第18話 歓迎会―開宴―
【第二部】遺志を継ぐ者たち―巡―
どんちゃん、どんちゃん……
賑やかな声が、広間から廊下まで響いている。
今夜は、栄善、交易班、外交班、勘定班に加え、団丸と七左衛門も集まり、新人たちの歓迎会が開かれていた。
私と茶々蔵は、会議が長引き、到着が遅れてしまった。
「賑やかね……もう飲んでるのかしら?」
「ほほっ、そうかもしれぬな」
私と茶々蔵は、広間の襖をそっと開けた。
「遅いぞ〜!杏歌と茶々蔵〜!おいら腹ぺこだぞ〜!」
「やぁ〜っと、来たか〜この会議詰め野郎めぇ〜!おらぁ〜、もう飲んでるぜぇ〜ひっく」
「ごめん、ごめん。つい、会議で話し込んじゃってね」
「杏歌も茶々蔵も、仕事に会議に詰める癖があるからな。茶々蔵の席はこちらだぞ」
そう言って、栄善は自分の隣を指した。
「あたたたっ。座るときには腰にくるわい」
「茶々蔵、あなた会議を詰める癖を少し控えたほうがいいのではなくて?無理のしすぎは良くないわよ。ほら、今日は楽しみなさい」
柚寧が、茶々蔵のお猪口にゆっくりとお酒を注いだ。
「あぁ、すまんな、柚寧。ありがとう」
「柚寧〜、俺にも入れてくれぇ〜」
「時雨、あなたはほどほどにするのよ」
時雨に小言を挟みながらも、柚寧は手を止めずにお酒を注いだ。
「杏歌様!私の隣を開けておきました。杏歌様のお席はこちらです」
「杏歌の席は、僕の隣を開けておいたからね!杏歌〜、こっち〜こっち〜!」
雲祈は自分の隣をぽんぽんと叩き、哀伝は楽しそうに手招きしている。
私は、二人が喧嘩にならないように、間に座ることにした。
「賢明な判断だな、杏歌」
「……お前も賑やかな役回りだな」
春風と七左衛門は、騒がしい広間を見渡しながら、静かにそう告げた。
「雲祈、杏歌さんをあまり困らせてはいけないではないか」
「そうだよ、雲祈。綿花さんも、雲祈に絡まれたら、私か大納を頼ってくださいね」
「ふふっ。蒼月さん、ありがとうございます」
雲祈は、同期の大納と蒼月に軽く叱られながらも、相変わらずぽわぽわしている。
綿花には、しっかり者の大納と蒼月がいてくれて、本当によかったわ。
「これで、全員揃ったな」
栄善が声をかけると、広間のざわめきが少しだけ落ち着いた。
「皆、本日は大納、蒼月、雲祈、そして綿花──新しく入った四人の歓迎会を行う」
「いよっ!待ってたぜぇ〜!」
「おいらも腹ペこだ〜!」
時雨と団丸の声が飛び交い、広間の空気が一気に熱を帯びる。
「では、乾杯の音頭を雲祈、頼む」
「はい!こほっ。では、素敵な仲間たちに、乾杯〜〜〜!!!」
「乾杯〜〜〜〜!!!!」
一斉に杯が掲げられ、元気な乾杯の声が広間に響いた。




