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始まりの聖女 ─彼女が呼ばれたわけ─   作者: はたの


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少しの沈黙の後、エルマー先生はにこりと笑った。


「風邪ですね。でも薬を飲めばすぐに良くなりますよ」


足元に置いた鞄から、二つの小袋を取り出す。


「食事の後に、一日三回これらを飲んでください」


お大事に、とゆっくりとした歩みで扉へ向かう。


アルヴェインさんがそれを追って、一緒に部屋を出ていった。



寝台の側に置かれた薬へ視線を向ける。


今飲んでしまおうと、水差しへ手を伸ばした。


でも、診察の間中起こしていた体がだるくて、そのまま横になる。


……アルヴェインさんが戻ってきたら、食事を持ってきてもらおうか。





その後、どれくらい経っただろう。


うとうとしていた意識を引き上げたのは、食器の触れ合う小さな音だった。


目を開ける。


知らない女の人が、部屋にいた。







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