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始まりの聖女 ─彼女が呼ばれたわけ─   作者: はたの


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「失礼します」



扉が叩かれ、エルマー先生が入ってくる。



熱にうかされてない今、エルマー先生が存外おじいちゃんだったということに気付いた。



「簡単な診察をさせてくださいね」


「はい」



熱や喉の赤みを確認した後、先生は私の手首を取った。



前回みたいなことは起きない。


……やっぱり、見間違いだったのかな。



「風邪、完治してますよ。良かったですねえ」


エルマー先生の優しい笑顔に、私はほっとした。


「先生、ありがとうございました」


うんうん、と頷いてエルマー先生は部屋を出ていった。




アンネさんが扉を閉める。



「治って良かったです」


心から安心したように微笑んだ後、アンネさんは続けた。



「それでは私たちも行きましょうか」


「どこに、ですか?」




アンネさんは、部屋の隅に置かれていた荷物を抱えて、扉を開けた。




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