんだったはずれふよ?」


 たしかに、決断して、そして、ここに至るまでの道筋を考えて実行したのはぼく自身。

 でもね、そもそもこういう形じゃないとぱわーあっぷできなかったという、その根本がね?


「そもそも、どうしてこのタイミングで理奈のことをぱわーあっぷさせようって思ったのれふか?」


 って、そっか、そもそも論のさらにそもそもってことですね?

 言われてみれば、不思議がっても仕方ないとは思うけど、そんなのって、ゲームやってる人間のさが以外のなんだというのか?

 レベル上げなんて序盤にやるほど効果が高いってよく言うじゃないか。

 ……確かに、最近のゲームだとレベルキャップとか、ステージごとの経験点インフレをひどくして序盤でのレベル上げを徒労にさせるように仕向けることも増えてきましたけども。


「『いつやるの?今でしょ!』ってどうしても思っちゃったんだ。このタイミングを逃すと、ずっと理奈を強くしてあげられなかったと思って」

「確かに、勇気の源の耳あてを介した余剰吸精ポイントのBP変換だと、だらだらすればするほど職業スキルが伸びにくくなっちゃうって言うのは分かるれふが、そもそも、王道の成長は目指さなかったのれふか?」

「王道の成長?」

「ミッションをこなしてBPを取得して成長させるという、ミッション式RPGでよく用いられるアレれふよ」


 理奈の言う通り、本来はそうあるべきなんだろう。

 理奈が召喚された当初は、そもそもストックオーバーフローMPをBPに変換するシステムは実装されてなかった。

 だから、この世界の運用上は、経験点を得て、強くなる。

 そうならないといけないんだよね。

 うん。

 分かってる。

 でもね?

 新たなシステムが追加になった。

 それって、その追加になったシステムが必要になったから追加されたんだ。

 だって、神様が管轄している部分の話なんだから、不要なことはしないだろうってこと。

 ……僕を転生させてくれるような神様なんで、若干怪しい気はするけどさ。

 怪しい気がした所で、このようなずるできるようなシステムが実装されちゃったんだから、できるうちにやっておきたいってのが人の悲しいさがでありまして。

 そのまんま言っちゃうと盛り下がるのは必然なので、それっぽいことを言ってみよう。


「……それじゃ、手遅れだと思ったんだ」

「はえ?手遅れ、れふか?」

「ミッションをこなして成長って言うけど、ミッションを達成するためのレベルが足りていなければミッションをこなせないよね?どうにもその予感が強かったから、こうしたんだ」

「まだ、ミッションのみの字もないれふよね?」

「うん、まだミッションが発生する気配はないよ。なのに、こんなとんでもな所にいるんだ。こういう、王宮とかで発生するミッションって大概難易度が高いって相場が決まってるんだよ」

「始まりのお城で発生するミッションは大概簡単だと思うのれふよ……」

「そんなお約束、成立すると思えないんだよね……」


 こういう世界だし、お姉ちゃんと言う最強カードがこちらにある段階で、簡単なミッションが発生するとは、まあ考えられない。

 むしろ、お姉ちゃんが難易度の高いミッションを引っ張ってくるんじゃないかって思っちゃう。

 それに、結構ばんばんBP使っちゃってるんで、大きなヤマを当てたいって思いもあるし、そう言う思いって神様に通じちゃうだろうから、


(了解したのぢゃ。結構うま味のあるイベントを用意するので楽しんでほしいのぢゃ)


 ほら、神様から返事が来ちゃった。


(ぢゃが、用意するのにしばらく時間がかかるぢゃからして、アンリにはしばらくクリスタパラストを満喫するのぢゃ)


 って、ぼく、幽閉されてるようなものなんですけど?

 そして、もうこれはこれはひどいことになっちゃってるんですけど?



  <ウォッシュアンドドライの魔法の使用を推奨いたします。対象を建物まで拡大するバージョンが真言魔術(遺失):2レベル魔法にあります>



 便利な魔法があるんですね……

 たしかに、お姉ちゃんがそんな魔法を使ってた気もする……



  <ソルフェリノが使用した清浄化は、一般魔法として世に知られているものとなります。対象は、生物及び生物関連物(いわゆる衣類等)に限られます>



 そっか、……拡大版のエンハンスド清浄化クリーンうぉっしゅ……

 途端に、部屋に光が満ちる。

 その光が消えた後には、あら不思議。

 何も起こらなかったかのように、朝の清浄な空気に包まれた半拷問部屋が佇んでおりました。

 ……って、おかしいよね?



  <さらに時間が経過したため、魔法使用の制限が緩和されております。2レベルまでの魔法は使用可能となっております>



 取ってつけたかのようなヘルプさんの解説ありがとうございます。

 で、魔法を使ったおかげで部屋はきれいになりましたが、ぼく自身はさらに気だるくなってしまいました。

 え、えむぴーがかつかつすぎる……


「す、すいたいのれふ……すいたいのれふ……でも、おにいちゃんのえむぴーが、かいふくしてないのれふ……」


 MPを使ったからなのか、部屋がきれいになったからなのか、

 理奈が怪しい呪文らしきものを唱え始めてしまいました。

 ちょっとどころじゃなく怖いです。

 たしかに、ユニットレベルも11に上がっちゃったから、ストックできるの110点まで拡大しちゃったんだよ。

 でもって、今現在の理奈のストック量は60点しかないので残りの50点を……

 えーと、それってどれだけ時間がかかるんでしょーか?

 僕のまるまるを持っていかれないといけないってことなので、最低でも5時間必要です。

 でも、その間理奈のことどうしよう……

 耳あてモードになってもらったら、確実に大きくて目立つものになっちゃう。

 でも、このままじゃ、誰か来たら言い訳できな……



            かきーーーん



 あ、咲いた。


 あ、これって、もしかしてフラグ立てたの?ぼく。


 ち、ちょっとまってよ。

 ぼく、心の準備が出来てないんですけど。

 来ちゃうの?


 ……とたとたとた……

 ばたん!


「ふあー……やはり早朝の魂癒の塔頂上アタックは疲れるのぅ……日々の鍛錬の日課としては、これぐらいがちょうどいい負荷だと思うのじゃが、誰も賛同してはくれぬのじゃ。その上、早朝、日の出の頃のこの頂上からの眺めが最高なのじゃ。心地よい疲れとそれをふっ飛ばすような絶景の組み合わせが堪らんのじゃ……」

「……のじゃろり?」

「……なんじゃ、先客がおったのかや?わしの楽しみを邪魔するのは無粋と言うものじゃぞ?」

「……すみません」

「よいよい。素直なことはいいことじゃ。……ところでじゃが」

「なんでしょーか?」

「開口一番、『のじゃろり』とか言っておったように聞こえたのじゃが、……どういう意味じゃ?」

「…………け、決して貶した訳ではなくてですね……」

「ほほう……つまりは、よくない意味の言葉、と言う訳じゃな?」

「お兄ちゃん、それ、墓穴なのれふ……」

「おっと、更に先客がおったか……しかも浮いとるのか?」

「ふよふよー……なのれふよ」

「しかも、自ら効果音を口に出しているとは、何ともおかしなものよ」

「そんなにおかしいれふか?」

「それにその格好は何なのじゃ?わしの国では見たこともないデザインなんじゃが?」

「理奈は勇気の精霊やってるのれ、マスターの願望に忠実な格好をしているのれふ」

「……チョットマテ」

「ほほう、そなた、精霊であったか?もしや、狂った精霊、ではあるまいな?」

「ぷんすか。理奈は理性の塊なのれふ。本能なんてこれぽっちもプログラ……げへ、げへ、げへ……」

「い、いろんな意味でよく分からない、と言うか不味い気がするんですけど、誰か止めてーーー」

「理奈の暴走は誰にも止められないのれふよっ!」

「暴走、じゃと?それは狂っておるからではないのか?」

「……えっと、狂った精霊の場合は会話が成立しないですし、そもそも出合頭から戦闘になっているものと思われるんですけど」

「それはそうじゃな。ならば、そこにいる『リナ』と言う者は狂っていない精霊、すなわち、誰かにコントロールされた精霊が可視化された者と言うことでよいのじゃろうか?」

「その認識で問題ないのれふよ」

「そうか、そうか、それはとても珍しいものを…………不審者じゃ!誰かおらぬか!!」


 ええっ、そこでそういう反応してくるの?

 タイミングが予想外すぎるんですが……



おぉっ!そなた、こんなところまで読みおったのか!大義であった。

……じゃが、さすがに褒美は出せぬ。すまぬ。


次回の展開どうしましょうか?

ノープランすぎて、作者には分かりません!

多分、新キャラの正体は次回分かるんじゃないかな……ばればれですけど。


投稿頻度が安定しておらず、申し訳ございません。

次回も、書き上げることができたら投稿いたします。


8/17修正:最後の方で、こそっと1字追加。ぶ、文意が180度違ってました(汗)

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