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始まりの聖女 ─彼女が呼ばれたわけ─   作者: はたの


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7



コン、コン。



体が、びくりと跳ねた。


「は、はい」


わずかな沈黙のあと。


「紗和、入ってもいいか」



その声に、胸の奥の緊張が、ふっとほどける。


「……どうぞ」



扉が開いて、朝の光が、細く差し込んだ。


立っていたのは、アルヴェインだった。


「おはよう」



昨日と変わらない声だった。


「……おはようございます」



少しだけ視線を逸らすと、彼は部屋の中を見回す。


「寝られたみたいでよかった」


「……はい」


本当は、少ししか眠れなかったけれど。



彼は頷く。


「今日は、この礼拝堂の中を案内するよ。分からないことがあったら、その都度言って」



踵を返しかけた背中に、思わず声が出る。




「……帰れますか」


自分でも驚くくらい、あっさり出た。



アルヴェインの足が止まる。


振り向いた顔は、昨日と同じように穏やかだった。


でも、ほんの少しだけ、間があった。



「……すぐには難しい」




すぐには。


その言葉だけで、胸がきゅっとなる。



「でも、方法は探す」


静かな声だった。



……昨日、あの場にいたのは、全員子供だった。

「たまたま」だと、誰かが言っていた。



信じられない。

でも、信じないと。


「はい」


曖昧に笑って頷くと、アルヴェインさんは少し表情を緩めて歩き出した。


その後を追って、私もついていく。


……追いつけない、ということはなかった。






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