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綿毛のように遠くまで  作者: かけらあつめ


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みつけたもの



母はまともに荷物の整理もさせてもらえないまま家を追い出されたから、着物だったりなんだったりがまだ家に置いてあるままだった。


父に見つからないように家に母を呼んで、最低限必要なものを持って帰ってもらった。



それは気づかれているのかいないのか、何も言われなかったけれど、全部がなくなったわけじゃない。



父は母のものに限らずどんどん物を捨てていこうとしていた。


母のいた頃を消すように。



さすがに勝手に捨てるのはどうかと思って言ったら、「お前はあいつとまだ繋がってるんだろ!じゃあどうにかしろ!」だってさ。


あんたが何もさせずに追い出したんだろってカッて言いそうになって、どうにかするから勝手に捨てんなよって言ったような気がする。


すぐに頭に血が上る。

この親にしてこの子ありみたい。

ほんと、こんな親に似たくなかった。


 


そして母の荷物を整理しているときに見つけたのが一冊のノート。

いつも母が料理をする時に使っていたものだ。


全てのページが埋まっているわけじゃなかったけれど、母の字をみて寂しさが込み上げたのを覚えている。


会える距離にはいるけど、いつでも会えるわけじゃない。

だから嬉しくもあった。



当時のことを思い出しながらページをめくっていると、後ろの方に日記がかかれていた。


日付をみると、それは私の小学生の頃。

そのページは破って母にノートを返した。


覚えていたらと不安になって、返す時に私の小学生の頃の話を振ったけど、そんなことあったっけ?って。


安心した。

あの家で過ごした記憶に関することはそのまま思い出さない方がいいと思ったから。


でも、できることなら母の心配を、当時の私が知っていればもう少し寂しさを感じることはなかったんじゃないかな。





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