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【創作BL】最愛の魔王様は今日も平常運転です  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
戦闘その2

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可愛いという

 そして、気絶したレイトを起こして、誰が一番可愛いか……という事になったのだが。

「全員一票ずつで、8票ある事になるな」

 ちなみに竜の魔族達がとても悩んでいる。

 すなわち魔王ディアにするか、それとも気に入った人間にするか、はたまたレイト様にするか……である。

 実の所、“緑の人”であるレイトも含めた五傑もまた、魔王ディアに次ぐ人気がある。

 見目も良く、強く、賢いその三拍子がそろっているからだ。

 というわけで、悩みに悩んだ末、一介の魔族でしかない彼らが入れたのは決まりきっていた。

 そして投票。

 四つ折にした紙を嬉々として読み上げ始める魔王ディアだったが……。

「では、読むぞ。カミル、エリオット、ディア、ディア、ディア、ディア、ディア、ディア……何故私が一番多いのだ! 解せぬ!」

 そんな憤るディアも可愛いなと思いながらエリオットは機嫌よく、

「どう考えてもディアが可愛いという事が証明されたな」

「エリオット……く、エリオットは仕方がない。だが、お前たち魔族は私の味方ではないのか!」

 ディアはレイトやフリードたち魔族に矛先を変えた。

 けれどレイトは嘆息して、

「ディア、ディアは可愛いと私達魔族では評判なのだよ?」

「……カッコイイではなく?」

「……鏡を見てください。何処からどう見えも可愛いでしょう」

 その話にしばしディアは黙り、ふむと頷いた。

「そうか、これからは魔王らしく仕事もばしばしやって、男らしい所を見せねばなるまいな、うむ」

「ま、待って下さい、ディア。あまりそうされると……」

「そうされると?」

 そこでレイトはしまったと思う。

 まだこの事をディアに悟られるわけにはいかないのだ。なので、

「その、フォローが追いつかないといいますか、えっと……」

「そうか……確かに私は初心者だから……すまない、いつもレイトには迷惑をかけている。ありがとう」

「い、いえ、別に……ディアのため、ですから」

 顔を赤くするレイト。

 後ろめたさもあるが、ディアに礼を言われて微笑まれるのは嬉しいレイトだった。

 と、そこでカミルが、

「うーむ、一体誰が僕などに入れたんだろう」

「俺だ」

「なーんだソラか。何、そんなに僕の女装姿が魅力的?」

「いや、後々ネタになるかと思って」

「ソラは酷いなー。でもどうかな」

「可愛いし似合っているな」

「さすが僕だよね。ソラ、ぎゅっとして」

 そういったカミルはソラに抱きしめてもらって幸せそうだ。

 それを羨ましそうに見ていたディアが、エリオットを見上げて溜息をついた。

「今ねだったら、百合になる」

「……誰が俺まで着せるように言い出したと思っているんだ。本当に実家に帰るぞ」

「ま、待って、冗談だから」

「本当ならディアと今頃いちゃいちゃしているはずなのに。なのにこんな服着せられて……」

「じゃ、じゃあエリオットはもう着替えていいから、私も……」

「ディアは俺が着替えるまで着替えちゃ駄目だ。その格好でいちゃいちゃさせてくれなかったら実家に帰ってやる」

「う……わ、分った」

「じゃあ僕、エリオットが着替えるの手伝うね」

 そう言ってカミルがエリオットの方にはしっていってしまい、レイトの衣装を着替えさせるために竜の魔族たちもそちらに行ってしまう。

 後には魔王ディアとソラのみ。と、そこでソラが、

「先ほどエリオットにも聞いたのですが、貴方方の関係が友達同士にしか見えないと……」

 そこまで言って、ソラは何も言えなくなる。

 魔王ディアがこちらを見ていた。けれどその表情はいつもと違い、少し病的な酷薄さが見て取れる。

 魔王ディアの姿をした彼は、ソラを見てくすくすと笑ってから、

「……そういう事にしておいて欲しいのか? そうだろうな。お前は昔から南の魔王が大好きだったからな」

「……何の事でしょう」

「ふふ、唯一、我々との約束を破らなかったのがお前だ。正確にはお前の祖先だからな……難儀なものだ。約束を守ったものが辛い思いをするなど……ふふ」

「何の事だか良く分りませんが、カミルは俺の親友で幼馴染で……振り回されて、巻き込まれてもかまわないくらい、大切な相手です」

「だから守ると?」

「カミルがカミルである事が俺の全てです。昔から」

「さて、人間は嘘つきですぐ約束を破るから、信じられないな」

 そうディアのような彼は笑う。そしてエリオットの方を見て、悲しそうな、愛おしそうな、泣きそうな表情になって、すぐに視線をそらす。

 けれどソラに向き合う頃にはすぐに表情は余裕のある笑みに代わっていて、

「所で、エリオットは先ほど、お前が南の魔王を眠らせた勇者の末裔だと知ったらしいぞ?」

「そうですか。別に隠しているわけではありませんから。それに勇者の末裔は沢山いる」

 言い切るソラ。それが自称であろうとも、“勇者の末裔”は沢山いる事に間違いない。

 人間らしいと、ディアのような彼は嘲笑を浮かべて笑い、そこで瞳を閉じて……。

「……すまない、ぼうっとしていたようだ。なにかいっていたか?」

 いつものディアが問いかけてきてソラはいいえと答える。

 そしてソラは心の中で、こちらの魔王討伐にエリオットが回されたのは正解だったかもしれないと思う。

 何しろ、この現魔王ディアが、あの勇者の末裔である勇者を愛しているのだから。

 そこで、いい加減服を脱ぐ事が出来ないレイトが癇癪を起こしている一方、エリオットが綺麗に身支度を整えてこちらへと歩いてきたのだった。

次回更新は、10:00です

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