第15話 すねたお姉ちゃんとランダムエンカウント。ぼく、やばい
バスプラで安いマジックアイテム、そういえば、1つ全く触れてなかったものがありましたね……(汗)
今回は、それに焦点を当てました。
と言うか、作者、ちゃれんじんぐなのですよ。……かっとなってやった。後悔はしていない、訳がない。
「はあ、地味にゃね」
「ま、待って、お姉ちゃん、待って!」
ソルお姉ちゃんがため息をつきながらそそくさと歩いて行く。
森の中なのに、まるで平地を歩くように進んでいくので、ぼくの足では小走りにならなきゃいけない。
と言うか、元の世界ではこんな大自然の中を長時間歩いたことなんてないんですけど。
正直、つらいんですけど!
「ぼくの、足じゃ、走らないと、追いつけない、んです」
「これぐらいのスピード、追いつけなきゃ生きていけないにゃよ」
「そんなに不満だったんですか!」
「にゃ、見た目がものすごく地味にゃ。マジックアイテム感がゼロにゃ」
「確かに、そうですけど!お姉ちゃんってそんなに派手好き、なんですか?」
「あんりきゅん……当たり前のこと聞くにゃーーーー」
「き、キレないでくださいよ。でも、さっきも言ったように……」
「言いたいことは分かるにゃ。常識的に考えたらその方がいいってのも分かるにゃ!でも、納得できないソルがここにいるにゃよ」
「……って、うわっ、き、急に止まらないでくださいよお」
はあ、やっとと追いついた。
ソルお姉ちゃんが止まってくれたからなので、ぼくの行軍速度が改善したわけではない。
<行軍速度について>
能力値では、器用と敏捷により判定されます。
職業スキルでは、移動が不可欠なスキルを用いることができます。
ソルフェリノの行軍速度に対抗するためには、少なくとも器用及び
敏捷の値を修正する必要があります。
『ボーナスポイントを2ポイント消費して、器用及び敏捷を+1しますか?今なら、おまけで知性も+1されます。なお、行動順序は+6となります。Y/N』
っと、いきなり地雷がやってきた。
能力値のブーストは危険じゃなかったっけ?
<能力値ブーストについて>
一般のキャラクターが能力値を+1するためには、とめどもなく経
験値をつぎ込む必要があります。(ただし、最初のブーストについ
ては、必要な経験値が少なくなることもありますが、それでも大量
の経験値が必要になることには変わりありません)なお、今回のブ
ーストでは、行動順序が種族理論上限を逸脱します。
やっぱりだめ。
ポップアップウィンドウを注意して消した後、選択肢は『いいえ』にしておく。
何かあった時に必要になるかもしれないので、ポイントショップの選択肢から削除はしないけど、それにしても怖い。
そもそも、お姉ちゃんと一緒に行動している最中に急に移動速度が速くなって、手先も器用になったら怪しいってもんじゃないよ。
お姉ちゃん呼びでどうにか関係を築けたのに、いきなりその関係を破壊してどうすんだよ。
しかも、マジックバッグのプレゼントで好感度上がらなかったし。
ってよ、ん?好感度?ヲイ。
確かに美少女ゲーとか、そう言った物にはそう言うのが隠しステータスであるのは定番だが、それってフラグ管理用かもしくは多額の課金を誘発させるためのクソステじゃなかったっけ。
確かに、一般社会でも、確実に好感度ってものは存在するだろう。
人間は、好感度の海の中でもがく生き物だからね。
どんなに人間嫌いで友人が1人もいないボッチ様であろうと、世間体という社会的好感度からは逃げられないのだ。うん、つらい。
<好感度について>
主人公に対する周囲の反応基準値を数値化した物。0の場合はフラ
ットな反応となる。最低値は-100で、最高値は100。隠しス
テータスのため、鑑定等で確認することはできない。値の明示化を
行う場合はルール改変が必要です。なお、時折ちぇっくあんどりざ
るとにおいて『好感度が○○しました』と表示される場合がありま
すが、具体的な値は出ませんので、参考まで。
定番ステでしたので記載しました。不要なら、今後メッセージから
削除することもできますが?表示機能の変更ですので、ポイントは
必要ありません。
ファンタジー世界で、どちらかと言うとトラディショナルな世界観だから、そう言った物はないと思ってたんだけどなあ。うーん、好感度が最高になったり、最低になると何かイベントでも生じるのか?
<それは秘密です>
そりゃそっか。好感度が最高になったら結婚するとか、最低になったら殺されるとか、人間関係ってそういったデジタルなもんじゃないよね。
<…………>
そこで沈黙されるのがちょっと怖い。
で、話を戻さないと、いつまでたってもこんなことばっかってのもおかしいよね。
「そもそもにゃ、あんりきゅんはこんなちゃっちいもの貰ってうれしいかにゃ?」
「すみません。ぼくは、その機能の方に喜びを感じちゃうんです」
「ふえー、りなはそういったものにきょうみないれふー」
「ぬがー!話にならないにゃよ。イリアんかもん!」
「マスター、何でございましょうか?」
「イリアの意見を聞きたいにゃ!あんりきゅんにこんな物貰ったんだがにゃ、こんな物で喜んでくれると思ってるにゃよ。そんなわけないと言ってほしいにゃ!」
「……『そう言った物を貰ってもうれしくはない。』……言いましたが、これでよろしいでしょうか?」
「……よく言ったにゃ!……って、そうじゃないにゃ~~。イリアはどう思うかを聞きたいんだにゃ!」
「???私は、精霊ですので、そう言ったことが良く分からないのですが」
「くそう、くそう、精霊は基本実体がにゃいから、物理に弱いにゃ!」
「えーと、お取り込み中ですけど……」
「ソルは忙しいにゃ!後にしてくれにゃ!」
「も、モンスターが出てきたんですけど」
ソルお姉ちゃんが急に止まったのは、僕に文句を言うためだと思ってたんだけど、どうやらそうじゃなかったみたい。
モンスターの襲来を察知して止まったみたいなんだけど、本能で止まったらしく、理性の部分では把握してなかったみたいだ。
(むきー、その言い草はないにゃ!)
す、すみません。
……で、今まで遭遇していたのははぐれゴブリンばっかりだったんだけど、さすがにそれだけだと飽きてきたのか別のモンスターが現れた。
「がおがお……がーっ!」
がおがお、と来ましたか。
えーと、賢者スキルさん、と言うかヘルプさんかもんですよ。
<マンティコア……と言いたいところですが、>
ちょ、ま、それは死ねるんですけど。って、こんな所にはいないよね。ぼく知ってる。
<ちっ!>
あー、ヘルプさん舌打ちしたよ。何に怒ってるんだよ。
<作者がノープラン過ぎることにです>
そっか、がおがおとか書いておいて、何にするか決めてないと。
いい加減にしたらいいんじゃないですか?
っと、言いすぎるとまたへそ曲げて書いてくれなさそうだから、これ以上はやめとこう。
ヘルプさんも、どうどう
<おちついております>
で、結論でました?
<フォレストライオット……のようです>
がおがおだから、大型のネコ科モンスターと言う選択肢ですね。
で、本来ライオンは草原で暮らしてるのに、ここは森の中と言うことで、森のライオンと言う技に出たわけですか。作者強引だな☆
<私もそう思います。気を取り直してステータス関連は以下の通りです>
名称:フォレストライオット
森の中で狩りをするライオンです。
ええ、見た目はライオンですが、木に登るわ、木々を利用した三角
跳びなどの立体機動をするわ、森の中で出会った場合は強敵です。
初心者パーティーでは全滅の恐れもあるでしょう。
集団で襲いかかってきた場合は中堅パーティーでもやばいです。
その鋭い爪での斬り裂き攻撃がデフォルト。
噛みつき攻撃は止めを刺す時のファイナルアタックとして用いられ
る場合が多いです。
雄叫びで仲間を呼び場合もあります。
モンスターレベル:6
あ、駄目な奴だ。
「ぐるるるる~、がふっ、がうっ!……が、おーーーん!」
徐々ににじり寄りながら、臨戦態勢を整えていらっしゃるご様子。
って、もしかしてですね……。
<今、仲間呼びましたよ♪>
ち、り、
「むにゃー、こんな森じゃあ、展開できないでふおー」
ああ、もう、しまったよ。こんな場所じゃ、あんなにごつごつした物装着できるわけないじゃないか!
もういろいろと干渉しちゃうよ!
こんなことなら、軽装モードで維持しておくべきだったの?
「なので、理奈はここでむにゃむにゃしておくよ~」
「え?ぼく、ピンチなんですけど?」
「お兄ちゃんなら、そんな獣ぐらいなんてことないよ~、うにゃー、枕が気持ちいー、ふにゅー」
「って、何でぼくの精霊なのに守ってくれないのかっ」
「お兄ちゃん、もっと自分で出来ること、確認した方がいいよ~、だって、にゅー」
「ああっ、肝心なところを言ってくれない!」
どうやら、理奈は完全におねむモードに入ってしまったようだ。
って、ソルお姉ちゃんいたよね。
おねえちゃーん!
<ソルフェリノは、増援を叩きに向かいましたよ。ですので、アンリは目の前にいる1体を倒せばランダムエンカウントクリアーです>
ぐあ。
確かに、さっき仲間を呼んだんだ。
そっちの方が厄介に違いない。
なら、そちらを先に倒してしまおうってことは分かる。
百歩譲ってだけれども。
……じゃねーよ!何で一緒に対処してくれないんだよ!いじめだよ!
<ソルフェリノの試験だとお考えください>
そっちかい。
えーと、魔法は……
がう!
いたいっ!
考え事ばっかしてしまってたよ。
気付けば、フォレストライオットの初撃を受けてしまっていた。
引っかかれた所から血が流れ出す。
<HPに3点のダメージ!>
うを!今の一撃でHPの4分の1を持っていかれてしまった。
さすがに若干ゲームチックなファンタジー世界だ。
おそらく僕だけ特別に、ダメージと痛みを比例させてもらっていない。
なので、若干緊張感がなくなってしまっているが、これまで現実世界に生きてたんだぞ?
死ぬような痛みとか経験したことは……あー、2回ぐらいしかない。
1回目は、現実世界で自殺した時。うん、コンクリートに覆われた地面がものすごっっっっく、痛かった。
2回目は、うん、ぼくが傲慢だった時、ソルお姉ちゃんに燃やされた時だ。うん、あの時のことは本当に忘れてしまいたい。ぼくの黒歴史だよ。
3回目は、理奈にエクセリナシュートを決められた時。あれは事故だな、うん。
って、3回もあった。もうこれ以上はこりごりだ。
くそっ!エネルギーアローだ!
えいっ!……ぺし。
うぉおぉーーー、らいおんつえーよ。
前足でパシッと振り払われたよ。
<フォレストライオットに1ポイントのダメージを与えました>
が、がふっ?
すてん。
<フォレストライオットの攻撃がファンブルとなりました>
<ファンブルの追加効果でフォレストライオットは転倒しました>
お、おお、神よ。この世界にはそう言う概念があったのですね。
た、助かった。今がチャンスなんだ。奴は転んでいる。
次のターンは態勢立て直しになるんだ。
今、ぼくが取り得る最強の攻撃方法は何だ?
炎の矢?
駄目だ。火元がない。
それにここは王家の裏森だ。万が一火事になったらやばすぎる。
今、ぼくは真言魔術師と精霊魔術師がそれぞれ3レベルになっている。
いい魔法はないのか?
<3レベル魔法として、真言魔法では雷の矢、精霊魔法では石礫があります。どちらもエネルギーボルトよりも平均として2~3点ほど多くダメージを与えられます>
あるけど、一撃必殺足りえない威力しかない。
だって、さっきのエネルギーボルトで通ったダメージは1点しかないんだぞ?
<現在のフォレストライオットのHPは、残り19点です>
駄目だ。逆転できない。
くっ、ぼくはここで死んでしまうのか?
こんなライオンもどきに喰われて。
<あのですね、いざとなればボーナスポイント使えばどうとでもなるじゃないですか?何ほざいているんです?>
あのね、雰囲気作りだよ、ふ、ん、い、き。
まだそれなりにポイント残ってるから如何ようにもできるってのは分かる。
でもね、こういう所でポンポン使ってしまっては、全然貯まらないんだよね。
貯まらずに、逆にポイント使い果たして、本当に必要な時に足りなくなって死んでしまうんだよ。
だから、手持ちでどうにかするってことを覚えなきゃいけない。
だって、理奈にだってこんな獣ぐらいどうにかなるって言われたじゃないか。
ポイント使わなくてもどうにかできる方法があるんだよ。
……インベントリ、じゃない、マジックポーチに仕舞われた物を思い出す。
解体小刀?いやいや、これは僕の太ももの所のホルダーに刺さっている。
これは解体時にボーナスが付く物で戦闘用じゃない。
と言うか、そもそも仕舞ってないよ。
思い出す。
『月光弓を手に入れました。マジックポーチに収納されます』
そうだよ、弓だよ。って、こんな森の中でも使えるのか?
<弓について>
弓は、狩人技能で扱うことのできる武器となります。狩人技能では、
弓を使用する際に地形効果を無視することができます。つまり、森
の中でも普通に扱うことができますね。ただし、通常の弓狙撃の場
合、射線が通っていないと攻撃は自動失敗となりますのでご注意く
ださい。
<月光弓について>
マジックアイテム。以下の効果があります。
・月光の矢が自動生成されます。昼夜の制限はありませんが、生成
コストとして1ターンに付きMPを1点消費します。なお、MP消費を
避けるために通常の矢を番えることも可能です。
・月光の矢を放つ場合、目標を視認出来れば射線が通っていなくて
も攻撃が可能です。
・月光の矢は、攻撃側の自動失敗および、回避側の絶対成功のいず
れかによる特殊効果が発生しない限り命中します。(なお、特殊効
果の発生確率は特殊な補正が掛からない限りそれぞれ約3%程度で
す)
・月光の矢のダメージは、2回判定を行い好きな方を適用します。
また、ダメージ期待値は戦乙女の槍相当となります。
・ショートボウ扱いですので、速射可能です。
そっか、確認してなかったけど、チート武器貰ってたんだったっけ。うーん、お姉ちゃんには黙っておきたいなあ。さすが、魔法の弓。いろいろとえげつない。
と言うことで、インベ……じゃないよ、マジックポーチから月光弓を取り出し、装備する。
目視出来てるんだから、そのままMPを1ポイント支払って月光の矢で攻撃だ!
……狩人技能のおかげか、初めて持った弓なのに、自然と左手で弦を持ち、右手で弦を引く。
すっと引く動作に合わせて淡く輝く月光の矢が生成される。
目標を見据え、そっと右手を話す。
ぱんっと、弦が弾ける微かな音だけを残して、射線を無視して淡く輝く矢がフォレストライオットに吸い込まれる。
きゃうん
転倒状態から起き上がったフォレストライオットから大きな鮮血の華が一瞬咲き、飛び散っていく。
おおう!これぞ派手なエフェクトだ!これは、一撃でやれたのか?やれてしまったのか!
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
よもやの強敵エンカウント、戦闘シーンの途中で次話に続くと言う、お約束にしてみました。
何でかって?そりゃ、戦闘シーン書きすぎて完結までに8000字近く行っちゃったからだよ!
ながい、長すぎるぜ!と言うことで分割にしてみました。
らいおん戦はもちろん次話で決着がつきます。ボスじゃないし。
次話投稿はできるだけ早く行いますが、明日と言うのはきつい……デス。
残りの戦闘シーンだけでは全然足りないので、書き足しが必要となるのですよ。
少なくとも今週末までには次話をお届けできるよう、頑張ります。
……明日から会社




