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始まりの聖女 ─彼女が呼ばれたわけ─   作者: はたの


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アンネさんの後を追い、部屋を出る。


もう見慣れた、椅子の並ぶ広間を通る。


その先の、大きな扉をアンネさんが開けた。



どこに向かってるんだろう。



少しだけ不安になる。


でも、アンネさんは迷いなく歩いていく。


その背中を見ていると、私まで落ち着ける気がした。



廊下には、二人分の靴音だけが響く。


前も、こうして歩いた。


あの時は、アルヴェインさんが前を歩いていた。


アルヴェインさんにも、これから会えるんだろうか。





何度目かの角を曲がった時、女性の姿が現れた。


向こうから歩いてきた人は、アンネさんを見る。


それから私を見ると、足を止めた。


深く、頭を下げる。



……私に?


アンネさんは、その横を気にせず進む。




段々と、人の気配が増えていく。


気がつけば、生活の音で溢れていた。



あの後も何人かとすれ違った。


そのたびに頭を下げられながら、ここまで来た。



「紗和様、こちらがお部屋になります」


アンネさんが振り返る。




アルヴェインさんの部屋とよく似た、大きな木の扉だった。





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