表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣りの勇者とパーティを組むことになりました  作者: 雲乃琳雨


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/40

37、誕生会!

 土曜日は、午後から三人で誕生会の買い出しに行く。部屋の前で待ち合わせして、外に出た。私がパンの感想をナンシーに伝えた。


「高級パンおいしかったよ!」

「俺も食べたよ。おいしかった」

「そうでしょ! いつも食べらないのが残念だよね」


 ナンシーは笑った。


「一回に作る量が、クロワッサンが二十個で、食パンが十個なんだよ。まだ二回だけどすぐ売り切れちゃうからね。フルーツパンは火曜に出そうって話になってるよ」

「そっか、楽しみ!」


 初めに部屋の飾りつけ用のガーランドとクラッカー、ケーキのロウソクを、パーティグッズの店に買いに行った。代金は全部、私とルイスが払う。


 次に大きめの食器と、テーブルクロスを買いに行く。寮には一人用の食器が二つずつ備品として用意されているが、大きいものはない。

 少し大きめのグラタン皿をナンシーが、サラダボウルをルイス、楕円の皿を私が担当して保管することになった。


 ハムを乗せるのは、備品のメイン皿にする。取り皿は、私はルイスのサラダボウルと深皿と平皿を借りて、ナンシーがハオ君と自分の分を部屋から持ってくることになった。

 赤と白のチェック柄のテーブルクロスはナンシーが選んだので、ナンシーにあげる。


 次に食材を買いに行く。野菜とドレッシング、ケーキ用の苺と砂糖、小麦粉だ。これで全部買った。

 ナンシーは私のプレゼントを買うので、私とルイスが荷物を持って先に帰った。備品類はルイスに任せて、食材は半分にして二人で保管する。今日はこれで解散だ。



 翌日午前十時からルイスの家に集合して、私とルイスで飾り付けをし、ナンシーがケーキ作りに取りかかった。

 飾りはあっという間に終わったので、ケーキ作りを手伝う。スポンジをオーブンで焼いて、生クリームを泡立て、フルーツをカットする。ルイスも包丁の(あつか)いに慣れてきた。


「ルイスはだいぶ上手になったね」

「うん。料理も自分で作るようになったよ」


 スポンジを冷ますので、一旦昼休憩で解散し、また午後から集まった。


 最初にケーキの飾りつけをする。スポンジを半分に切って、中にクリームと苺、ダンジョンフルーツを乗せた。

 ナンシーが細長いヘラで、器用にスポンジ全体にクリームを塗った。飾りにまたフルーツを乗せて完成だ。魔法石の保冷庫で冷やす。保冷庫も寮の備品だ。


 次にパングラタンを作る。焼くのは始まる前なので、これも保冷庫に保管する。次にサラダとホッとドッグ用の野菜をカットする。それから、ハムをカットして、ソーセージに切り込みを入れておく。こっちも焼くのは始まる前なので、これで準備は完成だ。十七時半まで解散した。


 私とナンシーは着替えて、また十七時半にルイスの家に来た。料理を焼き始める。


「いい匂いだね」


 ルイスが匂いをかいで、ニッコリした。十八時になると、ドアからノックが聞こえた。


「こんばんはー。ハオです」


 ハオ君の声がして、ナンシーが飛んで行った。その様子を見て、私たちはほほえんだ。


 料理が焼けたので、テーブルに並べる。テーブル二台と椅子三脚は、私とナンシーの部屋から持ってきた。机をつなげてテーブルクロスをかけてある。


 私が端の席に座り、右にルイスとハオ君、左にナンシーが座った。クラッカーを鳴らして、誕生会が始まった。


『ユミ、誕生日おめでとう!』

「ありがとう!」


 なんか恥ずかしいけど、うれしい! みんなで食事を始めた。


「うわ、すごくおいしい!」

「チーズもアイテム食材だよ」


 ハオ君が絶賛すると、ナンシーが説明した。少し食事を楽しむと、


「ユミ、おめでとう。はい、プレゼント」

「ありがとう!」


 ナンシーからプレゼントを受け取った。早速包みを開けると、赤いステッチがアクセントで入っている、白いブラウスだ。


「かわいい」

「ユミの赤いスカートに合うと思って」

「うん。ありがとう」


 私はあまりおしゃれなことはよく分からないけど、ナンシーはおしゃれだから参考になる。

 ハオ君から三人に、四角い包みが渡された。


「招待してもらったから、三人に持ってきたんだ」

『ありがとう』


 (いき)(はか)らいだ。開けてみると、三角(すい)の形の木と「水辺の香り」のオイル、陶器のお皿だった。


「ルームフレグランスだよ。それぞれのイメージで選んだんだ」

「ありがとう」


 おしゃれだな。ルイスは四角い木を持って眺めていた。オイルは「森の香り」。ナンシーは丸い木で、ころがらないように底が平らになっていた。オイルは「花の香り」だ。目がキラキラして、めちゃくちゃ喜んでる。それから、ハオ君はシチューの缶を三個出して全員に配った。


「これは、オーナーからなんだ。バターの話をしたら、欲しいって言ってたんだけど、頼めるかな?」

「え? あ、うん、いいよ」


 シチューの缶は、ユメイナホテルのものだ! 三人とも感動して缶をしげしげと眺めた。あれ? ——もしや、ハオ君から話が()れた?


「ホテルのシチュー楽しみだね! ハオ君のバターとダンジョンフルーツもあるから、帰りに渡すね」

「ダンジョンフルーツ?」

「ダンジョンだけで取れるフルーツだよ。今日のケーキにも入ってるから」

「ありがとう!」

「私、まだバターを使ってないから持ってくるね!」


 ナンシーは席を立つと部屋を出た。ハオ君が話をした。


「ここはパン食が多いけど、俺が住んでいた東では米を食べていたよ」

「東はそうだよね。米もおいしいよね。私の家は北の小麦農家なんだよ」

「そうなんだ!」


 ハオ君はちょっと驚いていた。ルイスも自分のことを話した。


「俺は森のある西の農村から来た」

「ナンシーは南が暑いから、ここに来たって言ってたな」


 みんな違う方角から来ていた。ナンシーが戻ってきて、バターをルイスの保冷庫にしまった。


「何の話をしていたの?」

「みんなの出身地の話だよ」


 私がナンシーに言った。私は自分がここに来た理由をハオ君に話した。ルイスも聖剣のことと、パーティを組んだいきさつを話した。


「そうだったんだね。二人とも出て行かないといけなかったのか……」

「でも、私はここに来て良かったよ。友達にも会えたし、パーティも組めて、誕生日も祝ってもらったから」


 みんなは私を見てほほえんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ