表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフに転生した俺は今度こそ快適に暮らしたい  作者: 坂巻大樹
王宮にて―――再びのおまけつき
38/54

第36話 魂癒の塔の天国部屋から見る景色は壮大だった



「…………」

「はあぁ……はあ……あ……うあぁ……んぐ」

「…………」


 ただ、ひたすらに苦しかった。

 ただ響く、規則正しい音は、無機質であった。

 無限とも知れないその苦しみは、心を削ってゆく。

 口を衝く、荒く不規則なそれだけが、この空間にすら時が流れゆくのを教えていた。

 ここは、地獄。

 天国などでは到底なかった……


***


 こつんこつんこつん

 ぺた……ぺた……ぺた……


「ど、どこ、まで、登、るん、で、しょ、う、か……」

「…………」


 レシアと呼ばれていたメイドさんの後について、ひたすららせん状に続いている階段を上っております。

 あんりでございます。

 尋ねても、レシアさんは……たぶん、本名はもう少し長いのかなとか思うんですけど、聞けなかったのでひとまずレシアさん。なのですが……全く何も答えてくれませんでした。

 というか、ぼく、階段を上りすぎて息が切れ切れなんですけど、目の前のメイドさんは汗一つ掻かず、多分澄まし顔でいそいそと昇っております。

 ついて行くだけで精一杯。

 ……ちなみに、お姉ちゃんはついてきませんでした。

 この苦行が分かってたんですよね?

 だから、メイドさんに任せてしまってました。


「では、私は報告することがありますので、部屋への案内はレシアに任せましたからね」

「承知いたしました。ソルフェリノ様」


 たったそれだけのやり取りで、お姉ちゃんはいずこかへと姿を消してしまったのですよ。

 薄情やるかたなしでございます。

 最後まで、猫に戻らずに押し通してしまっていたのですよ。

 もちろん、ぼくが質問する隙も余裕も何もなく、これからどうしろと言う話も一切ナシにこの状況と相成りました。

 と言うか、作者自身がこれからどうしようかのーぷらんなんでしょ?

 だから、こんな展開になっちゃってるんでしょ?


 ……おおう、反応してくれないのですね。

 本章では作者は登場しないつもりなんですね?


 じゃあ、ヘルプさんに照会してみようかと。



  <…………>



 え?ヘルプさんも出てこないんだ?

 この物語のキモだったりしませんか?

 物語の特徴だったりするのに出てこないなんて、まるでこの物語が死に向かっているかの様に見えちゃうじゃないのかよう。



   確かに!

   更新頻度的には!

   お前はすでに!

   死んでいるっ♪

   きらーーーん★

   だという状況ではある!


   けども、まだやめる気はないのですよ?



 うん、さすがにこのあおりだと出て来ちゃいましたか。でも、作者インサートじゃない所からして、結構抵抗にあっているような感じ。

 ここまでしないと出てこないとか、作者が意図的に水増しを失くす実験をしてるんじゃなかろーか?

 何も思いついてないがために。

 ……それじゃ、いつまでたっても更新できないと思うのはぼくだけでしょーか?

 そうでなくても、2300字ほど書いた話を没にして書き直ししてるんでしょ?

 確かに、その内容があまりにひどかったからって言うのは認めますけども。


 こんなに言っても作者インサートもヘルプさんモノローグも出てこないなんて、もしや、この場にそう言うものを遮断するようなフィルターが掛かってるのだろーか?

 確かに、ここはシュバルツヘルツの王城内。

 真言魔術師たちの国だったっけ。

 だから、魔術的な結界があってもおかしくはないんだよ。

 ……困ったなあ。本当にこれじゃ執筆進まないんじゃないのかな?

 それに、ただでさえ面白くないのがさらに面白くなくなるんじゃないのかな?



  <!!!……!!!……!!!……>



 うん、ヘルプさんが怒ってる気配は伝わってきたよね。

 なのに届かないとか、逆にすごいよ。


 とまあですね、あまりにもしんどいので意識を遥か彼方に飛ばしておりましたら、ようやく階段じゃなくなったみたいです。

 どれだけ登ってきちゃったんでしょーか?

 多分、てっぺん?

 膝ががくがくになってますが、どうにかレシアさんの後をついて行きまして、遂に扉の前にやってきました。

 で、レシアさんがぼくの方に振り向いたのですが、やっぱり汗一つ掻いておりませんでした。

 うん、やっぱりこの世界でもメイド最強説は崩れないんですね。

 伏し目がちなので表情が隠れているのもテンプレですか。

 そして、おもむろに後ろ手で扉を開き……

 あれ?解錠操作ってどうやったの?

 と思う間もなく、なんだかふわわっと押されるようにして部屋の中に押し込まれてしまいました。

 おっとっとっと。

 両手は縛られたままなので、バランスとるのがちょっと難しいです。


「では、こちらの部屋でしばらく御滞在ください」


 レシアさんが頭を下げて一言、

 音もなく、扉が閉まってしまいました。

 うん、どうやら閉じ込められたような気がします。

 えっと、この両手はどーしたらいいのでしょーか?


***


 さて、天国部屋と言われていた部屋にやってきた訳ですが、

 見るからにあべこべな感じの部屋でございます。

 ふかふかのベッドがあるかと思えば、X型の磔台(手枷足枷付き)があったりしてですね、

 快適に過ごせる部屋なのか、拷問に供される部屋なのかの判別がつかないのです。

 普通に過ごすための調度品も、拷問道具も共に充実しているというね。

 詳しい説明はさすがによろしくないので止めておきますが!

 ……うん?拷問する人とされる人がセットでぶち込まれる部屋なんじゃないかって?

 そうなんだろうけど、まあ、それが正解なんだろうけど、ぼく、この部屋に一人取り残されたんですが、どうしたらいいんでしょーか?

 普通に過ごせばいいの?

 それとも、セルフ拘束からの放置プレイとか、してくれって言ってるのかな?

 ……だから、思考回路をそっちの方に向けるのをやめれ?

 そのせいで大規模な没を発生させちゃったんだから。

 で、気分転換に大きく見渡してみたんですが、


「なかなかに、すごい眺めなんだよねー」


 思わず声が出ちゃいました。

 それなりに時は流れまして、すでに夕暮れの刻限になっております。

 主塔の向こう側に、魂癒の塔と対になる塔があり、城壁を超えて、さらにその向こう側へと赤々と燃える陽が沈んでいくのが大画面のワイドスクリーンで展開されております。

 赤く染まる白亜の主塔。

 遠く沈む陽が山々の稜線を浮かび上がらせ

 大空を舞う何かを切り抜いている。


「映像ってわけじゃ、ないんだよね……」


 壮大で綺麗なのは分かってます。

 感動しきりと言ってもいいんですよ?

 でもね、一つだけ言っておかないといけない。

 素直になれないんです、ぼく。

 100%の感動に身を委ねることができません。

 別に、斜に構えてる訳じゃないんです。

 ただ、感動と同時に恐怖も体験しているだけで。

 そう、向こう側、全面大画面……だったらよかったんだけど、

 そうじゃじゃないよね。

 全面開口なんですよ。

 足が竦むどころじゃないんですってば。

 天井から床まで、柱も、手すりも、何にもないのです。


 ……うん。開口部の近くには豪奢なベッドが置いてありましたね。

 …………そんな所で寝れるかよ!

 寝返りを打つ方向間違えたら、墜落案件になりそうなんですけど。


(そろそろ吸ってもいいれふか?)


 ええっと、理奈さんや、こんな所でいきなり何言いだしてるんですかね?


(でも、お兄ちゃんは一人きりになったのれふよ?それに、隔離されれちゃったみたいなので、逆に今がチャンスだと思われるのれふ。……まだ、スキップしても構わないれふが、その分、ディレイ分はすごいことになるの……じゅるり。うん、スキップしちゃうのれふか?)


 欲望丸出しなんですね?


「もうちょっと待って?しばらく誰も来ないだろーし、いろいろ処理してからにしたいんだ」


(了解だよ、お兄ちゃん……げへへ、これでより一気に吸えるれふ)


「ま、間違っちゃったかな……でも、先に、まだ明るいうちにやっておかないといけないことがね」


 いちよう、ぼくの今の立ち位置は『森の迷い子』なので、両手は縛られてますが、武器や防具の類は取り上げられてなかったりします。

 ……そもそも装備してなかったので、取り上げられようが無いのです。

 で、マジックポーチは取り上げられませんでした。

 まあ、まだ世の中にほとんど認知されていないから、こんな小さなポーチに武器や防具、その他諸々が入っているとは思われなかったんですよね。

 でも、マジックポーチから物を出す時は手を使わないといけないのです。

 両手が縛られているので、微妙にマジックポーチを使えないという。

 コマンドワードでショートカットとか、そう言う機能はついていないのです。


 と言うことで、優先順位としては、

  1.両手の拘束を解く

  2.晩ご飯を食べる

  3.不慮の事故で墜落しないように対策する

  4.理奈に吸われる

 と言ったところですよね。


 考えているうちに、残照のきらめきを残すだけとなってしまいました。

 さすがに月明かりでは暗すぎると思うのです。

 ぱっと見、魔法の照明があるようには見えません。

 ……まあ、何がどうだというのも分からないんですけど。

 ヘルプさんがいないので聞きようもないですし。



  <……!!!>



 切羽詰まってきました。

 と、ぼくの目に煌めきが差し込んできました。

 なかなかに鋭い反射。

 反射した物の方に目を向けると……

 あー、向けなきゃよかったかも。

 げ、げんなり。

 うん。鋭角に鋭いよね。

 結構すごい角度になってるよ。

 こんなもの、初めて見たよ。

 それに、うん、頂点は磨きあげられてるよね。

 もしかしたら、もしかする。

 思いついちゃったからには、トライするしかないよね。



ここまでお読みくださり、ありがとうございます。


1週間飛んでしまいましたが、

なんと言いますか、あまり進んでいない印象。

すみませぬ。

最近、天候不順ばっかりでずっと体調が優れないのでござる。


次回あたりの内容は本文中に予告しちゃってますので、まあ、そういう展開になるんじゃなかろうかと思います。

次話投稿はいつかって?

た、多分7/8(日)までには何とか……したいなと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ