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始まりの聖女 ─彼女が呼ばれたわけ─   作者: はたの


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「今日からこちらのお部屋でお過ごしいただきます」


部屋へ足を踏み入れる。


思わず、足が止まった。


「……広い」


小礼拝堂とはまるで違う。


ベッドも、机も、服が掛かったクローゼットもある。


それに。


「……お風呂」


部屋の中にある扉を開ける。


脱衣所があり、その奥には浴槽があった。


すぐに入浴できるよう、支度が整えられている。


「紗和様、こちらへ」


部屋を見渡していると、後ろからアンネさんに呼ばれた。



天蓋付きの大きなベッドの横には、テーブルと椅子が置かれている。


いつの間に用意したのか、そこにはお茶が並んでいた。



染み一つないティーカップを、両手でそっと持ち上げる。


「美味しいです」


アンネさんに告げると、彼女はにこりと微笑み返してくれた。


「紗和様に、お会いしたいと仰ってる方がいらっしゃいます」


大丈夫ですか、とアンネさんは言葉を続けた。


……アルヴェインさんでは、ないんだろうな。



「……はい」


「そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。それに、実際にお会いになるのは明日ですから」



きゅっと強ばっていた肩の力を抜く。


今じゃないのか。


一連の流れを見ていたアンネさんが、ふふ、と笑う。




「お風呂の準備をしておくように申しつかっております。すぐに入りますか?」


「アルヴェインさんが、そう言ってたんですか?」


「ええ、そうです」



そうなんだ……


なんだか、少し嬉しくなった。





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