↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/104

第37話 杏歌の座学【甘味時間】

【第二部】遺志を継ぐ者たち―巡―

「みんな、お疲れ様。よく頑張ったわね。ここで一旦休憩を挟んで、甘味でもいただきましょう」


「わーい!」


「あぁ、杏歌(きょうか)様と甘味のひととき〜」

「今日の甘味は何か楽しみだな」

「うん、勉強の合間の甘味は特別だよね」


みんなで笑い声を上げながら話していると、襖(ふすま)がそっと開けられた。


「みんな、ご苦労さんじゃったな。昼の甘味を持ってきたぞ。これを食べて、午後も頑張るのじゃよ」


「茶々蔵、いつもありがとう。楽しみにしてたわ」


「茶々蔵さん、ありがとうございます!」


「今日はみたらし団子だ!ありがとうございます!」


「ありがとうございます!これを食べて、午後からも頑張ります!」


ふふっ。

元気いっぱいの三人に次々と御礼を言われた茶々蔵は、穏やかな微笑みを浮かべ、この場を後にした。


私たちがお団子を口に運んでいると、今度は春風(はるかぜ)と柚寧(ゆね)が書斎を訪ねてきた。


「どうだ杏歌。私たちの可愛い部下たちは、しっかり学んでいるか?」


「みんな、午後に備えて今はしっかり休憩を取るのよ。杏歌、午後からもこの子たちをよろしく頼むわね」


「えぇ、雲祈(うんき)も大納(だいな)も蒼月(そうげつ)もとても勉強熱心で、感心するわ。だから午後からも安心して任せてちょうだい、柚寧」


私の言葉に、春風も柚寧も安心したように微笑んだ。


「春風さん、私の勉強の成果を楽しみにしていてください!」


「柚寧さん、私も早く戦力になれるように励みます!」


「私もです!一人前の勘定使者として、柚寧さんのお役に立てるように頑張ります!」


「あぁ、雲祈、楽しみにしてるからな」


「えぇ、大納と蒼月、とても頼もしいわ」


そう言うと、春風と柚寧は三人の素直な言葉を受け止め、微笑みながら書斎を後にした。


しばらく静かになった書斎に、次第にどたどたと騒がしい足音が響き始める。


──なんか、嫌な予感がする……


次の瞬間、襖がばんっ!と大きな音を立てて開いた。


「おーい!雲祈と大納と蒼月ー!訓練に励んでるかー!!がはははは〜っ!」


やっぱり……現れたのは団丸(だんまる)だったわ。


私の部屋と書斎の襖は、いつか確実に団丸に破壊されるわね。


そんなことを考えていると、七左衛門(しちざえもん)と哀伝(あいでん)も続けて姿を見せた。


「団丸……雲祈たちは訓練してるんじゃないんだぞ。お前の頭の中は、食べ物か訓練のことしか入ってないだろ絶対」


「ぷはははは〜っ!七左衛門の言う通りだね!団丸、本当に面白いんだけど!」


その三人のやり取りに、思わずみんなも声を上げて笑ってしまい、書斎はたちまち賑やかな空気に包まれる。


少しだけ言葉を交わした後、雲祈、大納、蒼月に応援の言葉を送りながら、哀伝たちはそれぞれの持ち場へ戻っていった。


静けさの戻った書斎で、三人が改めて口を揃えた。


「皆さんが、こうして様子を見に来てくださって、私はとても幸せです!杏歌様、午後からもよろしくお願いします!」


「あぁ、雲祈に同感だ!力がみなぎってくるな。杏歌さん、午後からもご指導のもと、よろしくお願いします!」


「本当にありがたいことだよね!私たちを一人前にしてください、杏歌さん!」


ふふっ。

元気いっぱいなこの子たちを見ていると、私も教え甲斐があって嬉しくなるわね。


「えぇ、もちろんよ三人とも。私がしっかり一人前にしてあげるわ。午後からもちゃんとついてきなさい」


「あぁ〜、杏歌様。なんて凛々しい〜。私はあなたに一生ついていきますとも〜」


「さすが杏歌さん!雲祈は少し変ですが、気にせず午後も突き進みましょう」


「ははっ、雲祈は相変わらずだね。午後もたくさん学べるの楽しみだね」


こうしてお昼の甘味を食べ終えた私たちは、再び机に向かい、午後の座学を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。