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エルフに転生した俺は今度こそ快適に暮らしたい  作者: 坂巻大樹
王宮にて―――再びのおまけつき
36/54

第34話 縛られたぼくは、42番通路へ進む……って、縁起悪いよね?

本話より新章ですが、章題が思いつかないため、しばらく仮題とさせていただきます。ぺこり


なお、先話までに対して、本話は結構短くなっております。



(ふみゃ!)


「ふえっ!」

「……これで最後にゃからね?」


(りょ~かいなのれふ。次が楽しみなのれふよ……ぐへへ)


 吸われたのですよ。

 と言っても、最も少ない1点バージョンなんですけど。

 でもって、ソルお姉ちゃんから無情の通告。

 ここから先はもうしばらくこのリアクション取っちゃダメって言うね。

 つけを払うまでは何も起こらないんですけどね。

 でも、つけ払いの瞬間に何が起こってしまうのかを想像したら、もう今からぶるって来ちゃうのです。

 だって、さっきの理奈の含み笑いがもう、怖いのなんのって。

 ぐへへってなんだよ?どこかの脂ぎった商人もしくは悪役令嬢じゃないんだからね?

 え?悪役令嬢の場合はぐふふだろうって?失礼致しました。


 で、順調に進んで来たのでお姉ちゃんに質問をぶつけちゃおうのコーナーを開催なのです。

 だって、理奈もイリアさんももう顕現できないわけですし、ゲストキャラクターのルミフェナさんも北の方に行っちゃいましたし、ここで王子様の再登場って何考えてるか分からないし、つまりは僕とお姉ちゃんの1対1と言う構図しか存在できないのです。

 ヘルプさんとか作者を出せばいいって?

 ……出せるタイミングってものがあるのですよ。

 今は出せるような状況はないのです。

 そういうことなので、ここは僕とお姉ちゃんのターン。


「にしてもなんですけど」

「何なのかにゃ?」

「王子様を引きこまなくてもよかったんですか?」


 まずは、王子様のことを聞いておくのです。

 だって、この国で多分2番目くらいに偉いよね?


「にゃにを言ってるかにゃ?」

「ぼくのこと……というか、理奈のことを正直に話して協力を仰ぐっていう手もあったんじゃないのかなって思うんですけど」

「それは無理にゃ」

「どうしてですか?」

「せしるきゅんでは役者不足にゃ。まあ、意味がにゃいと言うか、余計に混乱するだけにゃ」


 役者不足……うーん、確かに、真言魔法の国の精霊使いな王子さまという立ち位置になっちゃうと、そうなっちゃうんですね。


「でも、ぼく、このままお姉ちゃんに匿われるだけでどうにかなるんでしょーか?」

「にゃー。さすがにそれは難しいにゃよ。にゃから、さっき王子サマにはあんりきゅんは迷い子ってきちんと言ったにゃからして」

「つまり?」

「つまりも何も、単純にあんりきゅんを慣例に沿って処理するだけにゃよ」

「し、処理……がくぶる……」


 処理なんて、どう考えてもやばい気しかしないのです。

 やっぱり、ぼく、消されちゃうの?


 元の世界で1回死んでるけど、あの時は何も考えることなんてできない状態だった。

 靄の向こう側で何か進んで、何かが起こって、気付けば身投げしてた。

 自意識は、どこかに置き去りにしてしまってたんだろう。

 だから、あの時のことはあまり良く分からない。

 ……だから、死ぬのってやっぱり怖いんだよ。

 その先に待つのが『リセット』だってことが分かっていても、気持ちのいいものじゃない。


「処分ではにゃいからな?慣例に従って、手順通りに進めるという意味にゃ。ありていに言えば、ルールに則ってソルがあんりの保護者ににゃると言うことにゃよ」

「えっと、つまり、ぼく、身分が保障されるってこと?」

「……手続きに則って、最終的にソルがあんりを引き取れば、と言うことにゃね」

「それって、もしもお姉ちゃんがぼくの引き取りを拒否したら、ぼく、しょぶん……がくぶる……」

「気にすることはにゃいにゃ。忘れたかもしれにゃいけど、そるはいちよう神託を受けてるからにゃ?あんりの保護者でいることは神様から賜った使命にゃからして、あんりを見捨てるような真似は多分しにゃいにゃよ」


 お願いだから、多分なんて言わないでほしいのです。

 その言葉の中に、処分と言う選択肢がどうしてもちらついちゃってるから。

 うるうるうるるん。


「ほんと?」

「そうやって、うるうる瞳の上目遣いで見上げてくるのはあざといにゃからして、やめておいた方がいいにゃよ?」

「えー?ぼく、これがしょたえるふの最終兵器だって聞いてたんですけど」

「確かにそうにゃ。だが、使うのが効果的な場面があるということはにゃ、逆に使ったらダメな場面もあるにゃからして。……下手に王族の前でそんな真似するのはよくにゃい」

「わ、わかったよぅ」


 と、お姉ちゃんに脅されながら、やってきましたクリスタパラスト。

 木々の向こう側はもうねずみ色です。

 ちなみにこのクリスタパラスト、正面から見たことはないのですよ。

 日本語に直すと水晶の宮って意味ですけど、さすがに建物が水晶で出来ているわけではないのです。

 ……地下に行けば、その意味は分かるよ?

 もう、絶対に行きたくはないけども。

 しょぶん……がくぶる……


「にゃら、堂々と裏口から入るにゃで、あんりきゅんはそのままそるの後ろをついて……おっとっと、そうだったにゃ。これじゃよくにゃかったにゃ。うっかり」


 え?な、何するつもりな、の、、、

 ゃあ……ぃぁ……やめ……てぇ……


「何変な感じを醸してるにょか。ふつーにしばっただけにゃよ」


 うん、ぼく、しばられてる。

 か、かんじてなんか、ないんだから……ね……


「だからにゃ、手首縛られただけで、どうしてそんな反応ができるにょか」


 うん、わかってた。

 ちょっと悪ノリしてもいいじゃないかよう。


「王家の裏森で保護された氏素性の分からないもにょを、捕縛してない体で王宮に連れ込めるとか、さすがにそこまでソルも非常識じゃにゃいからにゃ」


 すみません。

 お姉ちゃんのおっしゃる通りです。

 沙汰が出るまではおとなしくするつもりですけど、どのくらいかかるのでしょーか?


「そうにゃね。1週間もあればどうにかできると思うにゃよ?」


 長いような、短いような、その間、ぼく、牢屋に入れられたりしちゃうんでしょーか?


「それはにゃいように努力するにゃよ。軟禁にはにゃるだろうから、それは押さえてほしいにゃね。好き勝手に出歩くのは御法度にゃ」


 それはそうですよね。

 僕もいちようじょーしきのようなものはあるつもりなので。


「じーーーにゃ。あんりきゅんにはしでかしそうな雰囲気しかにゃいにゃ。くれぐれも、自分で自分の首を絞めるような真似だけはしにゃいでほしいにゃよ?お姉ちゃんも万能ではにゃいからして」


 ステータス的にはほとんど万能だと思うんですけど……


「そういうおべっかはいらにゃいからして」

「す、すみません」


 縛られて、数十歩ほど歩けば、もう森ではなくなってました。



******



 威圧されてます。

 えっと、お姉ちゃんにではないです。

 裏側なので、おそらく正面から見るよりかはより、建物の本質が見えるような気がするのです。

 つまり、おっきい。

 そそりたってる。

 拒絶感が半端ないです。

 それに、こちらは北側。

 影の方向なので、陰鬱とした、じめっとした雰囲気すら漂ってきてます。

 クリスタパラストそのものに威圧されちゃってます。

 前回は、そんなことお構いなしに地下に直行だったからなあ。


 まあ、目の前はほとんど壁……というか、土台なんですけどね。


「じゃあ、ここから城内に入る……しばらく、にゃとはお別れにゃあああ」


 お姉ちゃんが血の涙を流してる。

 どんだけ『にゃ』言葉が好きなんでしょーか?

 素じゃないですよね?

 作ってますよね?

 と言うか、目の前に衛兵が立ってるんですけど。

 おかしいな?

 すでに使っちゃだめだったんじゃないのでしょーか?

 しっかりとぼくたちの方を見てますよ?

 ザ・質実剛健を地で行くような、芸術性がとことん排除された……逆に機能美に溢れているような気もする、ヘヴィープレートを着たおじさんが二人、きっちりと立ってます。

 ぼくの隣のソルお姉ちゃんの雰囲気が変わったのを確認してから口を開くなんて、やっぱりできる人たちは違うよ……。


「『王の癒し手』ソルフェリノ殿、よく戻られた。ところで、そちらの者は?」

「森の迷い子です。これから素性の確認、取り調べを行いますので、魂癒の塔に連れて行きたいのですが、よろしいですか?」


 びっくりだ。

 ここでの口調はいわゆる普通の口調になるんですね?

 お姉ちゃんは一体何種類のパターンを持ってるんだろう?

 と言うか、作者の考えなしをお姉ちゃんが清算しているって構図なのかな?

 そっかー、これじゃあ個性出せないわ。

 なので、お姉ちゃんが盛大に嘆いたのも分かる。

 絶対に、この後このお姉ちゃんを食うような強烈な個性を持ったキャラクターが出てくるんだよ。

 王宮だし、選り取り見取りなんじゃないかな?

 作者にそれだけの力量があればって言う話だけども。


「承知した。では、42番通路をお使い頂くよう」

「分かりました。今通っても問題ありませんか?」

「現在は許可時間帯だ。だが、後1時間ほどで通行禁止となる。疾く抜けられよ」


 衛兵ズが、小さな扉を両側から開く。

 何かきらびやかな物が見えるかとちょっと期待しちゃったけど、目の前にはやっぱり石の壁しかなかった。

 うん、裏口だもんね。仕方ないよね。


「ありがとうございます。……遅れずについてくるのですよ」


 ソルお姉ちゃんの言葉に無言で頷くと、両手を縛っているロープが引かれた。


「あ……う…………」


 お姉ちゃんに睨まれてしまいました。

 ノリで『あふん』って言いかけちゃったの、一瞬で見抜かれちゃったよ。

 もちろん、衛兵ズは一切表情が動くことはなかった。

 さすが、プロフェッショナルは違うよ。




本話読了に対し、感謝の意を表する。


……衛兵ズだと文字が固いですね。駄目駄目ですね。

次回、遂に王宮に侵入した……連行されたあんりきゅんが目の当たりにする……な世界とは?

6/3(日)に投稿できるように頑張りたいと思いマス


季節の変わり目で、体調(身体的にも精神的にも)が不安定な日々が続いております。

そういう理由もあり、本作品の1話当たりの字数制限を緩和しました。

しばらく5000字以上でやっておりましたが、相当きつい……

5000字縛りのために、蛇足が増えていたきらいもありますので、ここで一度そういうのはやめようと。具体的には、★で登場する作者の呟きを極力減らすとかですね。悪ノリはいいですけど、単なる愚痴を書くのはやめれ?

それでも、1回当たりの文字数はよくある物語よりかは長めになるようにします……


6/7追記:更新が滞っており、申し訳ありません。6/3ごろに更新延期の旨追記したつもりだったのですが、パソコンか回線の調子が悪かったらしく、当該追記が反映されなかったようです。(接続不良が頻発していて、巻き込まれたみたいでした)

次話投稿については、体調不良もあり、とりあえず書けたところまでとはなってしまいますが、何らかの機器トラブル等が生じなければ6/9(土)に実施したいと考えております。


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