第26話 ソルフェリノは不条理がお嫌い
別題:安っぽい戯言とルミフェナ=ワースソードの受難
……ぼ、没にするだけの時間的な余裕がなかっただけなんだからねっ!
??????
どうしてそんな事をお願いされるのか、僕にはさっぱり分からないんですけど。
「もう一度言うにゃね。ルミっちに、『鑑定』を、してほしいのにゃよ」
あのですね、お姉ちゃん、何ルールブレイクをさらっと言ってるのでしょーか?
その上、鑑定って、お姉ちゃんを激怒させたあれですよね?
自分自身の体、骨、そして穴と言う穴のすべての中まで、念入りにねぶるようにいやらしく見られるような感覚になるって、そう言ってたよね?
だから、地雷になると。
確実に、怒らせると。
「ち、ちょっとまってください!それ、だめなやつですよ!」
「だからこそ、まずはルミっちで様子を見るのにゃ。だいじょーぶにゃ。ルミっちなら少々のことじゃ怒らにゃいにゃからして。……怒っても、ソルがどうにかできるぐらいにゃ」
「それって、実力で無かったことに……」
「あのー、お姉様?鑑定とは、一体どういうことなのでしょうか?それに、どうやらあんりきゅんが本気で嫌がっているような気もするんですけどー?」
「いろいろあるのにゃが、どうやら、使用された感が半端にゃいらしいのにゃよ。だけどにゃ?」
「だけど……なんでしょうか?」
「スキャンされると、自分自身が持つ力を可視化できるのにゃよ。しかもにゃ、絶対評価されるのにゃ!」
「スキャン……絶対評価……???」
「ルミっちもにゃ、今までは基本的には、○○よりつおい、●●よりょゎぃという尺度によるなんかぼんやりした評価の積み重ねで自分自身の力を把握していたと思うのにゃ」
「そりゃ、当たり前じゃないですか。強さの尺度なんて、そう言うものじゃないのですか?」
「でもにゃ、魔術師なんかは、ある一定の判断基準あるにゃよね」
「そりゃ、そうですよ。魔術師の場合は技量が上がれば使用できる魔法の種類が増えるんですから、誰の目から見ても、あの魔法を使えるんだから、このぐらいと言う基準になりますよね」
「……それも、知らにゃければ、レパートリーは増えにゃいと言う盲点があるのにゃが……誰かにいじわるされて、上位の魔法を知らにゃいままでいるにゃと、そう言うことになってしまうにゃね」
「あ、それは盲点でした。そう考えると、魔術師ですら、公平な評価って出来ないんですね?」
「……そう言うことにゃよ。でにゃからして、この世界では無駄が多いのにゃ」
「無駄、ですか?」
「やるべき者がやらず、やってはいけないような者がやって命を落としていく。もっと、この世界はいい形にできるはずにゃのにゃよ」
たしかに、そうだ。
ぼく自身は実感はまだない。
でも、ずっと生きてきた
じろじろり
……あのですね、ぼく、真面目なモノローグやろうとしてるのに、なんでそんな所で反応しちゃうんですか?お姉ちゃんをディスる訳じゃないんですけど?
ひ、必要な表現じゃないかと思う訳でして……だめ?
「だめにゃ!」
「えっと、ソルお姉様?いきなりどうされたのですか?」
「……にゃー、ルミっちは関係ないはにゃしにゃから、気にする必要はにゃいから安心するにゃ」
「はあ……」
えーっと、じゃあ、どうモノローグすればいいんだよ?
りていく!
確かにそうだ。
ぼく自身は、まだこの世界に来てほんの少ししか経っていない。
僕がこの世界に転生する前からこの世界で生きてきたお姉ちゃんたちには、ある種の実感があるのだろう。
いろいろな場面を見てきたのだ。
全ての強さが、ただ曖昧に存在している。
なので、その時の事態に対してどうすれば最善の結果を出せるかという計算ができないのだ。
過剰戦力然り、過少戦力然り、
世界の危機に対してすら、適正な判断ができない。
……例えば、それを乗り越えることができた者が英雄となるのだけど。
だから、お姉ちゃんは憤っているんだ。
英雄となるべき者達が、例えば強すぎる相手に挑んで無駄に命を落としていく。
すでに英雄足りえる者達が、評価されずにひっそりと朽ちていく。
強者が、対応すべくもない些細なことに駆りだされ、必要な時にその力を発揮できない。
本当なら、それが世界の理不尽な所でもあり、世界として面白い所でもある。
逆転できるチャンスが生まれるし、その狭間で生き残っていけるものもあるだろう。
そう言うのも、一つの世界の色だと思う。
でも、ソルお姉ちゃんは、その中で犠牲となって行く者達の姿を我慢できないんだ。
だって、こんな場合、たいてい害悪足る貴族連中が得をして、割を食うのは正直な者たちなのだから。
……まあ、それをドライブにして勧善懲悪的なストーリーを作って行くのが王道だってことは分かってる。
偉大なるマンネリズムから見れば、この方法論が一番数字が取れるのですよ。
だって、みんな、何だかんだ言いながらそう言う話が好きなんだもの。
現実世界にある物語の……安っぽくて、それでいて売れる物語の大半はそういう構造になるんじゃないのかな?
まあ、その対立軸をどう置くか、どう変遷させていくかと言うテクニカルな所はあるとして。
例えば、絶対的で盲目的な正義を悪に見立てるとか、対立軸をずらして行って最終的には世界を相手にするとか、まあ、いろいろあると思うよ。
うん、正義って大っきらいだ。
◆◇◆◇◆
<毒電波の受信を確認しました。有害電波の受信を自動的にカットします>
おおっと、これ以上はやめとけと。
作者自身もそう言う物語に埋もれてるし?
そう言う構造から抜け出せないのだから、
近親憎悪は見苦しいと。
<毒電波の残滓による妨害を確認しました。位相消去波によるクリーンアップを実施します>
って、いつの間に話がすり変わっちゃんたんだろ?
字数稼ぎって怖いよね。
で、何の話だったっけ?……ああ、既得権益層による略取の話だったかな?
そうそう、ぼくだって、この世界を魅力あるものにしようとした時に、そう言うのはやだなって思う。
……そっか、そう言うことなんだ。
なんとなくだけど、そういうことを目標にするのもいいかもしれないのかな?
だって、僕は快適に暮らしたい。
危険なことはなるべく避けたい。
ああ、そうしてみよう……
「えっと、あんりきゅんよ?いつまでモノローグに浸っているのかね?」
「……はっ!」
「にゃがすぎるにゃよ。と言うかにゃ、話大きくしすぎにゃ。まだそこまでの話にするほど、物語進んでにゃいにゃよ!」
★★★★★★
ご、ごめんなさい。
つ、ついうっかり筆が滑りすぎましたです。
まだ、そう言う話は早すぎましたね。
でも、じゃあ、いつあんりきゅんに目的を定めてもらえばいいん
でしょうか?
なんだか、いい雰囲気だと思ったんだけどなあ。
……毒電波ってものすごく心外ですっ!
★★★★★★
「先延ばしすべきにゃ!だってにゃ、見つけたらにゃ、その後いくらでも時間軸ぶっ飛ばすことができるにゃ。そしたら、この物語が短くにゃるにゃよ。ソルとしては、長く続けてもらいたいにゃね!」
「それって、作者がこの物語をエタらせてしまう危険性を孕みませんか?」
「に゛ゃー!打倒、『よくある物語』にゃ!」
「え…………100話以上続けるの、これ……」
「作者ならいけるにゃ!目標ひゃくまんじにゃ!」
「それ、最低でも200話……」
★★★★★★
200話……遠い、遠すぎるよ。
そんな構想、どこにもないよ……
無理したらエタっちゃうんだからねっ!
★★★★★★
「なに、つんでれ気味に脅しているのか?それは作者自身の首を絞めるだけにゃからして、全く意味はにゃいにゃよ。でだにゃ、そんなこと言いにゃがら、いつの間にか書いてしまうにゃよ!……つーか、書けるよな?」
お、恐ろしい。
ソルお姉ちゃんが作者を脅し始めた。
でも、考えてもみて?
今、この物語は苦しみながら週刊化してるけど、200話って、これを後3年以上続けないと到達しないよ?
それに、他の物語どうするんだよ?
あー、訳わかんなくなってきた。
どう収拾付ける気なんだよ。
「ソルお姉様、また違う方向にクレームを出しているようですけど、大丈夫なのですか?」
「ルミっちは気にしなくても大丈夫なのにゃよ。これ、単にゃる字数稼ぎにゃからして」
「はあ、やっぱりソルお姉様はすごいですね!」
「にゃはは……そう言われると照れるにゃよ」
なんでそこで、すごいという言葉を使えるのかなあルミフェナさん。
ある意味、ルミフェナさんはソルお姉ちゃんの操縦法を心得てる。
最後は煽てておけば気分良くなってどうにかなるってことだね。
……うん、無理。ぼくは、その手段使えそうにないです。
どうにもこうにもお姉ちゃんにモノローグ監視されちゃってるみたいなので、おだててもばれちゃうから、意味が無いのです。
「そこ、意味が無いとか言うな。裏があっても、人間、そう言う言葉には弱いものにゃからして」
「じゃあ、僕がモノローグであんなことやこんなことを言った上で、その上で会話文でおだてておけばいいんでしょーか?」
「駄目に決まってるにゃ。いつでもどこでも弟は姉を持ちあげるものなのにゃ!」
「そ、それじゃあ物語が進まないんですって」
「じゃあ、進まなきゃいいにゃよ。……あんりきゅんとしては物語が進んでほしいのかにゃ?」
「その話、ぼくに聞くんですか……そりゃあ……」
「ほんとに、なのかにゃ?」
「……ううっっ、何も言わしてくれなひ……」
「勝ったにゃ」
「「……」」
「にゃので、鑑定いってみるのにゃよ!」
『3ポイントを消費して、ルミフェナ=ワースソードのステータスを鑑定しますか?Y/N』
うん、このメッセージウィンドウ見るの久しぶりな気がするよ。
おかげで、手が震えている。
『はい』『いいえ』のうち、『はい』に触れなきゃいけないんだけど、あの時の記憶が僕の邪魔をしてる。
だって、トラウマなんだよ?
恐いんだよ。
やっぱり、ぼく、殺されてしまうんじゃないかって、どうしてもそう思っちゃうんだもの。
「あんりきゅんお?どうしたのかお?にゃにゃく、すにゃーとやってしまうがいいのにゃよ。責任はあにぇたるソルが取ったげるって言ってるにゃから!」
どうにも、僕の耳がちょっとおかしくなってきているようだ。
ソルお姉ちゃんの発する言葉がいつも以上に分からなくなってる。
「お姉様?あんりきゅんが青い顔になってしまっているのですが、さすがに、やめておいた方がいいのではないかと……」
「これはルミっちのためなのにゃからして、やってもらわなきゃいけないのにゃよ。それに、あんりきゅんにはトラウマを乗り越えてもらわにゃいといけにゃいのにゃ!そうしないと、望む未来に辿り着くことはできにゃいにゃよ?」
「うぐぐ……」
「さあ、意を決するにゃ。にゃにがあっても、あんりきゅんはお姉ちゃんが守るにゃから、安心してやっちまうのにゃよ!」
お姉ちゃんのプレッシャーがすごい。
不可視のウィンドウに、指先が伸びていく。
ぷるぷるぷる
ぼくの指、震えてる。
でも、ここで意を決さないと、やっぱり駄目だよね。
だって、何かを成そうとすれば、何か犠牲にしないといけないじゃないかよぅ。
……って、そうじゃないだろうって?
単に押すだけじゃないかって?
「ぐにゅにゅ…………おおっとだにゃ♪」
わざとらしい掛け声とともに、急にソルお姉ちゃんがぶつかってきた。
と言っても、ほんの軽くなんだけど。
うん、致命傷な動きでした。
「ぐはぁ」
『3ポイントを消費して、ルミフェナ=ワースソードの鑑定を実施いたします。しばらくそのままでお待ち下さい』
「おねえさ……ま……な、何を……う、うげえぇ……」
「が、我慢するにゃよ!だ、大丈夫にゃからにゃ!」
「せ、せり上がって、……げっぇー……げぇー……」
ルミフェナさんの反応も鮮烈だった。
その瞬間から、強烈な吐き気に襲われてしまったようで、その場で吐いてしまっている。
何度も、何度も、嘔吐き、そして胃の中にあったものを戻してしまっている。
何も出す物が無くなっても止まらず、胃液を出し、焼ける感覚に苦しみ、涙まで溢れていた。
「こ、これはひどいにゃね……」
「た、助けて……」
「もう少しの辛抱にゃから!」
その姿に、ぼくは何も言えない。
そんな姿を見たくなかった。
めをそらs……
「目を逸らすんじゃない!見るんだよ。これが現実だ。それでも、やりたいんだろう?」
逸らさせてはくれなかった。
責任を持たないといけない。
……でも、聞いてもいいかな?
『鑑定』の副作用、どうすれば軽減できるの?
<検索しました。スキル普遍化の実施により、対象に生じる拒絶反応を軽減することができます。ただし、鑑定及びステータス情報の普遍化については、ボーナスポイントが必要です。必要となるボーナスポイントは以下の通りです>
・ルール変更:職業スキルの賢者に、ステータス鑑定を追加。
4000ポイント~
・ルール変更:特殊職業として鑑定士を追加。一般ブラッドスキル
として鑑定を追加。800ポイント~
・ルール変更:鑑定スキルを、鑑定の水晶球と言う古代帝国期のロ
ストマジックアイテムとして導入する。(個人がスキルの取得を
行うことはできない)80ポイント~
使用ポイント量に応じて副作用も軽減される。なお、別途副作用
軽減に対してポイントを使用することも可能。
ステータスカード等のアイテムを導入する場合は別途ポイントが
必要。
うん、若干知ってた。
確かにEDLPの効果で若干安くなってるね。
(分からない人は、ゲーム世界に転生したと思って好き勝手したら破滅したの『承』の部分を読めばわかるよ)
と言うかびっくりだ。
ここまでで本話は終わっちゃうなんて、さては、字数稼ぎし過ぎたね?
★★★★★★
ぎくぎくぅ~
★★★★★★
キャラクターステータス……
ボーナスポイント:27→24
ルミフェナさんのステータスについては次話で紹介する予定です。
鑑定ネタで5000字は書けないとかひとつ前の後書きで言ってた?
ごめん。嘘でした。
というか、字数稼ぎで始めたたわごとが思いのほか長くなりすぎました。
でも、削除しないのが私の流儀なのれす。
ここまでお読みくださり、本当にすみません。
次回は、ルミっちのステータスに関するあれこれから、その次のイベントまでいくものと考えております。
(うん。次のイベントと言ってるだけで、王宮に着くとは一言も言ってない)
3/25(日)の更新目標ですが、来週は現実逃避で半分ほど家にいないので、書き上がらなかった場合は、3/31(土)の更新となります。
3/31修正:後半のヘルプさんの文章に使用するかっこを間違えていたため修正




